マラソン時の脱水を考えるときに、よく発汗量=走る前の体重ー走った後の体重
と言われていますが、本当なんでしょうか?
先日、室内のランニングマシンで15km、1時間30分で走りました。
体重の減少量は丁度1kgでした。その間に500mlの水を飲んでいるので、合わせると
単純に計算するため汗を1g=1mlとして、発汗量は1500mlということになります。
しかし、服とタオルを計測すると300g増加でした。つまり汗を300g吸収していました。
床にポタポタ落ちた汗はそれほど多くはなく、腕や顔や首の汗は極力タオルで拭いていました。
そうすると、発汗量が1500ml、服とタオルに吸収された汗を300mlと考えると、1200mlは蒸発したことになります。
室内の無風の状態で、1時間30分で本当にそんなに多く蒸発するもんでしょうか?
何でこんなことを考えるかというと、マラソンのときの脱水は思ったほど多くないのではないかと思うからです。
もちろん気温にもかなり左右されますが、体重減少分が全部脱水というのはどうも納得できません。
走れば当然エネルギーを使うわけで、それが脂肪であってもグリコーゲンであっても、何かが失われるわけですよね。
この計算ではその分の重さは考えていません。
エネルギーを使うと、脂肪でもグリコーゲンでも最終的には水と二酸化炭素になるわけで、そこで発生する水も計算していません。その発生した水はどのようになるのでしょうか?
また、ランニング学会が出している「〔ランニング学会の見解〕マラソンレース中の適切な水分補給について」
そこで一応2%までは許容範囲で3%以上の体重変化(脱水)は良くないという立場のようですが、
その中で使われている脱水のグラフを見ると体重変化がー5%なんてざらにいます。
中には―10%以上という人も少数います。
この方たちがその後どのようになったかは知る由もありませんが、危険と言われている体重減少量の
人はかなりの割合でいるということです。
もちろんフルマラソンよりも長距離のレースの人もかなり含んでいるので、距離に応じて脱水の割合も多くなるのかもしれませんが、-5~10%の人たちがみんな脱水で命の危険があったかというと恐らくはないと思います。
すると、体重減少は発汗による脱水だけでは説明がつかないのではないかと考えます。
このランニング学会の文章もどちらかというと脱水よりも水分の過剰摂取に注意を促す目的が強い文章で、
「のどの渇きに応じて」水分摂取を行うことを推奨しています。
では、この体重減少の中身は何でしょう。私にはまだ答えがありません。
誰かわかる方は教えて下さい。