いつの間にか塩も悪玉であるという考えが定着してしまっています。塩分が高血圧の原因であるかのような洗脳は大成功しています。しかしナトリウムは非常に重要なミネラルです。糖質過剰摂取の悪影響を塩のせいにされているだけだと思います。
今回の研究では40~94歳(平均年齢は65.1歳)の日本人男性1,014人を対象として、尿中のナトリウムを測定し、推定1日塩分摂取量を計算しました。そして、精神的な苦痛をK6という質問票で評価しました。K6は6つの項目が「過去 30 日の間にどれくらいの頻度で次のことがありましたか。」という質問になっており、全くない(0点)から、いつも(4点)までの5段階評価です。質問の項目は「神経過敏に感じましたか」「 絶望的だと感じましたか」「そわそわ、落ち着かなくかんじましたか」「気分が沈み込んで、何か起こっても気が晴れないように感じましたか」「何をするのも骨折りだと感じましたか」「自分は価値のない人間だと感じましたか」です。
カットオフポイントは、5 点以上が心理的ストレス反応相当、9点以上が気分・不安障害相当、13点以上が重症精神障害、という提案があったり、5 点未満が問題なし、5~10点未満が要観察、10点以上が要注意と書かれたものもあります。今回は5点以上を精神的な苦痛ありとしています。推定塩分摂取量により3つのグループに分けました。1日の推定塩分摂取量三分位数の中央値はそれぞれ、7.0、8.8、10.8 g/日でした。
その結果97人が精神的苦痛を抱えていると診断されました。
1日の推定塩分摂取量と精神的苦痛の間に有意な逆相関がありました。精神的苦痛の可能性は最も塩分の少ないグループと比較すると、最も塩分の多いグループで0.5と半分でした。推定 1 日塩分摂取量が2.0 g/日増加すると、精神的苦痛の可能性は0.74倍になり、減少しました。
別の研究で、イラン人の片頭痛の患者のナトリウムとうつ病の関係も、1日の尿中のナトリウム排泄量が多いグループは、最も少ないグループと比較してうつ病の可能性は0.52倍でした。(ここ参照)
塩分摂取量と精神的苦痛の間の逆相関の根底にあるメカニズムはわかりません。論文ではミネラルコルチコイド受容体との関連を考察していましたが、どうなんでしょうね?塩分制限ではレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系を介してアルドステロン分泌を刺激する可能性があるので、これが影響しているのかもしれません。
また、もしかしたら塩分摂取が少ないということは、間違った食事を健康食だと思い込んで摂取し、それが精神的な影響を与えている可能性もあります。例えば野菜がヘルシーであるとか信じて、肉をほとんど食べないなどの食事をしているのかもしれません。
どちらの研究も当然、糖質過剰摂取状態です。糖質制限をすれば、塩分制限も必要ありませんし、うつ病などのリスクも低下するでしょう。ただ、一時的には糖質依存から抜け出る期間はストレスが非常にかかる可能性はあります。それを乗り切れば脳もスッキリするはずです。
「Salt intake and mental distress among rural community-dwelling Japanese men」
「地方在住日本人男性の塩分摂取量と精神的苦痛」(原文はここ)
塩分、脂肪カットが健康食品の常識になってますね。
糖質OFFも認知されてきましたが、相対的糖質制限も多く、普通の食品と変わらない「ロカボ」も蔓延してます。
脂肪や塩分という必要な成分をカットしてまずいものを食べて、糖質に関しては認識が甘い状況。
まぁ、自分がしっかりすればそれで良いのですが。
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
ロカボは健康な人にはそれ位でいいかもしれませんが、
これを糖質制限食と混同されるのは、間違った認識になりかねませんね。
塩分摂取量と精神的苦痛は逆相関する。
大変興味深いです。うちの家族もこの可能性があると疑っています。
とにかく塩分が少ない味付けなのです。
しょうゆ、調味料などかけたら文句言うのでそんなに追加できないし。
この記事を家族に見せて、塩分摂取増の実験をしたいと思いました。
ありがとうございます。これからもいろいろな記事をよろしくおねがいします。
いくさん、コメントありがとうございます。
塩分控えめ=ヘルシーというウソを多くの人が信じ込まされていますからね。
余分な塩分はおしっこに出るので、体が勝手に調節してくれます。しかし足りないのは問題です。