ウルトラマラソンと血液検査2018

今回も100kmのウルトラマラソン前後の血液検査を行いました。

今年もレース前は直前の金曜日の朝の値です。レース後は直後に測定したいのですが、仕方なくレース翌日の昼食前の値です。

 

レース前 レース後 レース前 レース後 レース前 レース後 レース前 レース後
検査項目 15′.5.15 15′.6.29 16′.6.17 16′.6.27 17′.6.23 17′.6.26 18′.6.22 18′.6.25
白血球数 3680 9060↑ 3630 6960↑ 3310 7330↑ 4240 7590↑
赤血球数 448 422↓ 449 375↓ 448 412↓ 467 409↓
ヘモグロビン 14 13.1↓ 13.7 11.7↓ 13.9 12.8↓ 14.1 12.4↓
血小板数 17.3 17.4 19.5 15 18.8 17.6 18.2 15.1
総蛋白 7 7.1 6.4↓ 7.3 6.9 7.5  6.6
アルブミン 4.5 4.1↓ 4.7 4.1 4.7  4.2
総ビリルビン 1.9 1.4 1.3 1.4 1.1 1.2 1.6↑
直接ビリルビン 0.4 0.3 0.3 0.2 0.3 0.3 0.4
AST(GOT) 16 35↑ 14 56↑ 12 69↑ 14 51↑
ALT(GPT) 20 24 13 36↑ 12 26↑ 15 21
LDH 206 142 226↑ 138 212↑ 141 232↑
CPK 878 79 1124↑↑ 61 2004↑↑ 79 1725↑↑
BUN 16.9 26.3↑ 17.3 27.1↑ 20.7 25.2↑ 18.8 24.9↑
クレアチニン 0.79 0.76 0.85 0.76 0.83 0.7 0.80 0.73
ナトリウム 142 141 141 140 139 140 138
カリウム 3.6 3.9 3.7 3.9 3.3↓ 3.9 3.1↓
クロール 102 103 106 102 102 101 102
カルシウム 9.2 8.8 8.5↓ 9.3 8.5↓ 9.1 8.5↓
107 99↓ 109 76↓ 104
フェリチン 108.5 137.5↑ 62.4 104.9↑
CRP 4.97 0.05以下 5.02↑↑ 0.05以下 5.18↑↑ 0.05以下  6.17↑↑
中性脂肪 42 46 30↓ 31 23↓ 45 33↓
総コレステロール 260 253 332 241↓ 420 338↓ 318 265↓
HDLコレステロール 90 98 93 88 112 105 99 95
LDLコレステロール 149 123 218 129↓ 261 183↓ 213 150↓
血糖 84 89 85 87 93 89 91

データの傾向は毎年ほとんど同様です。

今回もレース後はヘモグロビンもかなり低下したので、かなりの溶血だったような気がします。

総蛋白もアルブミンも毎年かなりの減少です。

CPKは1725と昨年よりは低い値ですが過去2番目の高い値でした。疲労感は今年が一番だったのと、タイムは最も今年が遅いのですが、時間や疲労感と比例はしないようです。

今回は最もカリウムが低下しました。やはり汗で喪失してしまったのでしょうか?しかし、汗だけでは説明がつかないでしょう。恐らくは激しい運動を長時間することにより、様々なホルモンが変化します。それらのホルモンは電解質に密接に関連しているものも多いので、このように電解質バランスが崩れるのでしょう。

今回もカルシウムが低下しました。アルブミン低下による見かけ上の低下かもしれません。カルシウムの半分程度はアルブミンと結合しています。

CRPは6.17と毎年上昇してきています。これは炎症所見です。100kmも走れば体中炎症でしょう。

今年もフェリチンを測定しました。レース前が62.4、レース後で104.9です。炎症による上昇でしょう。

脂質系は全てレース後に低下しています。体中の細胞が脂質のエネルギー、コレステロールを欲しているのでしょう。

しかし、人間の体はこれほどの過酷な運動を行っても、この程度の変化に抑えているのです。素晴らしい機能を備えています。逆に、激しい運動もしないのにデータが非常に崩れている人は、どれほど人間の本来のメカニズムに反したことをしているか?または、どれほどダメージのある状態なのか?ということを考えた方が良いのかもしれません。

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