日本内科学会雑誌 2023.1月号には「PPIの功罪」という特集が組まれました。その中でPPI(プロトンポンプ阻害薬)と胃がんに関連についても書かれています。そこには2017年の香港からの論文で、ヘリコバクターピロリの除菌治療後、PPI服用者は非服用者の2.44倍胃がんのリスクがあること(「PPI(プロトンポンプ阻害薬)はピロリ菌根絶後の胃がんのリスクを高める」参照)や、スウェーデンの論文で約80万人の180日以上のPPI服用者の胃がんの発生率が3.38倍あること(「PPI(プロトンポンプ阻害薬)は胃がんのリスクを高める」参照)などが書かれています。
つまり、内科医はPPIは胃がんのリスクを大きく増加させることを知りながら、非常に多くの人に長期に処方を続けているのです。多くの内科医のPPI処方は不適切です。本当に不適切です。最少量で最短で処方すべきPPIがどれだけの患者に長期投与されているか。また、どれだけの患者がPPIと胃がんをはじめ、がんとの関連の説明を受けているでしょうか?恐らく皆無に近いのではないでしょうか?
22 件の研究のメタアナリシスでも、下の図のようにPPIの長期使用は胃がんの可能性が1.94倍になりました。(図は原文より)
下の図のように部位別では非噴門部がんの可能性が2.53倍と噴門部がんの1.79倍よりも高くなりました。
PPIの使用歴別で見てみましょう。
上の図のように、1年未満で胃がんの可能性は6.33倍、1年以上3年以下で1.82倍、3年を超えると1.25倍です。
上の図はヘリコバクターピロリ除菌後の胃がんの可能性です。2.29倍です。ピロリの除菌にもかかわらず、胃がんに対するPPIの長期使用によるリスク増加は変化しないことが示されました。
もちろん、絶対リスクはものすごく高いわけではありませんが、不必要なPPIの使用は慎むべきです。特に逆流性食道炎で長期に使用すべきではないでしょう。逆流性食道炎は糖質制限でほとんど改善します。(「糖質制限と逆流性食道炎の改善」「逆流性食道炎の発症の予測因子は糖質過剰摂取」など)
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による胃の障害の予防のPPIでも、本来はNSAIDsは急性期に一時的に使用するものです。これを慢性的に使用しなければならないのは、根本の原因に対処していないからでしょう。
がんもPPIが必要ないくつかの病気も糖質過剰症候群です。糖質制限で様々なリスクを減少させましょう。
「Use of proton pump inhibitors for the risk of gastric cancer」
「胃がんのリスクに対するプロトンポンプ阻害剤の使用」(原文はここ)
「専門家」とは?
知識で人を救う人ではなく
知識を利用して儲ける人?
今日も今日とて、
管理栄養士様が、
「管理栄養士として1日一食は
推奨出来ない。
必要な栄養が摂れない、
食後血糖値が上がり危険」
など情報発信されて、
「バランス良く」推奨でした。
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
栄養士はAIで十分ですね。でもAIも「バランスの良い」食事を推奨するかもしれませんが。