一部の専門家たちは、肉の摂取量が多いと、飽和脂肪の摂取量が増加し、食物繊維の摂取量が減少するという難癖を付けてきます。その結果、肉の摂取は肥満、心臓病、メタボリックシンドローム、がんと関連しているとも主張します。さらに、動物の肉を食べることを環境問題とも結びつけて、何とか肉を食べないように仕向けてきます。
我々人間は動物で、雑食、肉食です。動物性タンパク質を食べることは非常に重要です。
例え、植物性のタンパク質に色々と手を加えて、栄養素を肉のように合わせたところで、以前の記事「赤肉と植物由来の代替肉とでは食べたときのアミノ酸の吸収は全く異なる」で書いたように、吸収は全く異なり、植物性のタンパク質は吸収が悪くなります。
今回の研究では、筋トレ中にホエイプロテインまたは大豆プロテイン、プロテインを含まない炭水化物をそれぞれ摂取して、筋肉量がどれほど違うか比較しています。レジスタンストレーニングを受けていない18~35歳の男女を、炭水化物群 、ホエイプロテイン群、大豆プロテイン群に分け、9か月筋トレをしました。それぞれのドリンクはトレーニングをしない日は朝食時、トレーニングをする日はトレーニング直後に摂取します。
サプリドリンクを合わせると、タンパク質は炭水化物群で約1.1g/kg体重、ホエイおよび大豆プロテイン群では1.4g/kg体重摂っている計算になります。
サプリドリンクの栄養成分は次の図のようです。(図は原文より)
ホエイも大豆もタンパク質量はほとんど一緒です。しかし、アミノ酸の量が違います。筋肉増加に大きな影響のあるロイシンは大豆プロテインの方がかなり少ないです。
上の図は9か月の筋トレによる除脂肪量、つまり筋肉の変化量です。左から炭水化物、ホエイ、大豆です。ホエイプロテインが最も筋肉量が増加しています。炭水化物と大豆プロテインでは違いがありません。むしろ大豆の方が増加量が少ないくらいです。大豆にはタンパク質が含まれているにもかかわらず、炭水化物と違いがないのです。
上の図は9カ月のトレーニング前後の運動後の血中のロイシン、BCAA(分岐鎖アミノ酸)、EAA(必須アミノ酸)の推移です。どれもホエイプロテインが最も血中濃度が増加し、次に大豆プロテインです。炭水化物は横ばいまたは減少しています。
上の図は縦軸が筋肉量の変化と横軸が血中のロイシン濃度です。ロイシンが多いほど筋肉量増加が大きいですね。しかし、かなりのバラツキがあるのも事実です。ロイシンは関係がありそうですが、ロイシンだけでは筋肉の増加は予測できないように思えます。炭水化物よりも大豆の方がロイシンが多いにもかかわらず、筋肉量の変化の違いがないのですから。
また同様に、タンパク質摂取量の増加でも、筋肉量の増加は予測できません。炭水化物群よりも大豆群でタンパク質が多いのですから。
やはり、動物性タンパク質が重要なのでしょう。
高齢者は特にタンパク質摂取量が非常に少なく、運動もそれほどしない人が多いでしょう。そうすると、どんどん筋肉は減少します。野菜がヘルシーと洗脳され、白米などの糖質は毎食きっちり食べるように推奨され続け、それでお腹がいっぱいになり、肉の入るスペースがありません。
動物性の食事はタンパク質だけにとどまりません。動物性脂肪も非常に重要です。それについては次回以降で。
「Whey Protein Supplementation During Resistance Training Augments Lean Body Mass」
「レジスタンストレーニング中のホエイプロテインの補給により除脂肪体重が増加」(原文はここ)
周囲で、昼御飯を
カップラーメンや、
コンビニお握り、パンなど
のエンプティカロリー食品で
済ませる人がとても多い印象。
それに比べたら、
食べないほうが寧ろ身体に
良さそうです。
お金もかからないし
(もしかしたら未来の医療費も)。
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
カップラーメンを最後に食べたのはいつだろうか?
ジャンキーで食べたくなる気持ちはわかりますが、
食事として、栄養として食べているのであれば理解できませんね。
清水先生、いつもありがとうございます。
ラットでの実験なので人間に直ぐに当てはまらないと思いますが、植物性油脂ばかりたべさせたら殆ど全ての植物性油脂で早死してしまい、動物性油脂では普通に寿命まで生きたとの研究もあるようですね。
私は毎日ナッツ(アーモンド、くるみ、カシューナッツ)を100グラム食べますがナッツの油脂も危険なのか不安です。
出来るだけ酸化しないようチャックは締めて早く食べ切るようにしてますが。