定期的に大腸内視鏡検査を受けている人もいるでしょう。でも、いつまで受ければいいのでしょうか?
今回の研究では、75歳未満で大腸内視鏡検査を受けた91,952人(最終大腸内視鏡検査時の年齢中央値71歳、男性98%)を対象としています。そのうち、腺腫が認められたのは25,538人(27.8%)、腺腫が認められなかったのは66,414人(72.2%)でした。(図は原文より)
上の図は、⼤腸がんの累積発⽣率、⼤腸がんによる死亡、および全原因死亡率を⽰しています。黄色が以前に腺腫があった人、黒い線が腺腫がなかった人です。10年間の追跡調査では、大腸がんの累積発生率は、腺腫のある群で1.1%、腺腫のない群で0.7%でした。確かに腺腫のある群の方が大腸がんが多いですが、その差はたった0.4%です。
大腸がんによる死亡の累積発生率は、腺腫のある群では0.5%であったのに対し、腺腫のない群では0.4%でした。たった0.1%の差です。誤差範囲ですね。
さて、問題は全原因死亡率です。全く差がありません。しかも、縦軸を見ると全く違うのがわかります。
上の図でもわかるように、大腸がん以外の原因による死亡の累積発生率は、10年間で46.9%から48.4%の範囲なのです。大腸がんの発生率、死亡率をはるかに上回っているのです。
つまり腺腫があろうがなかろうが、75歳以上の高齢者は、大腸がんで死亡するより他の原因で死亡する方がものすごく多いのです。10年間の追跡期間における大腸がん以外の死の累積発生率は、フレイル(虚弱)のない群で34.2%、重度フレイル群で82.0%であり、いずれも大腸がんの発生率を大きく上回っています。
高齢者は、他の健康上の懸念事項を優先した方が良く、定期的な大腸内視鏡検査の優先順位はかなり低いでしょう。
早期発見、早期治療の名のもとに、高齢者にも積極的に大腸内視鏡を勧める医師は、ビジネス優先なのかもしれません。
大腸がんは糖質過剰症候群です。まずは糖質制限をしましょう。
「Colorectal Cancer and Mortality Risk Among Older Adults With vs Without Adenoma on Prior Colonoscopy」
「過去の大腸内視鏡検査で腺腫が認められた高齢者と認められなかった高齢者における大腸がんおよび死亡リスク」(原文はここ)

