糖尿病はピロリ菌根絶後の胃がんのリスクを高めるかもしれない

本日胃カメラの検査を行ってきました。何度やっても私には辛い検査です。特に何も所見がなく安心しました。胃カメラの検査は昔は当然口から内視鏡を入れていたのですが、かなり前から鼻から細い内視鏡を入れることができ、非常に検査が楽になったようです。しかし、私は両方の鼻の奥が狭く、内視鏡が通りません。ですから今でも口から内視鏡を入れなければなりません。昔より内視鏡が細くなったので、少し辛さは軽減したようにも思いますが、それでもオエオエがかなり激しく、涙とよだれがダラダラです。

いまだにバリウム検査を行っている人もいるようですが、わざわざ検査するなら内視鏡で見るのが最も早期発見はできると思います。欧米ではバリウム検査なんて恐らくしないと思います。内視鏡でももちろん見落としはないわけではないですが、バリウムの方が何倍も見落としがある可能性がありますし、早期であればバリウムではわかりません。医師の中でバリウム検査を選択する人は恐らく皆無だと思います。

幸い私の胃にはピロリ菌がいないので、おそらくは胃がんにはならないだろうとは思っていますが、安心のために時々検査は行っています。

胃がんとピロリ菌の関係は非常に強固です。だから、ピロリ菌を持っている人には除去が勧められているのですが、最近糖尿病とピロリ菌除去後の胃がんのリスクに関する研究が発表されました。原文を手に入れていないので要約だけですが、2型糖尿病の人ではピロリ菌除去後、糖尿病がない人よりも胃がんのリスクが70%以上増加するというのです。しかも噴門部という胃と食道の繋がっている部位のがんは3.4倍にもなるそうです。

また、2型糖尿病は、除菌療法を受けた、血糖コントロールが最適ではなくメトホルミンを使用しなかったピロリ菌感染の胃がんリスクの68%の増加と関連しているようです。

私の拙著「「糖質過剰」症候群」でも、ピロリ菌と2型糖尿病と胃がんのリスクとの関連を書いていますが、ピロリ菌だけではなく糖尿病があるか無いかで、リスクは大きく違うようです。糖尿病のある人はピロリ菌を除菌しても、ピロリ菌の影響が残ってしまうのでしょうか?糖尿病の人は除菌したからといって安心せず、定期的な内視鏡検査が必要だと思います。

糖質制限+ピロリ菌除菌で胃がん予防をしましょう。

目的:糖尿病が胃がんのリスクを増加させるかどうかは、ヘリコバクターピロリ感染状態、併用薬の使用、がん部位などの重要な危険因子の調整が不十分なため、議論の余地があります。2型糖尿病がピロリ菌感染の治療を受けた患者の胃がんのリスクを高めるかどうかを調査しました。

研究デザインと方法:香港で2003年から2012年にかけてピロリ菌感染症に対してクラリスロマイシンをベースにした3剤療法を受けた45歳以上の患者を対象とした全地域コホート研究でした。

結果:中央値7.1年(四分位範囲4.8〜9.3年)で、46,460人の患者のうち153人(0.33%)が72.4歳の中央値で胃がんを発症しました。2型糖尿病は胃がんのリスク増加と関連していました(aHR 1.73 [95%CI 1.08–2.79])。層別分析では、噴門部がんのみのリスク増加(aHR 3.40 [95% CI 1.45–7.97])と、糖尿病コントロールが最適でない患者のリスクの増加(time-weighted mean HbA1c ≥6.0% [42 mmol/mol]; aHR 1.68 [95% CI 1.07–2.63])が示されました。

結論 :2型糖尿病は、ピロリ菌が根絶された患者、特に胃噴門部がんおよび糖尿病が最適に制御されていない患者の胃がんリスクの増加と関連しています。

「Diabetes Increases Risk of Gastric Cancer After Helicobacter pylori Eradication: A Territory-Wide Study With Propensity Score Analysis」

「糖尿病はピロリ菌の根絶後の胃がんのリスクを増加させる:傾向スコア分析によるテリトリー全体の研究」(原文はここ

コメント

  1. きさらぎ より:

    宇野コラムというサイトではピロリ菌やフォドマップなど胃腸に関して造詣の深い事が書いてあります。よろしければ一読をおすすめいたします。