母親だけでなく父親の飲酒も胎児に有害である

以前の記事「母親だけでなく父親の喫煙も胎児には有害である」では、母親だけでなく父親の喫煙とその子供の先天性心疾患のリスクとの関係について書きました。

今回は喫煙ではなく、飲酒です。

妊娠3か月前から妊娠初期にアルコールを飲むと、父親の場合はその子供の先天性心疾患のリスクが44%上昇し、母親は16%上昇しました。1回の飲酒が5杯以上であると定義された大量飲酒では、先天性心疾患の可能性が父親で52%、母親で16%高いことに関連していました。

上の図は横軸がアルコール摂取量、縦軸がオッズ比です。母親のアルコール摂取量が1日あたり116gを超えると、先天性心疾患のリスクは42%増加しました。父親のアルコール摂取量が1日あたり375gを超えると、リスクは47%増加しました。父親の場合はかなりの深酒ですね。

父親の場合は妊娠初期の飲酒は関係ないとは思いますが、タバコと同じように、妊娠前の大量の飲酒は父親の精子のDNAに影響を与えるのでしょう。

赤ちゃんを欲しいと思っている場合、安全域を考えると、父親は受精前に少なくとも6ヶ月間アルコールをやめるか、摂取量をかなり減らし、母親では1年前にアルコールをやめ、妊娠中は絶対に避けるべきだではないかと思います。

「Parental alcohol consumption and the risk of congenital heart diseases in offspring: An updated systematic review and meta-analysis」

「親のアルコール消費と子の先天性心疾患のリスク:最新の系統的レビューとメタ分析」(原文はここ

2 thoughts on “母親だけでなく父親の飲酒も胎児に有害である

  1. 小池オババは自分のプライドを傷つけられたんでしょうか?だから北方領土などと…。

    アスリートたちのこれからは作戦の練り直し?

    1. ジェームズ中野さん、コメントありがとうございます。

      オリンピックのマラソン問題は、IOCがアスリートファーストという言葉で納得させようとしていますが、
      そもそも夏の酷暑の東京でオリンピックを行おうと決めたことがアスリートファーストではありません。今更IOCも何を言っているのでしょう?
      最初から分かっていることです。振り回される選手がかわいそうです。
      オリンピックまで1年もありません。オリンピックも「スポンサーファースト」です。すべては金。

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