紅麴とロスバスタチンと腎機能障害(2024.03.31訂正)

小林製薬のサプリによる腎機能障害について、先日青カビ由来「プベルル酸」を検出したことが報道されました。(ここ参照)

ただ、検出しただけで、これが腎機能障害を起こしたかどうかは全くわかりません。

紅麹には元々、天然のモナコリンKという成分が含まれています。これはコレステロールを低下させるスタチンのロバスタチン(商品名クレストール)と同じものです。今回の小林製薬のサプリの腎機能障害の原因ははっきりしませんが、同じスタチン系の名前の似ているロスバスタチンは腎機能障害が起きる可能性がいくつも指摘されています。

症例報告で、63歳男性が冠動脈疾患でステント留置を受け、その後、アトルバスタチン20mgの代わりにロスバスタチン40mgの投与を開始しました。​(ここ参照)その後進行性の対称性筋力低下に気づき、疲労、脱力感、吐き気の悪化、尿量の減少を認め、かかりつけの病院を受診し、そこで高カリウム血症を伴う血清クレアチニン6.4の急性腎障害が判明しました。ロスバスタチンは中止され、8サイクルの血液透析を受け、その後、筋力低下がいくらか改善され退院しました。ロスバスタチン誘発性横紋筋融解症が改善するまでに約4か月かかりました。

別の症例報告を見てみましょう。(ここ参照)83歳の男性が、左内頚動脈の血管形成術の3週間後に急速に悪化した腎機能のために入院しました。クレアチニンは2.0mg/dl から5.4mg/dlに増加。彼は処方されたロスバスタチン20mg/日で治療を受けていました。ロスバスタチンを中止し、腎臓生検を実施しました。その結果、急性尿細管間質性腎炎と診断されました。治療により8週間後に腎機能値はベースラインに戻りました。

また、別の症例報告を見てみましょう。(ここ参照)慢性腎臓病(ステージ3a)の背景を持つ76歳の男性。3週間前から太ももとふくらはぎの進行性の筋肉痛、下肢の筋力低下、歩行困難を訴えました。虚血性心疾患で4年前に血管バイパス術を受け、心臓専門医からロスバスタチン1日あたり40mgの投与を開始され、過去4年間同じ用量を服用していましたが、症状の発症 1 週間前にブランドを変更しました。入院時腎機能は悪化、無尿状態でした。急性腎障害を伴うスタチン関連の横紋筋融解症が疑われ、ロスバスタチンの投与を中止し、筋力は徐々に向上しました。10週間の血液透析を必要としました。

このようにロスバスタチンによる急性腎障害の報告はいくつもあります。

では、次に紅麴サプリメントの腎機能障害の症例報告を見てみましょう。(ここ参照)76 歳の男性が、進行性の手足の脱力、筋肉痛、および急性腎障害を患いました。彼は抗前立腺がん薬アビラテロンを14か月間服用しており、症状発現の3か月前に紅麹サプリメントを追加していました。

この紅麹サプリメントである RYR/高麗人参/イチョウ葉カプセルには有効成分100gあたりモナコリンK(ロバスタチン)2000mgが含まています。そのサプリを1日あたり1.2 g摂取し始めました。したがって、ロバスタチンを1日当たり24mg摂取していることになる計算です。入院後、アビラテロンとサプリメントは中止され、透析などの治療により回復しました。

小林製薬のサプリ1日量に含まれているロバスタチンの量はわかりません。恐らくこの症例報告ほどではないと推測します。もしも、同程度入っていたら、スタチンが今回の犯人かもしれませんね。

アメリカのFDAによる承認当時、ロスバスタチンの使用による血尿とタンパク尿の報告があったのですが、この腎毒性は重要視されていません。

電子医療記録データを使用して、2011年から2019年までにロスバスタチンとアトルバスタチンの新規ユーザー152,101人および795,799人を分析した研究を見てみましょう。中央値3.1年の追跡調査で、患者の2.9%に血尿、患者の1.0%にタンパク尿を確認しました。分析の結果、アトルバスタチンと比較して、ロスバスタチンは血尿のリスクが 8% 高く、タンパク尿のリスクが 17% 高く、透析や移植などの代替療法を必要とする腎不全を発症するリスクが 15% 高いことが示されました。(図は原文より)

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上の図は左から血尿、タンパク尿、尿路感染症です。横軸はロスバスタチンの用量です。用量が多いほど、血尿とタンパク尿のリスクが高くなりました。また、進行した腎臓病患者のうち、44%はFDAが腎機能の低い人に推奨する用量よりも高用量のロスバスタチンを処方されていました。

だからといって、アメリカ人よりも小さな日本人が低用量で腎機能障害が起きないとは言えません。ちなみに日本ではロスバスタチンの開始量は1日2.5mgで最大20mgです。

いずれにしても、このサプリでコレステロールがちゃんと低下していたとしたら、十分な量のスタチンが含まれていたと考えられます。コレステロールが下がるほどの量が入っていれば、その分何らかの副作用が起きる量であるとも言えます。

最近になって腎機能障害が急激に増加した背景で、やはり新型コロナワクチンの影響を無視するわけには行きません。厚労省の人口動態統計より、腎不全死亡数のデータを見てみましょう。

上の図は2015年から2023年10月までの各月の腎不全死亡数です。2021年ころからそれまでの年よりもグラフが乖離しているように見えませんか?そうです、2021年は新型コロナワクチン開始年です。

上の図は各年の腎不全死亡数の合計です。(2023年は10月までしか公表されていないので、11月と12月は少なくとも前年は下回らないとの予測のもと、前年値を代入しています。)そうすると、右肩上がりですが、もちろん、高齢化の影響もあると思われます。しかし、なんとなく2021年から急に増加しているように見えます。

増加率は前年比で2016年0.2%、2017年2.3%、2018年3.8%、2019年2.2%、2020年1.1%。しかし2021年6.5%、2022年7.2%と急激な増加率です。高齢化では説明できませんね。

私が数えただけで予防接種健康被害救済制度で認定された死亡者で腎疾患の病名が付いているもので23件、被害認定全体では88件です。(数え間違っていたらごめんなさい)

そして、もとをたどれば、こんなサプリを摂取するのも、何人も死亡する未曽有の薬害である新型コロナワクチンを接種するのも、国や専門家やマスコミが無用な不安や恐怖心を植え付けているからです。コレステロールを下げることは必要ありません。もちろんコロナワクチンも必要ありません。よく自分で考えて判断しましょう。

「Association of Rosuvastatin Use with Risk of Hematuria and Proteinuria」

「ロスバスタチン使用と血尿およびタンパク尿のリスクとの関連性」(原文はここ

2 thoughts on “紅麴とロスバスタチンと腎機能障害(2024.03.31訂正)

  1. 清水先生 いつもありがとうございます

    コレストロールと腎臓の2択で、日本人はコレストロールを取ってしまうんですね、不思議です。

    私はスーパー糖質制限なので、LDLコレストロールは毎回200を軽く超えますが、もちろん気にしてません。中性脂肪は40台でHDLコレストロールも100前後ですから

    1. いのっちさん、コメントありがとうございます。

      多くの人は2択だと思っていませんし、ただ単にコレステロールは悪いものだと洗脳されているに過ぎないと思います。
      体にとって悪いものと思い込んでいるコレステロールを下げるものあれば、その成分が何かなんて考えません。
      スタチンも同様で、スタチンが人間にとって重要な代謝を変えてしまうことなど全く考えていません。

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