ケトン体はタンパク質分解を抑制して合成を促進するかもしれない

糖質制限をするとケトン体が増加します。また、一部の人は筋肉が分解されてエネルギーとして使われるのではないかと危惧しています。

ケトン体と筋肉のタンパク質の分解、合成はどのようになっているのでしょうか?かなり古い論文ですが、ケトン体の血管注入や経口摂取は尿中への窒素排泄を減少させると報告しています。(ここ参照)

これもかなり古い研究ですが、ケトン体を血管に注入して、タンパク質の分解(酸化)と合成について調べたものがあります。(図は原文より)

上の図は様々なものの血中濃度です。左の一番上からケトン体のβヒドロキシ酪酸、血糖、遊離脂肪酸、真ん中の上がインスリン、C-ペプチド、グルカゴン、右上のからノルエピネフリン、エピネフリン、コルチゾールです。ケトン体注入に伴いケトン体値は徐々に増加し、7~8時間後では2,000μmol/Lを超えています。血糖値はどんどん低下していますが、グルカゴンは変化していないようです。

生理食塩水の注入と比較して、ケトン体であるβヒドロキシ酪酸の注入中、必須アミノ酸であるロイシンの酸化は平均30%減少しました。一方、骨格筋タンパク質へのロイシンの取り込みは平均10%増加しました。

ちなみに内因性グルコース産生率もケトン体注入で、生理食塩水と比較して8%低下していたそうです。

もちろん、この研究のケトン体値は必ずしもすべての糖質制限をしている人が達成している値ではありません。どれくらいのケトン体値がタンパク質分解抑制、合成促進しているかはわかりません。

筋肉の材料のアミノ酸やエネルギー源として脂肪酸やケトン体が十分に供給されている状態であれば、わざわざ筋肉を壊してまでエネルギーを作り出す必要はないでしょう。

 

「Effect of beta-hydroxybutyrate on whole-body leucine kinetics and fractional mixed skeletal muscle protein synthesis in humans」

「ヒトにおける全身ロイシン動態および部分混合骨格筋タンパク質合成に対するベータヒドロキシ酪酸の効果」(原文はここ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です