インスリン抵抗性と心血管疾患の発症年齢との関連

心血管疾患は本当にLDLコレステロールが原因でしょうか?リスク要因でしょうか?最も危険なのはインスリン抵抗性であり、糖質過剰摂取だと私は考えています。

今回の研究ではベースラインのリスク因子とその後の心血管疾患の発症を年齢層別に分析しています。対象は97,841人で、追跡期間の中央値は12.99年です。追跡期間の間に7,587人 (7.76%) で心血管疾患が発生しました。(図は原文より)

上の図は心血管疾患発症年齢層における臨床的危険因子と心血管疾患のリスクとの関連です。糖尿病は、55歳未満で心血管疾患発症の相対リスクが最も高く、リスクは4.08倍でした。55歳以上の発症では、高血圧の相対リスクが最も高く、2.61倍で、年齢とともにリスクは減少し、75歳以上の発症リスクは1.59倍でした。

55歳未満ではメタボリックシンドローム3.38倍、過体重または肥満1.71倍、脂質異常症1.62倍、喫煙1.49倍であり、これらも年齢とともに減少しました。

上の図は脂質によるリスクです。55歳未満では1SD増加毎に、総コレステロール1.33倍、中性脂肪1.15倍、HDLコレステロール1.14倍、非HDLコレステロール1.32倍、レムナントコレステロール1.31倍で、年齢とともに減少します。しかし、LDLコレステロールと総コレステロール/HDLコレステロール比は心血管疾患の関連について有意差は認められませんでした。現在最も医療の中で注目されているLDLコレステロールは関係ないのです。

インスリン抵抗性を表す、中性脂肪/HDLコレステロール比は55歳未満では有意差なく、55歳以上では有意な差で55~65歳では1.14倍でした。

上の図は代謝や炎症系のマーカーです。

中性脂肪と血糖値からわかる、インスリン抵抗性を反映するTyGインデックス(「中性脂肪値と血糖値だけで様々な疾患のリスクを評価できる」参照)は55歳未満の心血管疾患発症リスクは1SD増加毎に1.42倍になっていました。他にもFBG(空腹時血糖)は1.31倍、尿酸値1.14倍、CRP1.12倍、好中球1.07倍でした。

腎機能を表すeGFRは負の関連で、eGFRが高いほどリスクは0.78倍低くなっていました。

 

一般的に信じられているLDLコレステロールではなく、臨床要因のうち、55 歳未満の参加者では糖尿病が心血管疾患のリスクが最も高く、高血圧、メタボリック シンドローム、過体重または肥満、脂質異常症、喫煙も強い危険因子でした。喫煙以外はまさに糖質過剰症候群。それ以外のマーカーでも、インスリン抵抗性を表すTyGインデックスが最もリスクが高くなっていました。

心血管疾患は糖質過剰症候群であり、実際の糖質過剰摂取の有害性が、LDLコレステロールにすり替えられ、LDLコレステロールが高いことがリスクおよび原因であると思い込まされてしまいました。しかし、様々なデータはLDLの有害性はほとんど示さず、ほとんどが糖質過剰摂取により起こることばかりがリスク要因として示されています。

心血管疾患予防には糖質制限でしょう。

 

「Association of lipid, inflammatory, and metabolic biomarkers with age at onset for incident cardiovascular disease」

「脂質、炎症、代謝バイオマーカーと心血管疾患の発症年齢との関連」(原文はここ

 

 

 

 

2 thoughts on “インスリン抵抗性と心血管疾患の発症年齢との関連

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      今の医療の一部は、何とか教会と同じです。恐怖や不安を煽って、その解決策を提示しますが、
      それは本当の解決策ではありません。そう洗脳するだけです。
      ワクチンもスタチンも霊〇商法のようなものです。これからは糖質教会とでも呼んだ方が良いかもしれません。

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