前回の「その4」で書いたように、apoCⅢを含むHDLは、HDLでありながら機能不全を起こし、心血管疾患のリスクを上げてしまうと思われます。つまり、質の悪いHDLなのです。だから、いくらHDLコレステロール値が高くても、
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HDLコレステロールは高ければ良いってもんじゃない? その4
通常はHDLコレステロール値が高い方が心血管系疾患のリスクが低いと考えられています。 HDLには様々な機能があります。内皮機能改善作用、抗酸化作用、抗炎症作用、コレステロール逆転送(輸送)作用などがあります。これら機能に
LDLコレステロールは本当に動脈の血管内腔から血管内皮を通って、アテローム性動脈硬化を起こすのか? その5
前回の記事「その4」では、糖質過剰摂取によりミトコンドリアの機能障害が起こり、それによって内膜が肥厚するのではないかという仮説を書きました。 では、なぜ脂質が内膜に蓄積するのでしょうか?それを説明するのに、大きな海に出た
2018年3月の検査データ
久しぶりに血液の検査をしました。先日、江部先生がご自身のデータを公開されていたので(江部先生のデータはこちら)、私もいつもは検査していない甲状腺の機能も検査しました。そしたら、意外や意外の結果です。 甲状腺機能 TSH:
糖尿病と低マグネシウム
みなさんは自分のマグネシウム値を知っていますか?マグネシウムは通常の血液検査では測定されません。 ほとんどのマグネシウムは細胞内や骨の中にあるので、体内のマグネシウムの正確な評価は困難です。全身のマグネシウムの0.3%が
LDLコレステロールは本当に動脈の血管内腔から血管内皮を通って、アテローム性動脈硬化を起こすのか? その4
前回の記事「その3」では内膜の肥厚がなぜ起こるのか、疑問を呈しました。これまでのアテローム性動脈硬化症の発生の仮説では、血管内皮が傷つき、LDLが入り込み、内膜でマクロファージに取り込まれ、それが泡沫細胞になりアテローム
糖質制限食 対 ちょっと糖質控えめ 12か月の戦い
2型糖尿病または前糖尿病の人を対象に、ちゃんと糖質制限をした場合とちょっとだけ糖質を控えた場合でどのような違いがあるかを調べた研究があります。 糖質制限群は1日糖質を20~50gに抑えるように指導されました。(最終的には
糖質制限とLDLコレステロール上昇3 脂質をもっと食べるべき?(人体実験)
糖質制限をしている方がときどき悩んでいるLDLコレステロールの上昇について、これまで「糖質制限とLDLコレステロール上昇」「糖質制限とLDLコレステロール上昇2 仮説」を記事にしてきました。2つ目の記事の最後には「LDL
飽和脂肪は心臓の動脈を詰まらせない!
4月25日のBritish Journal of Sports Medicine に出ていたEditorialです。これまでも何度も言われていますが、心臓の冠状動脈を詰まらせるのは飽和脂肪酸ではありません。しかし、いまだ
脂質異常症の治療薬、PCSK9阻害薬エボロクマブ(レパーサ)は本当に必要か?一人救うのに2億円かかります!
脂質異常症の新しい治療薬の試験(FOURIER試験)が行われ、発表されました。原文はここです。スタチンだけではコントロールが不良の方の心血管イベントのリスクを低下させるという内容ですが、私には、どうしてもこの薬のメリット