以前の記事「ボディービルダーの筋肉は見かけ倒しかもしれない」で書いたように、ボディービルダーの筋肉は筋肉の大きさの割に筋力が強くない可能性があります。筋力をつけるにはどれくらいのトレーニング量が必要でしょうか?
この研究は非常に面白い結果を示しています。
34人の健康な男性を3つのグループに分けました。週3回、8週間のトレーニングを行いました。1セット当たり7つのエクササイズを行い、それぞれのエクササイズは8~12回反復するのが限界である負荷量としました。
第1のグループはトレーニングで、1回に1セットのみで終了します。たった13分間です。
第2のグループは1回に3セット行います。時間は約40分間です。
第3のグループは1回に5セット行います。時間は約68分間です。
8週間のトレーニング終了後に1RM(1レペティション・マキシマム 1回が限界の負荷量の運動)という指標を用いて筋力を評価しました。
その結果、なんと、1セットのグループと5セットのグループを比較しても筋力に差がなかったのです。しかし、筋肉のサイズは明らかに1セットのグループよりも5セットのグループの方が肥大していました。
この結果は、筋肉の強さと肥大の間に隔たりがあることを示唆しています。つまり、筋肉は大きくなると、筋肉の線維一つ一つは力が弱いと考えられるのです。大きな筋肉は大きな「筋力」ではないのです。以前の記事と同じ結果です。
もちろん、ボディービルダーは見せるための筋肉なので、筋力は必要ありませんが、競技の種類によってはアスリートが真似をするべきではないかもしれません。
みなさんも、大きくなくても強い「筋力」を手に入れたければ、長々とジムにいるのではなく、適切な負荷量(8~12回しか反復できない負荷量)を用いれば、たった13分間ですむのです。忙しい方には非常にうれしい結果かもしれませんね。逆に人に見せたいマッチョな筋肉が欲しい人は、何セットも繰り返すことが良いでしょう。
「Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy」
「抵抗トレーニング量は筋肥大を高める」(原文はここ)