LDLコレステロールが高いとがんのリスクは低下する

LDLコレステロールに関する洗脳は非常に強固であるため、なかなか抜け出すことができないかもしれません。LDLコレステロールが直接アテローム性動脈硬化症を起こす証拠なんてありません。仮説です。

LDLコレステロールが高いと死ぬとまで思わされていますが、もし死ぬとしたら死因は何でしょうか？生きているか死ぬかはその人にとって最重要でしょう。〇〇という死因では死にたくないけど、△△という死因なら死んでも良いという人はほとんどいないでしょう。現在、新型コロナウイルス感染で死にたくないと思っている人は、がんという死因であれば受け入れられるのでしょうか？新型コロナの初期の頃、感染が怖くてがんの検査に行かず、進行してしまって、結局命を縮めてしまった人もいるかもしれません。

LDLコレステロールが高いと心血管疾患のリスクが高くなると思わされていますが、がんとの関係はどうなっているでしょうか？

今回の研究では、大規模なスタチン治療のランダム化比較試験（RCT）の分析です。

19のスタチン治療群と14の対照群が含まれ、合計51,797人がスタチン群に割り当てられ、45,043 人がコントロール群に割り当てられ、平均4.4年にわたって追跡されました。（図は原文より）

上の図は横軸が平均のLDLコレステロール値で、縦軸ががんの発生率です。黒がスタチン群で、赤がコントロール群です。当然スタチン群の方がLDLコレステロール値が低くなっていますが、どちらもグループ内で比較すると、LDLコレステロール値が高いほどがんの発生率は低下しています。スタチン群のグラフはコントロール群のグラフを左にずらしたように見えます。つまり、LDLコレステロールがスタチンで低下してもがんの発生率が増加するというのではなく、その人のベースに持っているLDLコレステロール値ががんの発生率と関連しているようです。（ただし、本当にスタチンが関係ないのかはわかりません）

スタチンによってLDLコレステロールが100mg/dLになる人よりも140くらいの人の方ががんのリスクが半分くらい低いのです。同様に、コントロール群で見てみると、LDLコレステロールが200近い人は130程度の人よりも半分以上もがんのリスクが低くなるのです。

LDLコレステロール値10mg/dL減少するごとにがんリスクはおよそ20％上昇する計算になります。

糖質ががんのエサであり、糖質制限によりLDLコレステロール値が上昇する人が多いことを考えると、LDLコレステロール値が高いこととがんの発生率の低下は納得できるものがあります。

他にもLDLコレステロールが非常に低い場合、脳卒中の死亡リスクが大きく増加したり、全死亡率が増加すると言われています。（「LDLコレステロール値が非常に低いと死亡率が上がり、脳卒中の死亡リスクは4倍になる」「低LDLコレステロールはすべての原因による死亡率を増加させる」「LDLコレステロールが非常に低いと全原因死亡リスクが高い」など参照）

まずはLDLコレステロールを「悪玉」という表現をすることからやめないと、洗脳は解けません。患者にLDLコレステロールの話をすると、ほとんどの人は「悪玉コレステロールですね」と言います。私はそのたびにLDLそのものが悪玉ではないことを説明します。しかし、恐らく他の内科医に行けば、「悪玉」と説明されてしまうので、なかなか洗脳から解放されません。

製薬会社、医療業界は高血糖、インスリン抵抗性による有害性を様々な別の因子のせいにすることに大成功しました。その一つがLDLコレステロールです。

LDLコレステロールが正常範囲内、またはそれ以下の人でも多くの人が心血管疾患に苦しんでいるという事実は隠されて、とにかく脅してでもLDLコレステロールを下げさせるのが今の医療でしょう。

死因を選びたいわけではないのであれば、食事を改善するだけで、十分に様々な疾患のリスク低下するでしょう。逆に言えば、食事が間違っているから病気のリスクが上がるのです。

人類の初期設定では糖質過剰摂取に対応していません。あなたの体には糖質過剰摂取に対応した純正の特別なオプションが付けられていますか？

「Statins, Low-Density Lipoprotein Cholesterol, and Risk of Cancer」

「スタチン、低密度リポタンパク質コレステロール、およびがんのリスク」（原文はここ）