以前の記事「高身長とがんのリスク」でも書いたように、身長が高い人はがんを発症するリスクが高くなります。
今回の研究では、イギリスのミリオン・ウィメン・スタディに登録した1,297,124人の女性が対象です。登録時の平均年齢が56.1歳で、追跡期間の中央値は女性1人あたり9.4年、合計1,170万人年であり、その間に97,376件の新規がんが報告されました。(図は原文より)
上の図は身長別の全てのがん発症の相対リスクです。155cm未満(平均153cm)と比較すると平均身長174cmではがんのリスクが1.37倍です。身長10cmの増加につき1.16倍になる計算です。
上の図は、17の様々ながんの身長の10cm増加あたりの リスク比を示しています。
結腸で1.25倍、直腸1.14倍、悪性黒色腫1.32倍、乳房1.17倍、子宮内膜1.19倍、卵巣1.17倍、腎臓1.29倍、中枢神経系1.20倍、非ホジキンリンパ腫1.21倍、白血病1.26倍です。
小児期と青年期のインスリン様成長因子IGF-1レベルは骨格の成長と強く関連しています。身長が高いということは、IGF-1などの成長因子が多かったり、それに対する感受性が高いと思われます。成人してからもその感受性の高さはがん化に向かうと考えられます。
さらに糖質過剰摂取によるインスリン過剰分泌、牛乳などによるIGF-1の増加ががんを促進する可能性があるでしょう。
私はちんちくりんで、身長が低いのですが、身長の高い方は特に食事に気を付ける必要があるでしょう。
がんは糖質過剰症候群です。
「Height and cancer incidence in the Million Women Study: prospective cohort, and meta-analysis of prospective studies of height and total cancer risk」
「ミリオン・ウィメン・スタディにおける身長とがん発症率:前向きコホート、および身長と総がんリスクの前向き研究のメタアナリシス」(原文はここ)