マウスウォッシュは止めよう その2 糖尿病

以前の記事「マウスウォッシュは止めよう その1 高血圧」では、マウスウォッシュと高血圧の関連について書きました。今回は糖尿病との関連です。

今回の研究では、ベースラインでは糖尿病ではない40~65歳の肥満/過体重の人945人が対象です。平均追跡期間は2.96年です。(図は原文より)

上の図はマウスウォッシュ頻度です。左のベースラインでは、6%が1日2回よりも多くマウスウォッシュを使用し、16%が1日2回、21%が1日1回、10%がそれより少ない頻度で使用し、47%がマウスウォッシュを使用しませんでした。フォローアップでは、マウスウォッシュの使用がより多くなりました。

下の表はベースラインの状態です。

正常血糖値 糖尿病前症 1日2回未満のマウスウォッシュ 1日2回以上のマウスウォッシュ
年齢(歳) 49.2 ± 6.6 51.6 ± 6.8 50.6 ± 6.9 50.5±6.6
女性 74.6 73.9 73.3 77.3
現在喫煙者 22.0 15.5 18.2 18.8
身体活動: MET 22.4±36.8 21.8±42.5 22.2±41.1 21.4 ± 36.3
肥満 58.7 67.5 63.1 65.7
ウエスト周囲(cm) 103.9±13.6 107.6±14.4 106.1 ± 14.5 105.8±13.3
アルコール摂取量(g/日) 2.3 ± 6.3 2.1±5.1 2.4±6.0 1.7±4.3
睡眠呼吸障害 16.3 17.5 15.6 21.8
高血圧の状態
 高血圧前症 30.3 31.0 31.3 28.5
 高血圧 40.6 52.2 47.8 44.9
糖尿病前症 57.9 52.7
1日2回以上のマウスウォッシュ 24.0 20.3
CRP(mmol/L) 5.0±5.5 6.3 ± 6.6 5.8±6.3 5.5±5.9
HOMA-IR 1.9±1.2 2.9±1.9 2.4±1.7 2.4±1.6
糖尿病前症/糖尿病への進行 36.9 11.4 20.2 30.4
プラークスコア 0.81 ± 0.59 0.80±0.60 0.79±0.58 0.85±0.64
プロービング時に出血した部位の数 11.8±11.7 12.8±12.4 12.6±12.1 11.7±12.2
歯周病(中等度/重度) 58.8 67.4 63.5 64.6
活動性齲蝕 1.3±5.2 1.1 ±3.3 1.3 ± 4.7 0.85±1.6

歯周病はマウスウォッシュ群間で差はありませんでした。もちろん糖尿病前症ではHOMA-IRが高くなっていましたが、マウスウォッシュ群間では違いがありません。追跡期間中に212人の参加者が前糖尿病/糖尿病を発症しました。ベースラインで正常血糖だった人のうち、37%が前糖尿病/糖尿病に進行し、ベースラインで前糖尿病だった人のうち11.4%が糖尿病を発症しました。1日2回以上マウスウォッシュを使用した人のうち、30%が前糖尿病/糖尿病に進行し、マウスウォッシュの使用頻度が低い人のうち、20%が進行しました。

1日2回以上のマウスウォッシュ使用は、使用頻度の低い人と比較して、糖尿病前症/糖尿病進行のリスクが有意に上昇し1.55倍でした。1日2回以上マウスウォッシュを使用した人は、マウスウォッシュを使用しない人と比較して、1.49倍リスクが有意に上昇しました。

歯周病菌や虫歯菌のために抗菌成分の入ったマウスウォッシュの使用は一見良いように見えなくもないですが、同時に我々の体に有益な効果をもたらしてくれる細菌まで殺してしまう可能性が高くなります。マウスウォッシュを無差別に日常的に使用すると、良いことよりも害の方が大きい可能性があります。

口腔内の細菌叢の崩壊は様々な問題を起こす可能性があるでしょう。

さらに、口腔の粘膜は非常に吸収が良いです。薬も舌下投与があるくらいですから。

以前の記事「糖質の口腔内吸収」でも書いたように、ブドウ糖が舌下投与されると、5分後には血糖値が上昇します。

同様に、マウスウォッシュの様々な成分は口腔から体の中に吸収されます。毎日、毎回、それらの成分が吸収される影響は無視できないでしょう。

「Over-the-counter mouthwash use and risk of pre-diabetes/diabetes」

「市販のマウスウォッシュの使用と糖尿病前症/糖尿病のリスク」(原文はここ

5 thoughts on “マウスウォッシュは止めよう その2 糖尿病

  1. 最近、歯周病と糖尿病は密接な関連があると言われてます。
    歯周病と糖尿病を防ぐためにマウスウォッシュを勧める記事をよくネットで見かけますが、逆に糖尿病を進めてしまうんですね。

    しかし、進化の過程で人類は歯磨きなどしていなかったはずなのに農耕が始まるまでは虫歯も歯周病も殆ど無かったことを考えると、やはり糖質制限こそが虫歯予防、歯周病予防の一番ですね。

    職場でも、歯の状態が悪い人が多いのに、みんな共用机のチョコレートやお菓子をポリポリ食べてはって、歯をもっと大切にしたらと思ってしまいます。

  2. 歯周病も糖尿病も高血圧も(その他老化といわれる疾患すべて)微小血管循環障害の結果ですね。

    1. ナカイチさん、コメントありがとうございます。

      微小血管循環障害は結果です。微小血管循環障害の原因があります。

  3. 返信ありがとうございます。原因→結果ですから、微小血管循環障害=歯周病、糖尿病、高血圧(その他ガンも含めて老化といわれる疾患すべて)となりますね。原因は先生が薬剤を主に取り上げていただいて、いつも参考にさせていただいてます。私個人はそれ以外の対策としては水浴びをしてます。冬でも風呂に入るときは必ず一分間入る前後に行います。現在61ですがやり始めたら血圧が5下がって110台/70台になりました。イチバンの抹消である表皮を刺激することによって改善出来ると思ってます。

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