それにしても昨日の夏井先生の記事の中の写真は衝撃でしたね。コロナ療養ホテルの食事の写真です。パン、マカロニ、パスタ、ポテト、何か良くわからないピクルス、バターですよ。あるかないかわからないほどのピクルスは置いておいて、バター以外はすべて糖質。えっ、タンパク質なし?笑っちゃいけないけど笑っちゃうか、口を半分開けて唖然としてしまうか、どちらかでしょう。重症化促進弁当でしょうか?
どこの都市かはわかりませんが、どこも同じようなものでしょうけど、これまで見た中で最も酷い弁当です。以前の大阪はこんなものでした。(ここ参照)一方こんなホテルもあるんですね。白米は別として刺身がたっぷりです。(ここ参照)
もちろん、自宅療養者に届けられる食品も酷いです。(ここやここ参照)タダだから文句言うな!というところでしょうか?私なら食べるものがなくて断食状態になるでしょう。
病気のときの食事は治療です。食事を間違うということは、投与する薬を間違えることと同じです。明らかに糖質過剰の食事は間違っています。しかし、小さい時からみんな糖質過剰摂取が当たり前です。病気のときはお粥が日本では定番となっていて、病院でさえ手術後などにお粥が出ます。食事の教育、食育は大きく見直さなければならないと思います。
食育は非常に難しいです。何をどれだけ食べると良いのかという根拠が存在しないからです。厚労省は根拠もなくタンパク質、脂質、炭水化物の比率を決めていますが、ほとんどの人がこの比率で食事をしているにも関わらず、どんどん病気は増えています。肥満も増えています。そうすると、人間の体を作っているのは食事なので、食事が間違っていると考えることが普通ですが、なかなかその間違いは改善されません。
何を食べるべきか、何を食べないようにするべきかは、人間のこれまでの進化、そして人間が獲得してきた代謝のメカニズム、生理学的、生物学的事実に基づいて考えるべきです。
私は知りませんでしたが、2017年より札幌市内の小学校の児童と保護者の方に「食育通信 なごみの食卓」というものが配布されているらしいです。しかも1年に4回くらいも。
その中身を見て愕然としました。札幌市PTA協議会が後援していて「地産地消と食育通信」が目的らしいけれど、要は食育という名の北海道のお米の販促にすぎません。
その中身の一部を見てみましょう。
まずは札幌の某大学の栄養学の教授の話。「知っておきたい、太りずらいご飯!」と題した記事が載っています。
「ご飯はちゃんと噛んで食べると、太る食材ではありません。」
もちろん、咀嚼運動はエネルギーを消費しますが、そこまでのエネルギー消費になるのでしょうか?本当に噛んで食べれば太らないのでしょうか?データはどこから出てきたのでしょうか?ちゃんと噛めばインスリン分泌が大幅に減るのでしょうか?
「お米にはタンパク質が入っていることにも注目です。・・・日本人にとって古来より重要な「タンパク源」でもあったのです。」
この教授いつの時代の話をしているのでしょうか?日本人はいまだにタンパク質を得るのにお米が必要なのでしょうか?お米からタンパク質を得るのにその何倍もの糖質を摂取しなければなりません。栄養学は昭和初期で進歩が止まってしまっているのでしょうか?
他の記事も見てみましょう。某大学の名誉教授が糖質制限を批判しています。
「痩せるために糖質制限をするのは間違い。炭水化物を正しく取ることがきちんとしたダイエットにつながります」
あらら・・・
「脳にとって炭水化物は唯一のエネルギーです。ダイエットのため糖質制限をしていると、必要な栄養が脳に届きません。・・・グリコーゲンが足りなくなると、脳は次に筋肉にあるたんぱく質を分解して糖分を作りだそうとします。すると筋肉は減り、逆に太りやすくなるのです。」
完全に誤解と無知ですね。いまだに脳にとっての唯一のエネルギーが、炭水化物、ブドウ糖と信じています。救いようがない状態です。糖質制限で筋肉は減らないのはいくつもの研究で明らかになっています。
「眠たくなる原因や動きの鈍さ、疲れやすいということも低糖質に関係している」
「高脂肪・低炭水化物のほうが気分障害を起こしやすいという調査結果で、高脂肪食は腹持ちも悪く、イライラしがちに。逆に高炭水化物は腹持ちが良いので、気持ちも安定している」
調査結果がどのような人に対して、どのように調査されたのか、その結果も見ていないのでわかりませんが、人類が低糖質で眠くなり、動きが鈍くなり、疲れやすいのであれば、現在人類は存在しないでしょう。全く真逆です。私は朝食も摂らずに20~30kmでも走れますよ。
気分障害にはケトン食の有効性が言われています。糖尿病とうつ病や様々な精神疾患との関連も指摘されています。それに高脂肪食が腹持ちが悪いとは初めて聞きました。高炭水化物食では血糖値スパイクが起こり、血糖値はジェットコースターのように急上昇、急降下します。これで気持ちが安定するでしょうか?高炭水化物は腹持ちが良いのに、4時間後には空腹感を感じるのはなぜでしょうか?
もう一つ記事を見てみましょう。糖尿病学会の専門医の方の記事です。ここでもまたあの言葉が・・・
「私たちの思考や行動のコントロールを司る脳のエネルギー源はブドウ値だけ」
糖尿病の専門医になるとケトン体が作られなくなるのでしょうか?
さらにこの記事で最悪なのは「炭水化物」を推奨するだけでなく、「砂糖」まで推奨しているのです。
「適正量の砂糖は、私たちの大切なエネルギー源です。」
摂りすぎも、抜きすぎもダメで、1日25gを目標にすべきだと言っています。えー!砂糖なんてゼロで良いはずです。この目標値はWHOの指針では、砂糖の摂取を全体の摂取カロリーの10%までを推奨するとしつつも、5%より低ければさらに健康増進効果を得られる、というところから来たものでしょう。しかし25g摂れとは言っていません。少なければ少ないほど良いはずです。
そして、以前の記事「糖質を制限すると寿命が縮まる? 冗談のような研究」で書いた非常に質の悪い糖質制限反対派の論文を持ち出して、糖質の制限のし過ぎは良くないと書いています。糖質制限反対派は必ずと言っていいほどこの論文を引用します。一般の人にはわからないように、上手く結果だけを使えば、説得力があるからでしょう。
これらの記事は本当に食育なんでしょうか?
北海道のがんの死亡率は男性で全国第6位、女性で全国第3位です。(データはがん統計より)
糖質はがんのエサです。肥満もがんも糖質過剰症候群です。
糖質依存にさせるための英才教育でしょうか?一部の企業や産業の利益のために小学生に根拠のないウソの食育をすべきではありません。
「全粒粉パン信仰」が垣間見えますね。
鯖缶(水煮)あるいはサラダチキン(刺身やシャブシャブもいいですね)、
カットキャベツ・胡瓜(可能であればアボカドも)、ベビーチーズ、
温泉卵食べ放題、おやつにアーモンドやクルミ、スルメ 追加で岩塩やミネラルウォーター、コーヒー
気晴らしにゼロコーラ、シャトレーゼの糖質offスウィーツも。
などいかがでしょうか?
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
全粒粉云々の問題ではなく、このようなお弁当を作る人の知識の欠如、
病人に対する食事の重要性の認識の無さなど問題だらけです。
子供を保育園に預けているのですが、
連絡帳に書いた食事内容に主食がないのを見た園長から
「脳のエネルギーになる炭水化物も食べさせてあげてください」
と言われてしまったのを思い出しました。
仕方がないので、卵焼きをパンケーキとか書いたりしてごまかしていますが。
「糖は確かに身体に大切な栄養です。
だから血管内に常にスタンバイしているので
食事からとらなくても大丈夫なんですよ」
って言いたいですけど。
中山さん、コメントありがとうございます。
園長に栄養の知識を期待するのも難しいのかもしれませんね。
「脳はブドウ糖しかエネルギー源にできない」←未だにこういう陋劣なたわごとを恥ずかしげもなく言える人が大学教授なんかやっていられる、この国の科学界の現状を反映しているのでしょうか。それとも、「ヒトはなぜ太るのか」に対する見識だけが未だにこの体たらくのまま、なのでしょうか?この森谷って人は、以前から全く同じ論理を言い続けています。心底呆れます。
「脳はブドウ糖しかエネルギー源にできない」←未だにこういう陋劣なたわごとを恥ずかしげもなく言える人が大学教授なんかやっていられる、この国の科学界の現状を反映しているのでしょうか。それとも、「ヒトはなぜ太るのか」に対する見識だけが未だにこの体たらくのまま、なのでしょうか?この森谷って人は、以前から全く同じ論理を言い続けています。心底呆れます。
「日本人にとって古来より重要な「タンパク源」でもあったのです」←少なくとも、日本で稲作が始まったのは弥生時代以降のはずです。縄文時代の頃の我々のご先祖様は動物の肉を食べていました。動物の肉や卵こそが重要なタンパク源であるのに。
この教授はその歴史的事実を知らないか、そうでなければ知ったうえで平気で無視していることになります。虚偽です。こんなのでも大学教授になれるのでしょうか。心底呆れます。
こういう無知で愚かで恥知らずな連中に対しては、ただただ軽蔑するばかりです。それほどまでに日本人を病気にさせたいのでしょうか。
クリードンさん、コメントありがとうございます。
それぞれにそれぞれの事情があるのでしょう。事実や理論とは異なることを言うことで、その人には何らかの利益があるのでしょう。
お久しぶりです。ドクターの引用した記事を見ると、絶対に入院してはいけないと考えざるを得ません。糖質をとらない食事をしていれば、基本的には入院の可能性はありませんが、事故とか不慮の感染とかは避けられませんからね。そうなると断食するしかないかもしれませんが、今度はぶどう糖点滴という脅威がと考えると憂鬱です。それにしても、食育とか栄養学の常識は、まさに、第二次大戦の陸海軍と同じですね。機関銃の十字砲火に銃剣突撃していったり、空母と航空機が勝敗を分けるのに艦隊決戦を夢見たり。こういう状況を変えるのは至難のわざかもしれませんが、まずは、継続は力なりで糖質オフ、たんぱくと脂質たっぷりの食事を実践するしかありませんね。
齊藤克弘さん、コメントありがとうございます。
入院しないに越したことはありません。
点滴は通常、手術時は手術にもよりますが、ブドウ糖が入っていない点滴を使用していることが多いと思います。
しかし術後や食事ができない場合の点滴にはブドウ糖が入ってしまうでしょう。
術後などの一時的な点滴であれば500mlに21g程度のブドウ糖を数時間で点滴するので、炎症などの状態にもよりますが、そこまで血糖値が上がることはないかもしれません。
栄養学は本当にどうにかしてほしいですね。時代に追いついて欲しいです。