非常に不可解なことに、ゾコーバという新型コロナウイルスの薬が緊急承認されました。厚労省腐ってます。なぜ、この時期に薬の緊急承認が必要なのでしょうか?普通の風邪に対する薬が緊急承認なんて。
このゾコーバ、オミクロン株の5つの症状(鼻水、喉の痛み、咳、発熱、倦怠感)に対し、改善期間が服用しない場合と比較して、8日間が7日程度に短縮できたという効果です。どの症状も緊急性がありません。そんな症状に対して緊急承認が必要ですか?必要なのは重症化や死亡を減らすことでしょう?そもそも今のコロナでは重症化しないし。
本当に不可解です。ゾコーバはこれまで「有効性を示すデータが不十分」として承認見送りだったでしょ?ゾコーバは治験における有効性の主要評価項目である12症状(倦怠感または疲労感、筋肉痛または体の痛み、頭痛、悪寒または発汗、熱っぽさまたは発熱、鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳、息切れ(呼吸困難)、吐き気、嘔吐、下痢)合計スコアで、プラセボと比較して有意差は無かったんです。(図はここより)
上の図のように、効果なしです。
そしてその後、日本感染症学会と日本化学療法学会は加藤勝信厚生労働大臣に提言を提出。塩野義製薬のゾコーバの緊急承認などを要請していたのです。(ここ参照)完全に利益相反でしょ?学会も腐ってる。
でも、今回5つの症状(鼻水、喉の痛み、咳、発熱、けん怠感)だけに絞って評価しています。何の意味があるの?なぜこの症状だけ?有意差が出るような症状だけピックアップしたか、データを操作しているだけでしょう。このような症状であれば、もちろん薬も必要ありませんが、飲むとしても市販薬で十分でしょう。(図は緊急承認の審査報告書より)
上の図は5症状が快復するまでの時間です。全体集団では、快復するまでの中央値がプラセボでは192.2時間(約8日)で、ゾコーバは375mg/125mgで販売されていますので、167.9時間(約7日)です。24.3時間の差です。p値=0.0407とギリギリです。ちょっと数値をいじくって有意差を無理やり付けたような感じですかね?グラフを見て、プラセボ(黒い線)とゾコーバ(青い線)に違いがあるように見えますか?
日本人部分集団では、プラセボで172.1時間、ゾコーバが165.8時間で、その差6.3時間!有意差なし!こりゃタミフルよりひどい薬ですね。しかも、この治験で、20%以上の人は20日間経っても症状が快復していません。ほんとに?症状なんて自己申告だから、確実な時間なんてわからないし、どうにでも操作できそうですよね。寝て起きたら症状が消えていたという場合、どの時点で症状が無くなったんでしょうか?1日に何回症状の評価をしているのでしょうか?よくわかりません。プラセボでもほとんど症状はベースラインから12~24時間後には軽度のスコアになっています。
いずれにしても、緊急承認は裏があるとしか思えません。一部の医師は喜んで使うんだろうな。この薬を積極的に使う医師は信用できませんね。お金かな?
清水先生、おはようございます。
ゾコーバは、こんなデータで承認、しかも緊急承認されたのですね。プラセボと何にも変わらない、有意差がある項目でも意味があるとは思えません。市販薬で十分と思いました。しかも学会が提言を提出したとは驚きです。
せめて安全性に問題がないことを祈るしかないです。
じょんさん、コメントありがとうございます。
まあ、これほどひどい薬は珍しいかもしれませんが、多くの薬は大してプラセボと違わないのに、
統計的な有意差があるからということで承認されています。
一度承認されれば、医師たちがどんどん処方してくれます。
はじめまして。
市中病院のしがない病理医ですが、こちらのブログで先生にいつも勉強させてもらっています。
とくに糖質制限をはじめ栄養学の記事は感心ひとしおです。
患者がいないので仕事に活かせないのが残念ですが、飲み屋の大将に教えてあげています。
ところで以前から変だった厚労省ですが、新型コロナ以降ますますアホさにターボがかかってきたように思います。
新型コロナは私の周辺では2年半前に収束しましたが、以後も行動制限だのワクチンだの吠え続ける専門家先生方のご高説は、理解し合える少数の臨床医とだけ隠れ酒でのネタとして楽しんでおります。
内容のないコメントですみません。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Caesiusさん、コメントありがとうございます。
厚労省の薬害はものすごい問題です。
他の力も働いているのでしょうね。
私はコロナについて理解し合えない臨床医がこれほどいるとは思っていませんでした。
日本の医学教育が良かったんですね。国にとって
少なくとも、国民の健康の為
だけを目的としての承認
ではなさそう。