糖質入りドリンクの大量摂取は若者の骨密度を低下させるかもしれない　その1

若い人たちでも、この夏の暑い中、何のためらいもなく、脱水予防だと信じてスポーツドリンクを飲んでいる人がいます。そんなに簡単に脱水になんてならないのに、マスコミや企業に信じ込まされています。

今回の研究は、糖質入りドリンクと若者の骨密度との関連を調べています。ただし、データは食事アンケートなので質は低いですが、糖質入りドリンクの摂取頻度と量ぐらいは覚えている可能性も高いかもしれません。対象は18～23歳の6,620人の若者です。牛乳、コーヒー、天然のジュースは糖質入りドリンクから除外されています。（表は原文より改変）

上の図は骨密度や糖質ドリンクの摂取量などです。全身および腰椎の平均骨密度は1.2 g/cm2でした。糖質ドリンクの平均摂取頻度は1.6回/日で、1日の平均摂取量は281.5 mLで、総エネルギーの5.9%を供給していました。糖質ドリンク摂取量が最も多い3分の1の人は平均3.4回/日摂取し、1日の摂取量は629.0mLで、エネルギーの11.4%でした。

1日の糖質ドリンク摂取頻度の最も多い（2.1～16.7回/日）3分の1の人では、腰椎骨密度低下とわずかに関連が認められました。

それ以外では関連はありませんでした。ちょっと微妙です。

もう一つの研究を見てみましょう。韓国の12～25歳の青少年および若年成人2499人が対象です。この研究では糖質ドリンクの中でも、コーラを飲むかどうかで骨密度との関連を分析しています。

女性では有意差がありませんでしたが、男性では、コーラ飲用者ではコーラを飲まない人と比べて、全身の骨密度は4％、大腿骨全体では5％、大腿骨頸部の骨密度は5％低くなっていました。10代や20代の若者の骨密度の低下は将来更なる問題を起こす可能性があるでしょう。

糖質ドリンクの摂取頻度が多い場合、その分高血糖や高インスリン血症になる頻度も増加します。そして、通常の食事やドリンク以外の間食も考えたら、1日に何度も血糖値スパイクを起こしているでしょう。それらのことが骨密度を低下させる可能性があります。

水分補給に糖質は必要ありません。

次回以降では、もっと若い子供たちについて書きたいと思います。

「High Consumption of Sugar-Sweetened Beverages Is Associated with Low Bone Mineral Density in Young People: The Brazilian Birth Cohort Consortium」

「砂糖入り飲料の大量摂取は若者の骨密度低下と関連している：ブラジル出生コホートコンソーシアム」（原文はここ）

「Associations between cola consumption and bone mineral density in Korean adolescents and young adults: a cross-sectional study using data from the Korea National Health and Nutrition Examination Survey, 2008-2011」

「韓国の青少年および若年成人におけるコーラ摂取と骨密度の関係：2008～2011年の韓国国民健康栄養調査のデータを用いた横断的研究」（原文はここ）