猛暑でスポーツドリンクが非常に売れているみたいですが、犠牲にならないように十分気を付けてください!

ネットで、アクエリアスが品薄というデマが広がっていたようです。(記事はここ)ちなみにスポーツドリンクの中には本当に品薄のものもあるようです。

しかし、どれだけの人が電解質を補給する必要があるのでしょうか?そして、暑い環境でスポーツをガンガンしている人では、スポーツドリンクを飲んでも大して役に立ちません。電解質が少なすぎるのです。汗に含まれるナトリウムの量は先日の記事「マラソンでの汗のナトリウム濃度はどれくらい?」のように非常に個人差があります。多くナトリウムを汗で出してしまう人がスポーツドリンクをガブガブ飲んだら低ナトリウム血症になってしまいます。

そして、何よりスポーツドリンクの飲みすぎで危険なのは脚気です。以前の記事「糖質過剰摂取で脚気になる!乳幼児で死亡例もある!スポーツドリンクなんていらない!」にも書いたように死者も出ています。

これまでもスポーツドリンクの飲み過ぎにより子供が脳症になったりするなど、様々な論文が出ています。(原文はここ

しかし、スポーツドリンクを飲んで問題が起きるのは小さな乳幼児だけには限りません。液体の糖質を大量に摂ることの危険性を知らない親たちが、小学生や中学生、高校生にもスポーツドリンクを持たせたりしています。ペットボトル症候群もきたすこともあります。どんどんビタミンB1は浪費され、身体に力が急に入らなくなることもあります。実は熱中症で倒れたのではなく、ビタミンB1欠乏症状で倒れたのかもしれません。

塩分補給はスポーツドリンクからではなく、塩を別に持って行ったり、梅干を食べたりして補いましょう。運動もしない屋外で長時間活動もしない状態での塩分補給は全く必要ありません。水分補給は水かお茶、塩分補給は塩か梅干しなどで摂るようにしましょう。同時摂取したい場合は自作の経口補水液を砂糖なしで作ればいいのです。500mlの水に1.5gの塩を入れればいいのです。砂糖を入れた方が吸収が速いと言いますが、例え10分吸収が遅れたとしてあなたは危機的な状況になるような切迫した状態でしょうか?

OS-1は糖質少なめなのですが、大塚製薬のホームページに掲載されている論文ではOS-1を飲んだ後の血糖値は160近くになっているというのが実際のところです。そして2時間後には逆にベースラインよりも低下してしまっているのです。OS-1ですらこのような状態です。他のスポーツドリンクならビックリする高血糖になります。そしてそのあと急激に血糖値が低下して、低血糖を示す可能性が高くなります。

長時間汗をだらだらかくなら、溶かす塩を増やせばいいのです。私はウルトラマラソンのときは3~4gの塩を溶かしたものを飲みます。ただ、4gだとかなり塩辛いので、ちょっと飲むのがつらいです。

通常のスポーツドリンクは熱中症対策に適したものでもなければ、どんな状況でも適した飲み物ではありません。不必要な糖質が入った、毒薬でしかありません。酷暑で食欲もなくなり、のどごしの良いそうめんを食べてばかり、飲み物はスポーツドリンクや甘い飲み物ばかり、大した食事をしていない場合、どんどんエネルギーが切れ、体調不良になり、場合によっては危険な状態になります。

企業の戦略に簡単に騙されないようにしてください。「スポーツドリンク」=「健康的な飲み物」ではありません!これまでも何人もの人がスポーツドリンクの犠牲になっていることを知ってください。

2 thoughts on “猛暑でスポーツドリンクが非常に売れているみたいですが、犠牲にならないように十分気を付けてください!

  1. こんにちは。
    子供には数年前からアクエリアスゼロを飲ませているのですが一昨日から店頭から消えましたね。馴染みのスーパーで聞くと大雨で被災した工場のラインがストップしているところがあり出荷がおいついてないとか。しばらく納期未定だと言われ困ってます。毎日サッカーの練習なのでとりあえずお茶に塩混ぜてもたせてます。
    あれから順調にお弁当も完全にご飯抜きにしており本人も空腹を感じなくなったと言ってます。現在マイナス2kgラインです。アトピー性皮膚炎でこの時期は特に汗かくのでひどくなるのですが糖質制限のおかげで改善してきております。
    自身も最近は先生おすすめの梅を毎朝寝起きに水飲む時にひとつ食べるようにしましたので朝のランニングも調子いいです。あと、糖質制限はじめて頭痛がおきてたのも梅食べ始めてぴたっとなくなりました。

    1. 登山好きのランナーさん

      お子さんの糖質制限も順調のようで何よりです。
      アトピー性皮膚炎も改善するのはよく聞く話ですね。良かったです。

      塩分は意外と見落としている部分ではないかと思います。
      頭痛にも関連しているという可能性もあれば、また面白い内容です。
      貴重な情報ありがとうございます。

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