SGLT2阻害は老化細胞を除去し病的な老化を軽減する?

糖尿病薬の比較的新しい薬である、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬について、最近多くの有益性を示す研究が出されています。マーケティングの一部だと思いますが。これらの薬の有益性は、メトホルミン以外の他の糖尿病薬があまりにも見かけの数値を改善しているだけのショボい薬なので、その薬と比べれば有益であるというのに過ぎないのでしょう。

今回の研究は、動物実験ですが、SGLT2阻害が老化細胞の除去を促進し、それによって加齢に伴う表現型の変化を改善することを示しています。内容は難しいので、興味のある方はご自身で読んでみてください。

メカニズムの一つはSGLT2阻害によるAMPKの活性化です。AMPK-mTOR経路はオートファジーに非常に重要です。

でも、AMPKを活性化、mTORを抑制することが良いのであれば、断食や糖質制限、運動でもAMPKは活性化されるので、断食や糖質制限がもっと推奨されるべきです。

薬によって起きる有益な効果のメカニズムは、すでに糖質制限で起きることがわかっています。ずっと我々はそのことを知っています。しかし、薬は良いけど、糖質制限はダメ。なぜでしょうか?

GLP-1受容体作動薬も同様です。糖質制限をすればGLP-1は増加します。(「糖質制限でケトーシスになっている人が糖質制限を止めたらどうなる? その3」参照)わざわざ薬を飲んだり、注射する必要はありません。

なぜわざわざ医師は、血糖値を上げて、インスリンを過剰分泌させて、AMPKを抑制して、mTORを活性化して、GLP-1を低下させるとわかっている食事を推奨するのでしょう。これらの現象が起きて困る、病気になる、でもその原因の食事はそのまま。おかしいでしょ?わざと有害な代謝を起こさせて、それを改善するような薬をいくつも投与するのが現代の医療です。

糖質制限をすれば、血糖値もあまり上がらない、インスリン分泌も穏やか、AMPKも活性化し、mTORも抑制され、GLP-1も増加し、体重も減少し、中性脂肪も低下し、HDLコレステロールも増加する。良いことばかりですが、なぜ、この食事が強く推奨されないのでしょうか?薬で起きている現象は肯定的に受け止められるのに、同じ現象が食事で起きてしまうと否定的な捉え方になる。しかも糖質制限なら、食事を変えるだけで、いくつもの薬のいくつもの有益な現象が同時に起きます。薬の副作用もありません。

医療業界はこんな素晴らしい食事が推奨されると困るのです。医師は薬を用いないと治療している気分になれません。食事を改善されたら、患者が患者のままでいてくれなくなります。

だから、食品業界と共に、糖質は必須の栄養素、必須のエネルギー源だという洗脳をずっと続けます。依存性の高い糖質を食べさせ、病気になっても糖質をやめられない状態にしたいのです。糖質を制限すること自体が人間にとって有害だと思わせたいのです。

病気のままでいることも自由です。糖質を摂取することも自由です。でも医療から解放されることを望むのであれば、食事を変えることをお勧めします。糖質制限をし、運動し、太陽を浴びましょう。

「SGLT2 inhibition eliminates senescent cells and alleviates pathological aging」

「SGLT2阻害は老化細胞を除去し、病的な老化を軽減する」(原文はここ

2 thoughts on “SGLT2阻害は老化細胞を除去し病的な老化を軽減する?

  1. 「でも、AMPKを活性化、mTORを抑制することが良いのであれば、断食や糖質制限、運動でもAMPKは活性化されるので、断食や糖質制限がもっと推奨されるべきです。」
    素晴らしい!
    ですが、お金にはならないので
    推奨されないのでしょうか?

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      もちろん、お金にならないので推奨されません。

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