今回も100kmのウルトラマラソン前後の血液検査を行いました。
今年もレース前は直前の金曜日の朝の値です。レース後は直後に測定したいのですが、仕方なくレース翌日の昼食前の値です。
レース前 | レース後 | レース前 | レース後 | レース前 | レース後 | レース前 | レース後 | |
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検査項目 | 15′.5.15 | 15′.6.29 | 16′.6.17 | 16′.6.27 | 17′.6.23 | 17′.6.26 | 18′.6.22 | 18′.6.25 |
白血球数 | 3680 | 9060↑ | 3630 | 6960↑ | 3310 | 7330↑ | 4240 | 7590↑ |
赤血球数 | 448 | 422↓ | 449 | 375↓ | 448 | 412↓ | 467 | 409↓ |
ヘモグロビン | 14 | 13.1↓ | 13.7 | 11.7↓ | 13.9 | 12.8↓ | 14.1 | 12.4↓ |
血小板数 | 17.3 | 17.4 | 19.5 | 15 | 18.8 | 17.6 | 18.2 | 15.1 |
総蛋白 | 7 | 7.1 | 6.4↓ | 7.3 | 6.9↓ | 7.5 | 6.6↓ | |
アルブミン | 4.5 | 4.1↓ | 4.7 | 4.1↓ | 4.7 | 4.2↓ | ||
総ビリルビン | 1.9 | 1.4 | 1.3 | 1.4 | 1.1 | 1.2 | 1.6↑ | |
直接ビリルビン | 0.4 | 0.3 | 0.3 | 0.2 | 0.3 | 0.3 | 0.4 | |
AST(GOT) | 16 | 35↑ | 14 | 56↑ | 12 | 69↑ | 14 | 51↑ |
ALT(GPT) | 20 | 24 | 13 | 36↑ | 12 | 26↑ | 15 | 21 |
LDH | 206 | 142 | 226↑ | 138 | 212↑ | 141 | 232↑ | |
CPK | 878 | 79 | 1124↑↑ | 61 | 2004↑↑ | 79 | 1725↑↑ | |
BUN | 16.9 | 26.3↑ | 17.3 | 27.1↑ | 20.7 | 25.2↑ | 18.8 | 24.9↑ |
クレアチニン | 0.79 | 0.76 | 0.85 | 0.76 | 0.83 | 0.7 | 0.80 | 0.73 |
ナトリウム | 142 | 141 | 141 | 140 | 139 | 140 | 138 | |
カリウム | 3.6 | 3.9 | 3.7 | 3.9 | 3.3↓ | 3.9 | 3.1↓ | |
クロール | 102 | 103 | 106 | 102 | 102 | 101 | 102 | |
カルシウム | 9.2 | 8.8 | 8.5↓ | 9.3 | 8.5↓ | 9.1 | 8.5↓ | |
鉄 | 107 | 99↓ | 109 | 76↓ | 104 | |||
フェリチン | 108.5 | 137.5↑ | 62.4 | 104.9↑ | ||||
CRP | 4.97 | 0.05以下 | 5.02↑↑ | 0.05以下 | 5.18↑↑ | 0.05以下 | 6.17↑↑ | |
中性脂肪 | 42 | 46 | 30↓ | 31 | 23↓ | 45 | 33↓ | |
総コレステロール | 260 | 253 | 332 | 241↓ | 420 | 338↓ | 318 | 265↓ |
HDLコレステロール | 90 | 98 | 93 | 88 | 112 | 105 | 99 | 95 |
LDLコレステロール | 149 | 123 | 218 | 129↓ | 261 | 183↓ | 213 | 150↓ |
血糖 | 84 | 89 | 85 | 87 | 93 | 89 | 91 |
データの傾向は毎年ほとんど同様です。
今回もレース後はヘモグロビンもかなり低下したので、かなりの溶血だったような気がします。
総蛋白もアルブミンも毎年かなりの減少です。
CPKは1725と昨年よりは低い値ですが過去2番目の高い値でした。疲労感は今年が一番だったのと、タイムは最も今年が遅いのですが、時間や疲労感と比例はしないようです。
今回は最もカリウムが低下しました。やはり汗で喪失してしまったのでしょうか?しかし、汗だけでは説明がつかないでしょう。恐らくは激しい運動を長時間することにより、様々なホルモンが変化します。それらのホルモンは電解質に密接に関連しているものも多いので、このように電解質バランスが崩れるのでしょう。
今回もカルシウムが低下しました。アルブミン低下による見かけ上の低下かもしれません。カルシウムの半分程度はアルブミンと結合しています。
CRPは6.17と毎年上昇してきています。これは炎症所見です。100kmも走れば体中炎症でしょう。
今年もフェリチンを測定しました。レース前が62.4、レース後で104.9です。炎症による上昇でしょう。
脂質系は全てレース後に低下しています。体中の細胞が脂質のエネルギー、コレステロールを欲しているのでしょう。
しかし、人間の体はこれほどの過酷な運動を行っても、この程度の変化に抑えているのです。素晴らしい機能を備えています。逆に、激しい運動もしないのにデータが非常に崩れている人は、どれほど人間の本来のメカニズムに反したことをしているか?または、どれほどダメージのある状態なのか?ということを考えた方が良いのかもしれません。