カロリー制限と運動による糖尿病治療の大失敗研究

いまだに多くの医師は糖尿病に対して、エネルギー(カロリー)制限と運動を推奨しているでしょう。ご存じのように、エネルギー量はカロリーという数値ではなく、何からエネルギーを摂取するかで、結果は違います。糖質または脂質を同じだけのカロリーで摂取しても、体重は糖質の方が当然増加します。体重はインスリンが決めると言っても良いでしょう。

運動も消費するエネルギーはたかが知れています。糖質制限をしないのであれば、例えば30分のウォーキングの運動後にポカリスエットなどのスポーツドリンクを1本(500ml)飲んでしまえば、カロリーの増減は帳消しになります。運動後はお腹が減るので、いつもよりも少し多めに何かを食べれば、エネルギー収支はゼロまたはプラスになってしまう可能性があります。

カロリー制限と運動による介入を10歳から17歳の子供に行って糖尿病治療をした研究で、大失敗したものがあります。

この研究では、メトホルミンは内服し、摂取エネルギーを1200~1500kcalとして、5g以上の脂肪、砂糖の多いシリアル、エネルギー密度が高く栄養価の低いスナック、ソフトドリンクを含む食品はできる限り減らす食事をしてもらい、運動として中程度から高強度の活動、筋トレなどをしてもらいます。子供なので家族のサポートも行ってもらいます。もちろん、隠れて何か別のものを食べていたのかもしれません。

平均で3.86年行った研究ですが、この計画の失敗率は46.6%、つまり半分近くは失敗しているのです。失敗の原因は治療として上手くいかず、どんどん悪化したのです。8割近くの人はHbA1cが上昇し続けました。(図は原文より)

上の図はピンクが失敗した人、ブルーが失敗しなかった人のHbA1cです。失敗した人はどんどん増加しています。

上の図は最後まで失敗しなかった人のBMIです。メトホルミンだけ(青)、メトホルミンと他の薬(赤)、そして今回取り上げているメトホルミンと生活介入(緑)の推移です。脂肪摂取を減らしたのに、どれもやや右肩上がりです。つまり、低脂肪のカロリー制限と運動を行っても、HbA1cも低下しないし、BMIも低下しなかったのです。そして半分近い人は悪化したのです。

このような治療は非常に不利益です。医療として試みる必要もないと思います。糖質制限をすれば、エネルギーを制限することはしなくても、多くの肥満や過体重の人はどんどん体重が減少し、HbA1cも低下するでしょう。

「A Clinical Trial to Maintain Glycemic Control in Youth with Type 2 Diabetes」

「2型糖尿病の若者の血糖コントロールを維持するための臨床試験」(原文はここ

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コメント

  1. 鈴木武彦 より:

    可哀想なのは、担当医師を信じてひたすら
    カロリー制限と運動療法に取り組んだにも
    かかわらず、合併症の発症を防ぐ事が
    出来ない糖尿病患者になりますね。

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      自分の体なので、自分で判断しなければなりません。
      情報がありすぎて難しいかもしれませんが、医師は責任をとってくれるわけではありません。
      医師はガイドラインに沿っていれば、責任はないのですから。