比較的若い頃での脂質と血糖値はアルツハイマー病に関連する

アルツハイマー病は糖質過剰症候群であり、3型糖尿病です。現代のように糖質過剰摂取を続けているとますます認知症の人が増加するでしょう。

今回の研究は私は驚きはしませんが、糖質過剰摂取をしている人は驚く結果でしょう。認知症は30代から始まっているかもしれません。

5,124人を対象に、認知症発症のリスクを分析しました。これらの参加者は、1971年から現在まで平均4年ごとに検査され、合計10回の検査が行われました。成人初期(35~50歳)、中期(51~60歳)、後期(61~70歳)の年齢層の参加者の平均追跡期間は、それぞれ35.2年、25.8年、18.5年でした。(図は原文より、表は原文より)

グループ(年齢範囲(年))
成人初期(35–50)中期(51–60)後期(61–70)
危険因子HRHRHR
HDL-C0.850.820.89
中性脂肪 1.331.121.05
血糖値1.071.151.07
拡張期血圧1.050.951.14

上の表は年齢層別のアルツハイマー病発症の危険因子です。成人初期ではHDLコレステロールが高いほどリスクが低下し、中性脂肪が高いほどリスクが増加しています。中期ではHDLコレステロールが高いほどリスクが低下し、血糖値が高いほどリスクが増加しています。後期では拡張期血圧が高いほどリスク増加しています。

HDLコレステロールの15mg/dLの増加毎に、成人初期および中期のグループでそれぞれ15.4%、17.9%のアルツハイマー病リスクの減少を示すことになります。中期では血糖値が15mg/dL増加するごとに、リスクが14.5%増加します。

さらに、アルツハイマー病だけでなく、すべての原因による認知症の発生率と成人初期の中性脂肪の増加のリスクは1.23倍、中期の血糖値の増加のリスクは1.13倍、後期の拡張期血圧の増加のリスクは1.15倍でした。

上の図はアルツハイマー病を発症せずに生存していられた累積確率です。上から成人初期、中期、後期です。横軸は年数です。左側の図の色分けは血糖値の値で赤が100未満、緑が100~125、青が126以上です。右側の図の色分けは赤が100未満、青が100以上です。糖尿病前症(糖尿病予備軍)(100-126mg/dL)、糖尿病(>126mg/dL)の範囲の血糖値の人では早期にアルツハイマー病が発症する可能性が高いことを示しています。

35歳~50歳という比較的若い年齢層でさえ、HDLコレステロールの低下や中性脂肪の増加、51歳~60歳の血糖値の上昇は、その数十年後のアルツハイマー病発症と有意に関連しています。

HDLコレステロール値、中性脂肪値、血糖値を無視して30代で好きなもの食べている生活を送れば、その後認知症を発症する可能性が高まるかもしれません。

HDLコレステロールの低下、中性脂肪の増加、血糖値の上昇をもたらすのは、当然糖質過剰摂取です。この3つの検査項目は非常に重要です。健康診断などでこのうち一つでも異常値があればすぐに糖質制限をした方が良いでしょう。しかし、基準値に収まっていても安心はできません。HDLコレステロールと中性脂肪の基準値の範囲が広すぎるので、ぎりぎりでは問題でしょう。HDLコレステロール60以上、中性脂肪80以下を目指しましょう。

 

「Midlife lipid and glucose levels are associated with Alzheimer’s disease」

「中年期の脂質と血糖値はアルツハイマー病に関連しています」(原文はここ

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