あんなに騒いでいたインフルエンザですが、早くもピークアウトしたようですね。受験のシーズンがやってきて、マスコミはインフルエンザなどの感染予防に、マスクを強く推奨しています。マスコミに顔を出す医師も同様にマスクを推奨しています。
新型コロナウイルスの流行をうけて、すっかり多くの人がマスク着用に慣れてしまいました。もともと日本人はマスク好きなので、いつまでたってもマスクを外せない人も多いでしょう。
でも、マスクが感染予防に有効であるのであれば、マスク着用も良いのですが、根拠もなく推奨している医師やマスコミには怒りさえ覚えます。最新のエビデンスは次のようになっています。
泣く医師も黙るコクラン(?…もちろん今はコクランも怪しいですが…)は、様々な介入の効果を分析しています。まずは、医療用/外科用マスクとマスクなしの比較です。
ウイルス性呼吸器疾患の拡散を防ぐための医療用/外科用マスクとマスクなしを比較した12件の試験を分析しました。2件は医療従事者を対象とした試験、10 件は地域社会を対象とした試験です。マスクを着用しない場合と比較して、地域社会でマスクを着用すると、インフルエンザ様疾患(ILI)/新型コロナ様疾患になるリスクは0.95倍と有効ではないという結果です。またマスクを着用しない場合と比較して、地域社会でマスクを着用すると、検査で確認されたインフルエンザ/新型コロナ感染のリスクは1.01倍で、これまた有効性なしの結果です。
次に最も感染予防効果があると思われているN95マスクと医療用/外科用マスクの比較です。
N95マスクと医療用/外科用マスクを比較した試験は医療現場で4件、家庭環境で1件でした。医療用/外科用マスクと比較したN95マスクの臨床的に呼吸器感染になるリスクは0.70倍でしたが、有意差なしです。エビデンスの確実性も非常に低いとなっていますし。医療用/外科用マスクと比較したN95マスクは、インフルエンザ様疾患(ILI)に対する効果も0.82倍で有意差なし。N95マスクの使用は、医療用/外科用マスクと比較して、検査で確認されたインフルエンザ感染のリスクが1.10倍で効果なし。医療従事者のみを対象としても、全体的な結果に違いはありませんでした。
ついでに、手洗いのエビデンスも、19件の試験で、対照群(介入なし)を比較すると、手指衛生群では急性呼吸器感染症の患者数が相対的に14%減少しました。絶対数では1000人あたり、380件が327件、53件減少するだけです。しかし、インフルエンザ様疾患(ILI)は0.94倍、検査で確認されたインフルエンザは0.91倍とリスクが有意には低下しませんでした。つまり、効果がないか、効果があったとしてもわずかです。
いずれにしてもエビデンスの最高峰(?)のコクランがこのようにマスクに効果がないと言っています。マスクを推奨する、効果があるという専門家はこれ以上の、これを覆すエビデンスを示すべきでしょう。
他も研究のチェリーピッキングもしてみましょう。
まずは、新型コロナの子供に対するマスクの効果の研究です。(ここ参照)22件の研究を分析しました。新型コロナの感染または伝播を減らすためのマスク着用の利点を評価する小児のランダム化比較試験はありませんでした。問題のある研究を除いた16件の観察研究では、マスク着用と感染または伝播との関連は認められませんでした。つまり、子ども自身や周囲の人を守るためにマスクを着用させることが有益であるという証拠は見つかりませんでした。マスク着用の害には、発話、言語、感情の発達への影響、運動や学習活動の時間と強度の低下につながる身体的不快感などがあり、長期的には有害な影響がある可能性があると思います。子どもと関わる大人は、子どもにマスクを着用させることの明確な利点がないことや潜在的な害について教育を受ける必要があります。マスク着用を推奨することを裏付ける科学的証拠はありません。
また、日本の病院でインフルエンザ流行期に、全職員や面会者にマスク着用の病院規定の有無によってアウトブレイク発生が起きたかどうかを調べたものがあります。(ここ参照、図はここより)2017年なのでまだ新型コロナの前の時代です。
2017年なのでまだ新型コロナの前の時代です。規定のない病院では、面会者がマスクを着けていなくても、何も言われなかった時代です。医療従事者もマスク着用率は低かったでしょう。上の図のように、マスク着用の規定があった病院では約80%、規定のない病院では70%とアウトブレイク発生に違いはありません。
上の図のように、最近のように病院の規定で全職員・面会者・外来者全員にマスク着用をしていた病院でのアウトブレイク発生は21/23=91%であり、規定のない病院のアウトブレイク発生の14/20=70%を上回っています。つまり、病院でのマスク着用の義務化なんて意味がないのです。
もう一つの研究は、有害性を示しています。(ここ参照)マスクと新型コロナ感染リスクの関連性を調べました。マスクの使用は、追跡調査終了時のアンケートに対する参回答に基づいています。マスクの着用率は「常に/ほぼ常に(少なくとも75%の時間)」、「頻繁に(50~75%の時間)/時々(25~50%の時間)」、「ほとんどない(最大25%の時間)/まったくない」に分けました。(図はこの論文より)
上の図の上から「ほとんどない/まったくない」群、「頻繁に/時々」群、「常に/ほぼ常に」群です。「ほとんどない/まったくない」群と比較すると、マスクを「頻繁に/時々」している人で、新型コロナの発生率は1.33倍、マスクを「常に/ほぼ常に」している人では1.40倍でした。つまり、マスクをしている頻度、時間が長いほど新型コロナの発生リスクが高くなっていたのです。
もう一つ、マスクで新型コロナ関連死が増加するという研究を見てみましょう。(ここ参照)アメリカのカンザス州のデータを使用しました。カンザス州ではマスク着用義務のある郡の方が義務のない郡よりも致死率が有意に高く、新型コロナ関連の死亡者のリスクは1.85倍になりました。マスク着用義務グループと非マスクグループで感染しなかった人の数を調整した後でも、リスクは1.52倍と有意に高いままでした。カンザス州の超過死亡率を分析することにより、この影響の95%以上が新型コロナウイルスのみに起因すると判断しました。
なぜ、マスクをつけると新型コロナの発生率、死亡率が高くなってしまったのでしょう。その理由として考えられるのは「The Foegen effect(フォーゲン効果)」として有名な仮説ですね。
飛沫となって体内に入ったウイルス粒子や咳で吐き出されたウイルス粒子がマスク着用によって、マスクそのものに保持され、飛沫が急速に蒸発した後、超凝縮した飛沫または純粋なウイルス粒子が息を吸ったときに非常に短い距離から再吸入されてしまいます。そのウイルス粒子はサイズが小さいために、呼吸器のより深いところまで広がります。呼吸器から除去されるべきウイルス粒子がマスクに付着して、息を吸ったときに戻ってくるため、全体的なウイルス量が増加する可能性があります。息をはいたり咳で吐き出されたウイルス粒子がマスクを通過する数は、マスクなしで排出されるウイルス粒子の数を超える可能性もあります。マスク内の超凝縮した飛沫と純粋なウイルス粒子は、外側に吹き飛ばされ、飛沫感染ではなくエアロゾル感染を引き起こす可能性があるのです。
もちろん、これは仮説ですが、十分に起こり得るものでしょう。そして、これはインフルエンザの流行期でも起きていると思います。日本人がマスクを付ければ付けるほど、感染は拡大してしまうのかもしれません。
あっ!そうか。マスクを推奨する専門家は当然フォーゲン効果というものは知っているので、マスクを推奨して患者をもっと増やそうとしているのでは…?そうだとしたら闇は深いですね。ワクチン、マスク、抗インフルエンザ薬で患者がどんどん増える仕組みが出来上がっています。
マスクが有効ではない、そして多少感染が広まりやすい程度であれば、人によってはもしかしたらそこまで気にしないかもしれません。マスクをしたい人はすれば良い、というレベルでしょう。
しかし、マスクにはもっと危険な有害性が隠されています。それを知ったら、ほとんど人はマスクの着用禁止、販売禁止を求めるかもしれません。我々は知らないうちに酷い攻撃を受けていたのです。マスクにはさらに深い闇があります。
マスクは今すぐ止めましょう。その有害性については次回に。
「Physical interventions to interrupt or reduce the spread of respiratory viruses」
「呼吸器系ウイルスの拡散を断ち切る、あるいは減少させるための物理的介入」(原文はここ)