東北大大学院農学研究科の都築毅准教授(食品機能学)は昨年も同じようにマウスの実験結果をもとに糖質制限批判を展開していました。その内容に対する江部先生の東洋経済オンラインの記事を読めばよくわかる通り、人間とネズミは違う食性です。1年経っても全く言っていることは変わりません。
以前の記事「がんばれ!糖質制限反対派!」でも書いたように、最近は糖質制限反対派の元気がありません。ときどき出るのはこのような誰にでもおかしいと思われるようなお粗末な内容です。(元の記事はここ)
極端な糖質制限、寿命に影響か=動物実験が示唆-東北大
5/17(金) 時事通信より
内臓脂肪の減少などに効果がある糖質制限も、極端な制限を長期間続けると老化を早める可能性がある-。
東北大大学院農学研究科の都築毅准教授(食品機能学)らの研究グループが、動物実験を通じてこんな結果をまとめた。糖質制限は手軽なダイエット法としても人気があるが、都築准教授は「専門家の管理下で行うべきだ」と警鐘を鳴らしている。
都築准教授らは寿命が1年程度の実験用マウスを3グループに分け、それぞれ(1)標準的な栄養割合の餌(2)脂肪の多い餌(3)炭水化物を減らし、たんぱく質を増やした糖質制限食-を与えて飼育。糖質制限食は炭水化物によるカロリーが全体の2割程度と、人間が1日3食とも主食を取らない状態に相当する厳しい制限とした。
その結果、糖質制限食を食べたマウスの寿命は標準的な餌のグループと比べ8~9週短いなど、他の2グループと比べ短かった。飼育開始から約1年後に記憶力を測ったところ、標準的な餌のグループの半分程度に低下していた。
糖質制限をしたマウスの腸内では悪玉菌が増える一方、善玉菌は減少しており、老化に影響を与えた可能性がある。人間も短期の糖質制限で腸内細菌のバランスが崩れることが分かっており、都築准教授は「人間でも十分に起こり得る」と推測する。
都築准教授は、糖質制限は糖尿病対策などに有益としつつ、「医療の一環として専門家が介入してやるべきもの」と指摘。「短期間は問題ないが、ずっと続けると悪影響の可能性がある」と忠告した。
研究成果は静岡市で開かれる日本栄養・食糧学会で、19日に発表される。
この記事の面白いところといえば最初の方の、
糖質制限は手軽なダイエット法としても人気があるが、都築准教授は「専門家の管理下で行うべきだ」と警鐘を鳴らしている。
という文章。専門家とは誰でしょう?医師?栄養士?どちらも糖質制限に詳しくない人がほとんどです。そう言うのであれば、私はこう言います。
糖質制限に関する研究を行うのであれば「専門家の管理下で行うべきだ」と警鐘を鳴らしている!(笑)
いつも楽しく記事を読ませていただいています。
この話はまだ論文にもなっていないので議論する必要もないと思います。日本のマスコミは論文にもなっていない話をセンセーショナルに取り上げますが、査読を受けてもいない話は科学ではありません。
Miki Nakazawaさん、コメントありがとうございます。
議論するつもりはありません。しかし、一般の人はこのような記事に反応してしまいます。
前回のときはテレビさえも騒いだのですから、例え科学とは言えなくても影響力はあります。
何が正しいかは自分自身でしっかりと考えなければなりませんね。
この東北大農学研究科の都築毅准教授が前回スクラムを組んだのが日本農業新聞(笑)で、今回は日本栄養・食糧学会です。今回、彼が糖質制限の悪影響を発表するこの学会の会長が東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授の宇都宮一典氏です。彼は日本糖尿病学会の「食事療法に関する委員会」の委員長としてカロリー制限食を提言してきた人で、下記の文春記事でも「糖尿病の原因は炭水化物ではなく脂質の摂り過ぎ」と主張してます。ワセダクロニクルのマネーデータベース『製薬会社と医師』で見てもずいぶん製薬会社からお金もらってますね。この手の糖質制限批判は非常に意図的であり、私もこの手のプロパガンダに対しては適時指摘、糾弾すべきと思います。
https://bunshun.jp/articles/-/10197?page=7
駐在君さん、コメントありがとうございます。
宇都宮先生は日本糖尿病学会の「食事療法に関する委員会」の委員長なのですね?そして、日本栄養・食糧学会の会長。
そして「日本人の食事摂取基準(2020版)(案)を読んでがっかり その1」で書いたように、「日本人の食事摂取基準」策定検討会の構成員でもあります。実に興味深いつながりですね。
しかし、アメリカの糖尿病学会が糖質制限を食事療法として大きく推進し始めているので、時間の問題でしょう。
これから分かったことは「ネズミには糖質制限させないほうが良いらしい」という事だけですよね。ネズミではない方が過剰に気にする必要はないと思います。
よっしーさん、コメントありがとうございます。
この方はネズミ年かもしれません。
面白いですね。ロシアのウサギを使ったコレステロールの実験と同じような過ちなんですね。
私は糖質制限は老化予防にいいよってオススメしたらこの間違った実験を元に糖質制限するほうが老化するよと笑われたことがあります。
その方は美容意識が高い方で紫外線に気をつけていたり、ビタミンC,Eのサプリを飲んだりしてます。
でも、いくら酸化に気をつけていても、もう一つの要因の「糖化」は避けることをできないこと。血糖値が高いほど糖化が進みAGEsに変化しこれが活性酸素を撒き散らすこと源になってしまうんですよね。
匿名希望さん、コメントありがとうございます。
マスコミの情報を鵜呑みにする人は多いですからね。