渡辺徹さんのご冥福をお祈りいたします

コメントをいただきました。

渡辺徹さんの訃報が報じられました。
「太陽にほえろ!」でデビューされた頃とは打って変わって
晩年(お若いですが)は透析治療も受けていたそうです。

ご冥福をお祈りいたします。

渡辺徹さんは私の青春のど真ん中に活躍されていました。キョンキョンとのグリコ「アーモンドチョコレート」のCMは印象的でしたし、CMソングの「約束」も何度も口ずさんでいました。しかし、30歳で糖尿病となっています。その時の血糖値は600ともいわれています。

1991年糖尿病
2012年心筋梗塞
2013年急性膵炎
2016年慢性腎不全
2021年大動脈弁狭窄症

と、糖質過剰症候群のオンパレードだったようです。

渡辺徹さん死去 61歳 敗血症 病気と闘った半生 10月舞台はほっそりした姿 榊原郁恵とおしどり夫婦

12/2(金) 10:15 (記事はここ

俳優でタレントの渡辺徹(わたなべ・とおる)さんが11月28日午後9時1分、敗血症のため都内の病院で死去した。61歳。茨城県出身。所属した文学座によると、11月20日に発熱、腹痛などの症状が出たため、都内の病院で検査を受け、細菌性胃腸炎と診断され、入院していた。その後、敗血症と診断され、治療を受けていたが、回復しなかったという。葬儀・告別式を家族葬で行い、後日、お別れの会を予定している。

妻は歌手の榊原郁恵(63)で、おしどり夫婦として知られていた。榊原と長男で俳優の渡辺裕太(33)は会見の場を設けるという。

渡辺さんはドラマ「太陽にほえろ!」に新人刑事・ラガー役で出演し、アイドル的人気者となった。ただ、30歳のころから糖尿病を患い、近年も病気で舞台降板するなどしていた。

最近も仕事をしており、10、11月に東京、大阪、宮城で上演された舞台「今度は愛妻家」に出演。会見ではタイトルにちなみ榊原への感謝の思いを語っていた。以前よりほっそりした印象を報道陣に指摘されると「役者バカですから、これまでも役によって太ったり、太ったり、太ったりしてました」と笑わせていた。

1981年に文学座研究生となり、同年に20歳で「太陽にほえろ!」でデビュー。演じた新人刑事の竹本淳二は、ラグビー部出身のため愛称は「ラガー」。二枚目のルックスも相まって一躍人気を集め、劇中で殉職する85年まで4年間出演した。歌手としても活動し、82年の「約束」はグリコ「アーモンドチョコレート」のCMソングとしてヒット。明るいキャラクターからバラエティー番組の司会者としても活躍した。

私生活では87年に2歳年上の榊原と結婚。84年のドラマ「風の中のあいつ」での共演を機に交際に発展。スター同士の結婚は大きな話題となり、推定3億円とされる結婚披露宴は日本テレビで生中継され、40・1%の高視聴率を記録した(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。結婚後はテレビ共演も多く、芸能界を代表するおしどり夫婦として知られた。長男の渡辺裕太(33)も俳優として活躍している。

一方で、若い頃から健康面に不安があった。刑事役でのデビュー時は走り込んでいたためスリム体形だったが、本来はポッチャリ。マヨネーズが大好きな“マヨラー”で、1日6000キロカロリーを摂取するのも当たり前の大食漢だった。こうした影響からか、30歳で2型糖尿病を発症急激なダイエットやリバウンドを何度も繰り返していた。また、糖尿病を起因とする慢性腎不全のため人工透析を受けていた

2012年に虚血性心疾患と診断され、6時間にも及ぶ手術を受けた。当時は榊原が健康面を考えて料理をつくっていたが、隠れて暴飲暴食を続けていたことが発覚。生活を改めることを誓った。翌13年にも膵炎(すいえん)で入院。昨年4月にも大動脈弁狭窄(きょうさく)症の手術を受けた

ブログの最後の更新は先月19日。秋田県内で心臓病に関するフォーラムにゲスト参加し、食べた駅弁について報告していた。

61歳。若いですね。非常に残念です。おそらくは栄養指導を受けていたでしょうけど、それはエネルギー制限食(カロリー制限食)でしょう。以前は本当にひどい食事だったようです。本当かどうかわかりませんが、1日6食で、1.5リットルのコーラを1日6本飲む、カルピスを原液で飲む、などのエピソードも目にします。しかしある記事には次のように書かれていました。

ダイエットも、いろいろ試してみたんですよ。ワカメダイエット、バナナダイエット、ゆで卵ダイエット、プロテインダイエット……。どの方法も、確かに3~5㎏程度、自分が立てた目標までは痩せるんです。でも、目標を設定するということはゴールがあるから、達成するとごほうびをあげたくなる。リバウンドを起こしてしまう。ダイエットするたびに、太ってきたわけです。

結局、ダイエットといっても、こんなまずは効果のないダイエットばかりなんですよね。そして、家庭の料理もエネルギー制限食だと満足感が得られず、糖質依存症であれば、隠れて糖質を摂っていたのでしょう。本来は目標も体重減少が目的ではなく、健康になることが目的です。食事を変えて健康になったのであれば、それを維持しなければなりません。食事を戻せばすべて戻ります。エネルギー制限ではずっとそれを維持することは難しいです。目標設定自体が間違っています。さらに、このような話になるといつもマヨネーズは悪者扱いですが、マヨネーズが高脂肪、高カロリーだから悪いというのは間違っています。(確かに多くは悪い油を使っていますが)マヨネーズだけでは太りませんし、糖尿病にもならないでしょう。

大動脈弁狭窄も実際のところはアテローム性動脈硬化症と同様なので、糖質過剰症候群だと考えます。糖尿病と大動脈弁狭窄症の関連を指摘する研究はたくさんあります。

今回の研究では糖質過剰摂取により生成されるAGEs(終末糖化産物)と大動脈弁狭窄症との関連についてです。対象は重度の大動脈弁狭窄の患者126人で、50人は2型糖尿病があります。平均年齢は68~70歳、BMIは28~31程度です。糖尿病群の平均HbA1cは6.8、空腹時血糖は135でした。

大動脈弁尖の厚さは、糖尿病群の方が非糖尿病群と比較して分厚くなっていました。(図は原文より)

上の図は上側が非糖尿病、下が糖尿病の大動脈弁で、AGEs、AGE受容体(RAGE)、活性酸素種(ROS)などを示しています。大動脈弁のAGEsは非糖尿病患者と比較して糖尿病で 6.6 倍高く、AGE受容体1.8 倍高く認められました。ROSも糖尿病に多く認められました。

上の図は大動脈弁のAGEsやRAGEの割合とHbA1cや大動脈弁狭窄の重症度との関連を示しています。aおよびcのように、HbA1cが高いほど大動脈弁のAGEs、RAGEの割合は高く、bに示すように、短い期間の平均血糖値を表すフルクトサミンが高いほど大動脈弁のAGEsの割合は高くなっていました。またdおよびfのように大動脈弁のAGEsの割合が高いほど、弁口面積は小さくなり、圧の較差は大きくなっていました。つまりこれらは大動脈弁狭窄の重症度が大きくなることを意味しています。また、eに示すようにHbA1cが7%よりも高い群では7以下よりも有意にAGEsの割合は高くなっていました。

また、糖尿病群では非糖尿病群と比較して12倍高い血中のAGEs 濃度を認めました。そして糖尿病では血中のAGEsは大動脈弁狭窄の重症度と関連していました。

渡辺徹さんは急性膵炎にもなっていますが、これを高中性脂肪性の急性膵炎だとすると、中性脂肪/HDLコレステロール比が急性膵炎の重症度と正の相関があるという研究もあります。(論文はここ)中性脂肪/HDLコレステロール比はインスリン抵抗性を示しています。

もちろん心筋梗塞もLDLコレステロールではなく、糖質過剰摂取が原因です。

管理栄養士の栄養指導は今の医療の世界では正しいと思い込まれていますが、実際には多くの患者を苦しめている可能性が高いと思います。食事は最重要です。食事で代謝が大きく変化することを考えれば当然です。食欲がないときに何でも食べられるものを食べるとか、人間のメカニズムを無視した低脂質やエネルギー制限の食事が体に良いわけがありません。古典栄養学しか学んでいない栄養士の話は聞いても何の良い効果もないでしょう。もちろん、余程ひどい食事をしていた場合には、それよりは栄養士の食事の方がマシなので、ある程度の改善は得られますが、管理栄養士に従っても、糖尿病が進行し、人工透析にまでになる人は多いのです。

今回の渡辺さんの死因は敗血症です。もしかしたら、逆流性食道炎もあり、PPI(プロトンポンプ阻害薬)を長期に使っていたのでしょうかね?PPIはクロストリジオイデス・ディフィシル感染による死亡率を上昇させる可能性があります。(ここ参照)逆流性食道炎も糖質過剰症候群です。

そうでなくても、糖尿病では免疫機能が低下してしまいます。炎症も起こしやすい状態です。

糖質怖いですね。糖質過剰摂取を侮ってはならないと思います。食事なんかで病気が治るわけがないと思っている人も多いかもしれません。しかし、食事を改善せずに薬で数値だけを良く見せても、その裏側ではどんどん病気は進行していきます。それは原因が改善していないからです。糖質制限で治る、改善する病気はたくさんあります。

まずは糖質制限です。

渡辺徹さんのご冥福をお祈りいたします。

 

「Accumulation of advanced glycation end products (AGEs) is associated with the severity of aortic stenosis in patients with concomitant type 2 diabetes」

「終末糖化産物 (AGEs) の蓄積は、2 型糖尿病を併発している患者における大動脈弁狭窄症の重症度と関連している」(原文はここ

2 thoughts on “渡辺徹さんのご冥福をお祈りいたします

  1. 大動脈弁狭窄も、早めの受診推奨の
    TVCMが盛んです。
    手術したくてしょうがないんだろうな。
    と邪推してしまいますが、
    本当に患者の利益を考えるなら
    まず食事改善、糖質制限推奨
    なのでは?と思うのですが。

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      現在大動脈弁置換は胸を開けなくてもできるようになったので、その宣伝でしょう。
      必要なのは症状が出る前からの糖質制限でしょう。

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