卵が2型糖尿病のリスクを上げる？

いまだに世の中では卵1日1個まで説を唱える人もいるでしょう。卵はコレステロールが多く含まれているので、心血管疾患に良くないと考えている人もいるでしょうが、実際には間違っていると思っています。

この卵が2型糖尿病のリスクを上げるという研究まで存在しています。

その研究をちょっと見てみましょう。9つの研究のメタアナリシスです。もともとの研究が食事アンケートを使用しているので、いくらメタアナリシスをしてもデータおよび研究の質は低いままですが、見ていきましょう。

分析に含まれる人数は103,811 人でした。平均年齢は研究のよりまちまちです。注目すべきは9つの研究の卵摂取量についてです。卵の摂取量の中央値は、1つが週3個、3つの研究で週2個、残りの5つの研究では週に1個の卵しか食べていなかったのです。アメリカ人ってそんなに卵を食べないのでしょうか？私なんて1日最低2個食べますので、週に1個なんて信じられません。中央値が週1個ですからもっと食べない人もかなりの割合いることになります。私はアメリカ人ではないのでよくわかりませんが、本当？と思ってしまいます。（図は原文より、表は原文より改変）

上の図は横軸が週に食べる卵の数です。縦軸は2型糖尿病のリスクです。わずかに右肩上がりなので、卵を食べるほど2型糖尿病のリスクが高いように見えます。

上の表は卵の摂取頻度と2型糖尿病のリスクを示しています。基準は何と月に卵1個です。週ではなく月ですよ。ほぼほぼ卵を食べていないことになります。そのグループと比較して週7個つまり1日1個以上食べる人では糖尿病リスクが27％増加するというものです。ホンマかいな？もともとのデータが食事アンケートなので、これで2型糖尿病のリスクが増加するなんていう人はいるのかな？

いい加減なデータで、リスク増加が27％なので、全く気にする必要はないでしょう。

これからも、何度も卵が心血管疾患に良くないという記事などが現れるでしょう。しかし、卵ほど栄養価の高い食材は他にほとんどありません。確かに卵でLDLコレステロールが上がってしまうレスポンダーもいると思います。しかし、そのときもやはりLDLコレステロールが本当に悪いものかどうかが重要です。コレステロール悪玉説の洗脳は非常に強く深く、なかなか解けないかもしれません。私は糖質制限をして、中性脂肪が非常に低く、HDLコレステロールが十分に高ければLDLコレステロールは高くても問題ないと思っています。

「Egg consumption, overall diet quality, and risk of type 2 diabetes and coronary heart disease: A pooling project of US prospective cohorts」

「卵の消費量、全体的な食事の質、および 2 型糖尿病と冠動脈心疾患のリスク: 米国のプロスペクティブコホートのプール プロジェクト」（原文はここ）