尿酸値を下げる薬のダークサイド その2 腎機能低下軽減効果なし

ロバートケネディJrさんが厚生長官に承認されました!これで医療の世界がひっくり返るかもしれません。製薬会社は戦々恐々としているでしょうね。これから大変革が起きる可能性があります。これまで人為的に作り出されてきた様々な疾患のおかげで仕事をしてきた、我々医師にとっては決して居心地の良い世界が待っているわけではありませんが、人類にとっては絶対に良い方向に向くはずです。

医学の教科書の多くが改訂を余儀なくされるかもしれません。そして、エビデンスと言われてきた今回の記事の内容のような、どうしようもない論文はどんどん撤回されて、EBMも崩壊するかもしれません。製薬会社は研究にお金をつぎ込むことができなくなり、意味のない研究が激減する可能性もあるでしょう。

さて「その1」では、心血管イベントのリスク、クレアチニンが2倍になるか末期腎不全になるリスクも、尿酸値を下げる薬であるアロプリノール群の方が多い傾向であること、有意差はないとはいえ、尿酸値の低下は腎臓になんら良い影響は与えないというよりは、むしろ悪い方に影響しているようにも見えることを書きました。

今回はもう一つの尿酸値を下げる薬である、フェブリク(フェブキソスタット)についてです。慢性腎臓病ステージ3を合併した高尿酸血症患者の腎機能低下に関するフェブキソスタット対プラセボのランダム化比較試験であるFEATHER研究です。フェブキソスタット群219人とプラセボ群222人、平均年齢65.6歳が対象です。期間は108週間です。ベースラインの平均の血中の尿酸値は7.9mg/dLです。(図は原文より)

上の図は尿酸値の推移です。当然プラセボでは低下しませんが、フェブリクは12週間にわたり低下し、その後横ばいです。しっかりと尿酸値は低下しました。本当に尿酸が腎機能に悪さをするなら、プラセボと大きな違いが出ても良さそうですね。ではどうだったでしょう。

 

上の図のAは、治療開始から108 週目までの推定糸球体濾過率 (eGFR) の経時的変化です。Bはタンパク尿がない人(左)とタンパク尿が陽性の人(右)、Cは血中のクレアチニン値が中央値未満(左)または中央値以上(右)です。

AのeGFRの変化では、フェブリクはプラセボと有意な差は示されませんでした。とほほ…

一応eGFR勾配の解析では、タンパク尿のない患者では1年当たりの有意差が認められ、クレアチニン値が中央値より低い患者でも、有意差が認められました。でも図を見る限りそれほど違いがあるようには見えません。

痛風関節炎の発生率は、プラセボ群(5.9%、13/222)に対してフェブリク群(0.9%、2/219)で有意に低くなりました。

上の図は収縮期血圧および拡張期血圧です。差がありませんね。

フェブリクには痛風に関しては若干の効果はあるようですが、慢性腎臓病(CKD)の進行を遅らせるような、腎機能保護効果は認められなかったのです。

しかも、この研究のスポンサーは、当然フェブリクを売っている帝人ファーマです。自分たちがお金を出しているので、精一杯良いデータを出したはずです。それでもプラセボに勝てなかったのです。トンデモない薬ですね。

高い尿酸が腎機能を低下させるのではなく、尿酸値が高くなる代謝障害が腎機能障害を起こすのです。

世の中には、この薬を腎保護効果があると思い込んで飲んでいる人もいるでしょう。ご存じの方もいると思いますが、この薬にはまだほかにダークサイドがあります。それは次回以降で。

「Febuxostat Therapy for Patients With Stage 3 CKD and Asymptomatic Hyperuricemia: A Randomized Trial」

「ステージ 3 CKD および無症候性高尿酸血症患者に対するフェブキソスタット療法: 無作為化試験」(原文はここ

2 thoughts on “尿酸値を下げる薬のダークサイド その2 腎機能低下軽減効果なし

  1. 「我々医師にとっては決して居心地の良い世界が待っているわけではありませんが、人類にとっては絶対に良い方向に向くはずです。」
    応援いたします!

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      相当な反発が予想されるので、どこまでできるかわかりませんが、
      現在のDOGEの成果を見ると、かなり期待できるのではないかと思います。
      ただトランプ大統領、イーロンマスクさん、ケネディさんが暗殺されなければの話ですが。
      DSは全力で暗殺してくるはずです。

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