安静時心拍数はがん死亡率と関連する

あなたの安静時心拍数はどれくらいでしょうか?安静時の心拍数は健康、疾患の指標になります。当然、心拍数が高いと疾患のリスクが高くなります。

今回の研究は、安静時心拍数とガンの死亡率のメタアナリシスです。

22の研究がシステマティックレビュー(系統的レビュー)、12の研究がメタアナリシスに選択されました。(図は原文より)

上の図は男女別の安静時心拍数が60拍/分未満と60拍/分以上のカテゴリーを比較したがん死亡率です。男性では60拍/分未満と比較して60拍/分以上ではがん死亡リスクは1.41倍、女性では1.18倍でした。

上の図は安静時心拍数60未満、60~80、80超の比較です。がん死亡リスクは60未満と比較して、60~80で1.24倍、80超で1.66倍でした。また安静時心拍数10~12拍/分ごとの増加でがん死亡率は13%増加していました。

安静時心拍数の増加は交感神経の活性化の増加、炎症などが関係しています。当然、糖質過剰症候群により安静時心拍数は増加するでしょう。他には塩分制限やストレスでも交感神経は活性化します。

あなたの安静時心拍数は60を超えていますか?80を超えていませんか?あまりにも心拍数が高いなら、食事を見直すべきかもしれません。

 

「Resting Heart Rate as a Predictor of Cancer Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis」

「がん死亡率の予測因子としての安静時心拍数:系統的レビューとメタ分析」(原文はここ

4 thoughts on “安静時心拍数はがん死亡率と関連する

  1. 『BREATH: 呼吸の科学』(ジェームズ・ネスタ―, James Nestor)
    いわゆる「常識」を覆す、しかし説得力ある本です。
    活動時、二酸化炭素濃度を上げた方がパフォーマンスが上がる。その為に、呼吸数は少なく呼息を長くする必要があるとのこと。
    逆に(過呼吸的に)酸素が過剰になると致命的にもなりうるそうです。

    糖質制限や断食、塩分と血圧の関係など従来の「健康常識」を覆す説にも共通するように思いました。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      呼吸は大事だと思いますが、意識することが難しくもあります。
      いずれにしても定説や常識は一度疑ってみることも必要でしょう。

  2. 糖質制限前、心拍数が常時90以上、100を超える事もありましたが、糖質制限5年目の現在、75程度まで下がりました。糖質制限前はそれだけの心拍数を必要としていたという事で体に負担をかけていた事が分かります。
    余談ですが、私がSPO2を連続測定した経験上、マスクをしても血中酸素濃度が下がった事はないですが、それを補うように少しですが心拍数が上がります。ウォーキングなどの軽度の運動時でも顕著です。マスク推奨派はマスクで血中酸素濃度が下がる事はないと言いますが、それは心拍数の増加によって補われているという事を見落としています。または意図的に隠しているのでしょうか。マスクも少なからず体に負担をかけていると思われます。

    1. 西村 典彦さん、コメントありがとうございます。

      多くの医師が近視眼的です。専門性が非常に高まった医療の世界では、自分の分野にしか目がいかない人が多くなっているように感じます。
      同様に感染防止のためということでマスクでしょうけど、それをし続ける影響はまだわかっていません。
      感染の専門家は心拍数なんてことは考えてもいないでしょう。
      しかも、子供たちにもそれを強制しているので、体も心も、今後が本当に心配です。

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