高インスリン血症と日本人のがん死亡

糖質はがんのエサです。がんは糖質過剰症候群です。糖質過剰摂取をしているとインスリン抵抗性を招き、インスリン分泌能があれば、空腹時でもインスリンが高くなってしまいます。

今回の研究では高インスリン血症と日本人のがんによる死亡のリスクを分析しています。対象は1994年から2012年の間に健康診断と75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を受けた12,238人で、平均年齢66.7歳の男性5,586人、平均年齢68.1歳の女性6,652人です。

OGTTの結果により正常、前糖尿病、糖尿病に分けたところ、がんによる死亡リスクは正常の人を1として、前糖尿病で1.46倍、糖尿病で2.05倍でした。

次に空腹時のインスリン値で3つのグループに分けました。最も低いグループの平均値は3.1μU/mL、中間が5.8、最も高いグループが11.3でした。

最も低いグループと比較して、中間のグループでは有意差はありませんでしたが、最も高いグループは約1.5倍のがん死亡率でした。

空腹時のインスリンが1μU/mL増加あたりがん死亡リスクは4%ずつ増加していました。

糖質過剰摂取では高血糖となり、インスリンやIGF-1が増加します。これらはがんの増殖を促進します。

様々な疾患と高インスリン血症やインスリン抵抗性がかかわっているにも関わらず、インスリン値は通常測定されることはありません。空腹時のインスリン値の基準値は検査機関にもよりますが、2.2~12.4μU/mL程度です。基準値というのは一定の基準を満たす健常者を基準個体 として、その測定値の中央95%の区間を基準範囲としています。しかし、今回の研究で最も高いグループの平均値は11.3であり基準値に収まっています。つまり、基準値であっても高めの数値ではリスクは高いのです。健康と思い込んでいる人でもかなりの割合でリスクの高い人が含まれていることになります。基準値の収まっていれば健康なわけではありません。せめて10未満でしょう。できれば5以下でしょう。

インスリン過剰分泌、インスリン抵抗性を起こさないためにも糖質制限ですね。

 

「Increased cancer mortality among Japanese individuals with hyperinsulinemia」

「高インスリン血症の日本人におけるがん死亡率の増加」(原文はここ

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