マラソンのペース配分で男性は女性の2倍後半の「壁にぶつかる」

フルマラソンで「30キロの壁」「「35キロの壁」とよく言われますが、基本的には「脳の罠」だと思っています。しかし、もちろん、ペース配分の方が重要なのでしょう。そして、この「壁にぶつかる」のは男性の方が多いのだそうです。わかる気がします。

今回の研究では、ベルリンマラソン(1999~2025年)の完走者873,334人を分析しました。サンプルの75.5%が男性で、女性は24.5%。「壁にぶつかる」は、20%以上の減速と定義しました。競技レベル(フィニッシュタイム < 3:00 時間)、上級レベル(3:00~3:30 時間)、中級レベル(3:30~4:00 時間)、レクリエーションレベル(4:00~4:30 時間)、カジュアルレベル(> 4:30 時間)に分けています。

男性ランナーの平均ネット完走時間は 4:02:22だったのに対し、女性ランナーの平均時間は 4:28:36 でした。男性の完走時間の中央値は 3:57:46 で、女性の完走時間の中央値は 4:26:02 でした。(図は原文より)

上の図は、男性(灰色)と女性(赤)のランナーのペース低下率を示しています。多くの人がポジティブスプリット(前半の方が後半よりも速く走る)ですね。そして、女性の分布のピークは男性のピークに対して左にシフトしており、女性は平均してイーブンスプリットに近い戦略を維持していることを示しています。男性の分布は明らかに広く、右側の裾野がより顕著であり、より密集した女性集団と比較して、極端な減速の相対頻度が高いことを示しています。

上の図は後半にペースが20%以上低下する「壁にぶつかる」の発生率です。男性は17.63%、女性は9.66%で、女性と比較して男性が「壁にぶつかる」可能性は2倍です。

上の図は、パフォーマンスレベル(フィニッシュタイム)別の平均減速率です。全てのレベルで男性の方の減速率が高く、女性と比較して、男性が「壁にぶつかる」のは、競技レベルで6.06倍、上級レベルで5.69倍、中級レベルで5.37倍、レクリエーションレベルで4.36倍、カジュアルレベルで2.36倍でした。

 

上の図は、年ごとの男性と女性の「壁にぶつかる」発生率です。その年によって気温や気象状況が違いますが、どの年も男性が「壁にぶつかる」率は高いようです。30%を超える年もありますね。

私もイーブンペースでゴールしたいと毎回思っています。でもね、どうしても最初突っ込んでしまいます。そして、思っているよりもペースが速くても、悲しいかな、根拠もなく「このまま今日は行けるんではないか」と思ってしまいます。ペースを落とそう落とそうと思うんですが、行ける行けるとも思ってしまうんですね。そして、そのつけは後半に来ます。

男性は生理学的には女性よりも速いものの、意思決定においては男性は「リスクを取る行動」や「過信」の傾向が強い可能性があります。それが持続不可能なことが多い攻撃的な初期の速いペースになってしまうのでしょう。対照的に、女性ランナーは自己ペース配分能力が高いのでしょうね。

ウルトラマラソンでも、最初に女性ランナーを抜いて走っていても、最終的には抜かれ返すことも多いです。本当に淡々とペースを刻む能力は女性の方が高いと思います。

ただ、以前よりもイーブンペースに近いレースを行うことができるようになりました。それは、心拍数を見ながら走るようになってからです。体調や気候の違いで、ペースは違います。それを心拍数で見て走ると、補正ができ、その日の自分のペースを掴みやすくなります。

いずれにしても、次回のレースではさらにペースに気をつけて、後半失速しないようなレース運びをしたいと思います。

「Sex differences in marathon pacing: analysis of 873,000 Berlin marathon runners reveals men are twice as likely to “hit the wall”」

「マラソンのペース配分における性差:ベルリンマラソン参加者87万3000人の分析から、男性は女性の2倍の確率で「壁にぶつかる」ことが判明」(原文はここ

One thought on “マラソンのペース配分で男性は女性の2倍後半の「壁にぶつかる」

  1. ランニング中ゴール近くなると、
    ペースは自然と上がりますが、
    コントロールが難しい「無意識」の
    影響かと思ってます。

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