糖尿病では腎機能が徐々に低下してくることが少なくありません。人工透析の原因の第1位は圧倒的に糖尿病性腎症で40%を超えます。
今回の研究では、メトホルミンを飲んでいる人で4種類の血糖降下薬の腎転帰を無作為化試験で比較しました。2型糖尿病歴は10年未満、HbA1cレベルが6.8%~8.5%、推定糸球体濾過率(eGFR)が60mL/分/1.73 m2以上で、メトホルミン治療を受けている成人5,047人の参加者が登録され、平均5.0年間追跡調査されました。スルホニル尿素、DPP4阻害剤、GLP1受容体作動薬、または基礎インスリンによる治療にランダムに割り当てられました。
eGFR勾配 (1年目から試験終了までのeGFRの変化) および複合腎疾患進行アウトカム (アルブミン尿、透析、移植、または腎疾患による死亡)を分析しました。(図は原文より)
メトホルミン+4種類の糖尿病薬を使用しても、上の図のAに示すようにeGFRは年々右肩下がりです。その割合は図のCに示すように1年でeGFRが2低下しています。Bに示すようにアルブミン尿は右肩上がりで増加します。Eに示すようにeGFRが60未満になってしまうのも右肩上がりです。スルホニル尿素、DPP4阻害剤、GLP1受容体作動薬、インスリンのどれも腎機能低下を防ぐことはできません。
腎臓病進行の複合転帰(アルブミン尿、透析、移植、腎臓病による死亡)は10.6~12.6%で認められました。
ベースラインで腎臓病になっていない人でも標準的な治療をしていると年々腎機能が低下することになります。もちろん腎保護作用があると考えられているSGLT2阻害剤は今回の研究開始時には承認されていなかったので使われていません。SGLT2阻害剤についてはいつか書きたいと思います。
いずれにしてもSGLT2阻害剤以外で、どんな糖尿病の薬を使用しても腎機能は低下してしまう可能性があるのです。標準的な糖尿病の治療では糖質過剰摂取を続けたまま、つまり根本的な原因を取り除かないまま薬だけが投与されます。食事の変更はカロリー制限ですから、糖質過剰摂取です。
糖尿病は糖質過剰症候群です。では糖質制限では糖尿病の腎機能はどうなるでしょうか?それは次回以降で。
「Comparative Effects of Glucose-Lowering Medications on Kidney Outcomes in Type 2 Diabetes: The GRADE Randomized Clinical Trial」
「2 型糖尿病における腎臓の転帰に対する血糖降下薬の効果の比較: GRADEランダム化臨床試験」(原文はここ)
未経験の為実際はどういう感じなの不明ですが、
人工透析で週に3回3時間も拘束されたくはない、ことが運動・栄養などの生活習慣継続の
最大のモチベーションになっています。
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
全てが透析になるわけではありませんが、それ以外にも多くの不都合なことが次々に起きてくる可能性があります。
医療は進歩したのに、どうして様々な疾患、症状で悩む人がどんどん増えているのか、自分でしっかりと考える必要があるでしょう。
小さな不都合は本当にたくさんあります。ほとんどは年をとったから仕方がないと思っているような病気とまでは言えないようなものです。
糖質制限後に改善したものを挙げると
・年と共に汗臭くなったのがサラサラになった。
・免疫力アップで水虫が自然治癒した。
・持久力が20歳程度若返った。
・慢性的な疲労感がなくなった。
・記憶力、判断力が戻った。
・体重が20台の頃に戻った。
・偏頭痛がなくなった。
等々、あげればキリがないですが、ほとんどは年のせいだと思い込んで諦めていたものばかりです。
特に病気ではなくても人間はもっと健康なのが本来の姿なんだと気づきました。もう元の食事に戻りたいなどとは絶対に思えません。この感覚はきっと糖質制限を実践した人にしか理解できないでしょう。
西村典彦さん、コメントありがとうございます。
年齢のせいにしていることが本当に多くありますね。
医師も加齢によるものだから仕方がない、と説明することも多いでしょう。
老化は起こるのは仕方がないですが、そのスピードは食事によって変化すると思います。
糖質制限を始めると、それまで糖質で老化が加速していいたものが、本来の人間の老化スピードに戻るために、
もしかしたら20歳くらい若返るのかもしれませんね。
私も30代よりも今の方が元気です。