多くの人は脂肪肝を指摘されると、苦笑したような表情、反応を示します。ちょっと恥ずかしいのか、「太っている」と指摘されたような感じなのか、深刻さはありません。

しかし、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を放置することは当然良くありません。そのままでは進行し、場合によっては肝臓がんまで進行する可能性もあるからです。(図は原文より)

非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)はそのままだと非アルコール性脂肪肝炎(NASH)という状態になる可能性が高く、その中でも肝線維症を伴う場合もあります。そのうち何割かは肝硬変へと進行し、そのうち何割かは肝臓がんなります。しかし、肝硬変にならなくても肝臓がんに進行する場合もあります。

非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)に関連した肝臓がん患者のおよそ半分は肝硬変を伴っていません。そうすると発見が遅くなり、よりがんが大きくなったりステージが進んだ状態で発見される可能性も高くなるでしょう。

 

(図はここより、表は改変)

上の図はNAFLD患者1万人当たりの肝臓がんの有病率です。一番上が非肝硬変、その下が非肝硬変で男性、65歳以上、喫煙、糖尿病、ALT上昇(具体的な数値はわかりませんが恐らくは基準値の45以上だと思います)がある場合、3番目がそれに加えてインスリン使用の場合、一番下が肝硬変です。非肝硬変でも5つの危険因子が加わるとおよそ10倍肝臓がんになる可能性が高くなります。

下の表は非肝硬変NAFLDにおける肝臓がん有病率に関連する要因の多変量解析です。

オッズ比
年齢> 65歳3.37
男性2.57
糖尿病1.56
高血圧1.24
高脂血症0.95
肥満0.84
病的肥満1.06
喫煙者1.75
高ALT2.69

65歳以上、男性、糖尿病、喫煙、ALTの上昇は肝硬変が無くても脂肪肝の肝臓がんへの進行の可能性を高めます。本当は苦笑している場合ではなく、すぐにでも食事を改善すべきです。脂肪肝は糖質過剰症候群です。特に果糖の過剰摂取は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の原因だと考えられています。さらに、アルコールを摂取すれば肝臓にとってはダブルパンチ(表現が古い?)です。

当然、NAFLDは糖質過剰症候群であるので、肝臓がん以外にもその他のがんのリスクも増加してしまいます。(それについては次回以降に)

肝臓に脂肪がたまっているのはかなり強い人体からの警告です。ただの食べすぎ、肥満の兆候を示しているのではありません。それに気づいたとき、指摘されたときにすぐに食事を改善できるかどうかは個人それぞれです。

先延ばしにすることではありません。糖質制限を始めましょう。

 

「The Natural Course of Non-Alcoholic Fatty Liver Disease」

「非アルコール性脂肪肝疾患の自然経過」(原文はここ

4 thoughts on “脂肪肝は肝臓がんへ進行する可能性がある”
  1. 現代の食生活は、常に人間フォアグラのリスクはありますね。

    糖質制限で快適生活を続け、健康長寿でいたいものです。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      本当に脂肪肝への危機感はみなさん非常に低いですね。そして、多くの方がいまだ脂質の摂り過ぎが原因だと思っているでしょう。

  2. うちの職場のケアマネさん4人全員が脂肪肝ですが、誰一人として改善していません(皆さん健康診断で発覚しています)。
    でも、皆さん改善する気もないし、する方法も知らないし、このまま放置したらどうなるかの想像もしないのだと思います。
    口では「ショックだ~」とか「恥ずかしい~」とか言ってはいますが、危機感は感じているように思えません。
    危険な状態であると認識出来る日が来てくれたら良いのですが…。

    1. ミホさん、コメントありがとうございます。

      脂肪肝に対する認識は一般の人だけでなく、医師を含めた医療従事者でも同様だと思います。
      認識はちょっと食べすぎ、太りすぎ程度なんでしょう。

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