内臓脂肪指数(VAI)を計算してみよう

内臓脂肪指数(Visceral Adiposity Index:VAI)というものがあります。このVAIは様々な心血管、代謝疾患と関連しており、その指数の増加は様々な疾患のリスク増加と関連すると考えられています。

様々な研究により、いくつ以上が異常な値なのかは異なっていますが、今回の論文では1以下は健康で、1より大きいほどリスクありとしています。

VAIの値で五分位に分けると最大の群では、冠動脈性心疾患や心筋梗塞、および一過性脳虚血発作や虚血性脳卒中の起こる可能性がそれぞれ、2.45倍と1.63倍になっていました。

この内臓脂肪指数を決定するパラメーターはBMI、腹囲、中性脂肪、HDLコレステロールであることが重要です。つまり、このリスクを予測する指数を計算するにはLDLコレステロールは関連していません。メタボリックシンドロームの診断基準にもLDLコレステロールは含まれていません。

しかし、なぜか医療機関ではLDLコレステロールが重要視されています。LDLコレステロールは、それを低下させる薬が存在しますが、HDLコレステロールを増加させる薬は存在しないからでしょう。中性脂肪値もHDLコレステロール値も糖質制限をすれば大きく改善することも、本当はわかっているからでしょう。中性脂肪とHDLの改善には治療行為はいらないのです。

中性脂肪を低下させ、HDLコレステロールを増加させることができれば、内臓脂肪は減少します。それを最も効率的に行えるのが糖質制限です。

では、みなさんの内臓脂肪指数を計算してみましょう。男女別になっていますのでご注意を。1以下を目指しましょう。恐らく糖質制限をしている人で、1を上回る人はいないと思います。

糖質過剰症候群

「Visceral Adiposity Index A reliable indicator of visceral fat function associated with cardiometabolic risk」

「内臓脂肪指数 心臓代謝リスクに関連する内臓脂肪機能の信頼できる指標」(原文はここ

3 thoughts on “内臓脂肪指数(VAI)を計算してみよう

  1. VAIが1.5にもなりました。主に中性脂肪のせいかと思います(約150)。
    しかし、LDLコレステロールがトリグリセライド(中性脂肪)の運搬に関係するとすれば、LDL(約170)とある程度はリンクする気もします。
    心筋梗塞の既往がありますが、薬のみ(現在はアスピリン、血圧、プロトンポンプ阻害薬)で特に他の制約はありません。家庭医には何故にスタチンを飲まない、責任問題になるから処方する、と言われています。しばらく、ロスバスタチンを飲んでみて1~2か月後に血液検査をしてみようかと考えています。(中性脂肪が下がるのを期待しています)
    糖質制限は多分7割くらいかと。家人の理解が得られません。

    1. はいぱーさん、コメントありがとうございます。

      主にLDLコレステロールはコレステロール運搬です。中性脂肪豊富なLDLは小さくて危険なsdLDLを増加させるでしょう。
      中性脂肪値150が空腹時のものであるのであれば、やはりもう少し糖質制限をちゃんとすることをお勧めします。
      家族の理解が得られると良いですね。

  2. 回答ありがとうございました。
    中性脂肪は空腹時(朝9時の計測)のものです。
    典型的な昼食は、ゆで卵1個+玉ねぎサラダ+鯖缶(オリーブオイル漬け)+6枚切りくらいのバター+チーズトーストですが、土日には家人が料理してチャーハンとかラーメンになってしまいます。努力しかないですね。
    新刊を楽しみにしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です