砂糖入り飲料と人工甘味料入り飲料の死亡リスクは?

スポーツドリンク、ジュースのような砂糖たっぷりの飲料を頻繁に摂取すると、肥満や糖尿病のリスク増加だけではなく、全原因死亡のリスクや心血管疾患による死亡、そしてがんによる死亡リスクが高まるかもしれません。

今回の研究では女性と男性で、砂糖入り飲料や人工甘味料入り飲料の摂取頻度と、死亡率について分析しています。(図は原文より)

まず、上の図は砂糖入り飲料の摂取頻度と総死亡率のリスクを示しています。NHSと書いてあるのが女性、HPFSが男性、Pooledは全体と考えてください。

頻度は左から1か月に1回未満、1か月に1~4回、1週間に2~6回、1日に1~2回未満、1日に2回以上です。1か月に1回未満を1とした場合、その他の頻度で見てみると、全体では順にリスクが1%増加、6%の増加、14%の増加、そして1日に2回以上の場合には21%の増加でした。女性の方がややリスクが高くなっていました。

同様に上の図は心血管疾患での死亡率です。全体として、1日に2回以上砂糖入り飲料を飲んだグループと月に1回未満のグループを比較した場合、砂糖入り飲料の摂取は心血管疾患による死亡のリスクを31%増加させました。心血管疾患の死亡のリスクについても女性の方がやや高くなっていました。

上の図はがんによる死亡についてです。1日2回のグループでは、全体として16%増加でした。

上の図はSSB(砂糖入り飲料)、ASB(人工甘味料入り飲料)でのがんのリスクです。上からがん全体、肺がん、大腸がん、女性の乳がん、男性の前立腺がんです。砂糖入り飲料は女性の乳がんのリスクを高めました。有意差は出なかったものの大腸がんのリスクも増加傾向でした。人工甘味料ではがんとの関連は認められませんでした。

上の2つの図は人工甘味料入り飲料と死亡率のリスクを示していますが、頻度の分け方が、最後の方が1日の2回~4回未満と1日に4回以上に変わっています。そして、1日に4回以上の人工甘味料入り飲料の摂取は、全体で死亡率が25%増加、女性では30%増加を示しています。男性では関連が認められませんでした。

また、人工甘味料入り飲料と心血管疾患の死亡率の関連では、1日4回以上では全体で37%増加、女性で43%増加でした。男性は関連を認めませんでした。がんに関してはどれも関連を認めませんでした。

確かに、砂糖入り飲料を飲むよりは人工甘味料入り飲料の方が死亡のリスクは低くなるようですが、だからと言って1日に4本も人工甘味料入り飲料を飲むようであると危険性が高まると思われます。特に女性の場合は男性よりもリスクが高くなるようです。

まあ、糖質も人工甘味料も摂取しない方が良いでしょう。人工甘味料は完全に安全とは言えません。

「Long-Term Consumption of Sugar-Sweetened and Artificially Sweetened Beverages and Risk of Mortality in US Adults」

「米国成人における砂糖入り飲料および人工甘味飲料の長期消費と死亡リスク」(原文はここ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です