通常、食事をすると中性脂肪値がある程度長い時間上昇します。血液検査で中性脂肪値を測定する場合は空腹時が推奨されています。しかし、以前の記事「非空腹時中性脂肪と虚血性脳卒中のリスク」「非空腹時の中性脂肪値とLDLコレステロール値と心不全リスク」「絶食時ではない中性脂肪値上昇も危険性がある」などで書いたように、非空腹時の中性脂肪値が上昇しすぎるのもやはりリスクとなります。

今回の研究では、採血の8時間以上前に最後の食事をした空腹群20,118人と採血前8時間以内に食事をした非空腹群6,391人の45歳以上のベースラインでは健康な女性を対象に、平均11.4年追跡しました。(図は原文より)

上の図はベースラインの特徴です。空腹群と非空腹群の両方で、中性脂肪値が高い女性は、他の心臓の危険因子とメタボリックシンドロームのマーカーを持っている可能性が有意に高くなっていました。中性脂肪値が高いことは糖質過剰症候群、インスリン抵抗性を示していることを考えれば、当然でしょう。

上の図は中性脂肪値を3つのグループに分けたときの心血管疾患の発症リスクです。上側が空腹群、下が非空腹群です。様々な因子で調整すると空腹群では中性脂肪値との関連は有意ではなくなりましたが、一方非空腹群では中性脂肪値が171mg/dL以上だと104以下と比較して約2倍リスクが高くなっていました。

 

上の図は絶食時間による違いです。中性脂肪値と将来の心血管イベントとの関連は絶食時間が最も短い2~4時間で最も高くなっていました。恐らく食後のの中性脂肪値のピークはこの時間でしょう。食事は中性脂肪値を上昇させますが、やはりTG(中性脂肪)スパイクが大きいことはリスクが高いことを意味していると考えられます。

上の図は個々の疾患のリスクです。最も有意にリスクの高いのは虚血性脳卒中(脳梗塞)でした。

上の図はHDLコレステロールの違いによるリスクの違いです。HDLコレステロールが50mg/dL以上の場合、非空腹群でのみ、中性脂肪が150以上だとリスクが高くなっていました。HDLコレステロールが50未満だと両方のグループでリスクは高くなっていましたが、非空腹群の方がリスクは高く、中性脂肪値が150以上のグループの方がよりリスクが高くなっていました。

つまり、非空腹時の高中性脂肪、低HDLコレステロールは心血管疾患のリスクが非常に高くなると考えられます。高中性脂肪、低HDLは糖質過剰摂取によって起こります。

もちろん、この研究はベースラインの中性脂肪値でグループを分けて分析しているので、その直前の食事内容が標準化されておらず、食事によって大きく変化する可能性はあります。しかし、糖質制限をしていれば個人差は大きいかもしれませんが、脂質を多く摂っても中性脂肪値のピークは下がると思われます。

やはり、糖質過剰摂取をしている人で、非空腹時であっても中性脂肪値が150を超えているのであれば、要注意であり、糖質制限をした方が良いと思われます。心血管疾患は糖質過剰症候群です。

 

「Fasting Compared With Nonfasting Triglycerides and Risk of Cardiovascular Events in Women」

「非空腹時と空腹時の中性脂肪の比較および女性の心血管イベントのリスク」(原文はここ

One thought on “非空腹時の中性脂肪値と心血管イベントのリスク”
  1. 糖質過剰摂取の結果が脳梗塞などによる要介護状態だとすれば、             余りに代償が大きいですね。

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