尿酸値が高いと腎臓が悪くなると思わせる研究

まあ、昔からかもしれませんが、日本ってすごい国になってしまっているんだな、とつくづく思います。アメリカで「革命」が起きているのに、マスコミは全く報道しません。確かに日米首脳会談の記者会見の様子は伝えましたが、トランプさんはわざわざその会見の中でも重要な話をしているのに、そこはカットです。ネットの記事は多少ありますが、テレビのマスコミ各社の報道では「USAID」の「U」の字もほとんど出てきません。日本にも世界にも大きくかかわる問題であるのに。「X」では「USAID」が2025年2月9日のお昼近くの時点でも、

上のようにトレンドで200万以上のポストを記録しています。(数時間前はもっと多かったのですが)本当は世界中大騒ぎなのに、ここ最近の日本の報道は、中居くんやフジテレビがどうだとか、大谷くんの元通訳の刑期がどうだとかがトップニュースになってしまっています。相変わらずスポーツニュースは必須で、しかもプロ野球のキャンプなんてどうでもいい内容に時間が割かれています。もし、スポーツについて報道するのであれば、アメリカの今回の革命で大きな話題があったはずです。トランプさんは、女性のスポーツにトランスの選手の参加を排除する決定をしました。

「DOGE」が現在どんな仕事をして、何を暴き出しているのか、あまり日本人は知らされていません。「DOGE」のやっていることが良いのか悪いのか、ではなく、知らないことは非常に問題なのです。

「USAID」って何?「DOGE」って何?という人は重症でしょう。マスコミはトランプさんやイーロンマスクさんの変わった部分や過激な部分ばかりを取り上げて、彼らがとんでもない人物であると印象付けるのに必死です。NHKをはじめ日本のマスコミは各社も恐らく「USAID」から資金が流れているでしょう。自分たちの悪行を自分たちで報道することは難しいんでしょうね。テレビに出て、知ったかぶりをしている専門家のような人は全部あっち側の人でしょう。これだけの情報が出ていながら、いまだ陰謀論ですからね。「X」を叩いている人たちは、どんな人たちか、もうバレています。

このまま順調にロバートケネディjrさんがアメリカの厚生長官になってくれたら、この「革命」の波は医療の世界にもどっと押し寄せます。いまだに日本では新型コロナワクチンを推奨している人たちがいますが、その闇も暴かれる日が来るかもしれません。そして、製薬会社が牛耳っている医療の世界に大変革が起きる可能性もあります。ほとんどの医学雑誌は利益相反があり、企業にとって都合の良いエビデンスが医学の方針を決めています。そのエビデンスがウソだとわかれば、これまでの医師が行っていた治療がどれほど間違っていたかが示される可能性があります。まあ、そこまで行くのは難しいかもしれませんが…

日本にも「革命」を起こす人が現れればいいのですが。今の政治家のみなさんじゃ無理でしょう。玉木さんもあっち側でしょうからね。野党もアメリカの「革命」の動きを見ても、何も日本政府に対して追求しようとしないということは、どの党にもお金が流れているのかもしれませんね。日本の中のお金の流れも相当やばいのでしょう。

 

さて、多くの人は、薬を飲めば健康になれると思っているでしょう。健康にまではならなくても、現在の健康に有害なことが改善してくれると思っているでしょう。

高尿酸血症の人は、尿酸によって腎臓が悪くなって、そのままでは人工透析になるかもしれないと脅されることもあるでしょう。

では高尿酸血症の人は、尿酸によって腎臓が悪くなるのでしょうか?まずは面白い日本人の研究があります。というか尿酸に関しては本当に日本の研究は多いですよね?何でですかね?

今回の研究は悪名高き(?)久山町研究です。腎臓機能障害はeGFRの低下(eGFR <60未満)、アルブミン尿は尿中アルブミン排泄の上昇(≥30 mg/g)と定義され、慢性腎臓病(CKD )は腎機能障害またはアルブミン尿と定義されました。CKDを持たない40歳以上の地域在住の日本人被験者合計2,059人を5年間追跡調査した。追跡期間中に396人の被験者がCKDを発症し、そのうち125人が腎機能障害、312人がアルブミン尿でした。(なぜか合計が合わないですね?)それにしても5年間で396/2059=19%がCKDになってしまうなんて多すぎなような気がしますが、どうなんでしょうか?(図は原文より、表は原文より改変)

上の図は横軸が血中の尿酸値、左からCKD、腎機能障害、アルブミン尿です。尿酸が高くなるほどすべての腎疾患が増加しています。

下の図は多変量調整した、血中尿酸値と1mg/dl増加ごとのCKD、腎機能障害、アルブミン尿の発症の可能性です。

尿酸値 mg/dl多変量調整済み
OR
慢性腎臓病
 ≤4.01.00
 4.1~4.91.21
 5.0~5.81.47
 ≥5.92.10
 1mg/dl増加ごとに1.18
腎機能障害
 ≤4.01.00
 4.1~4.92.30
 5.0~5.82.81
 ≥5.93.73
 1mg/dl増加ごとに1.24
アルブミン尿
 ≤4.01.00
 4.1~4.91.12
 5.0~5.81.35
 ≥5.91.81
 1mg/dl増加ごとに1.15

尿酸値が増加するにつれ、先ほどと同じように腎疾患が増加し、尿酸値が4.0と比較して、尿酸値5.9以上だとCKDの可能性は2.1倍、腎機能障害の可能性が3.73倍、アルブミン尿は1.81倍です。尿酸値の基準値は検査機関によって違いはありますが、男性で3.6~7.0mg/dL、女性で2.3~7.0mg/dLのはずです。尿酸値が5.9って全く正常範囲じゃないですか?腎機能障害に限って言えば、尿酸値4.0以下と比較して4.1~4.9の尿酸値でさえ、腎機能障害の可能性が2.3倍にもなっています。おかしくないですか?そんなに尿酸値は下げないと腎機能が悪くなるのでしょうか?

上の図は年間のeGFR変化率です。最も低下率の低いのは尿酸値4.0以下です。尿酸値5.9だと4.0よりも有意に低下率が上がっています。でもこれも変だと思いませんか?

ちょっと古いですが「エビデンスに基づく CKD 診療ガイドライン 2009」には、次のように書かれています。

日本人の GFR の低下速度は平均 0.36 mL/分/1.73 m2/年であり,40~69 歳では 50 mL/分/1.73 m2 以下,70~79 歳では 40 mL/分/1.73 m2 以下の腎機能の場合,腎機能低下速度が有意に速まる。(この論文参照)

日本人のeGFRの低下率は平均0.36です。しかし、上の研究の最も低い尿酸値4.0以下のグループでさえ、減少率は1以上もあります。およそ3倍?つまり久山町研究の参加者の多くは平均よりも腎機能が低下しやすい要素があるということでしょうか?九州大学が変わった介入をしているのでしょうか?久山町研究が始まって、糖尿病発症率は劇的に増加したことも関係するかもしれません。間違った食事指導でも行われているのでしょうか?とにかく腎機能が年々下がり過ぎです。これは尿酸値の問題ではないでしょう。

ちょっと古いですが、久山町の食事について次のような情報がありました。(ここ参照)

福岡県の人たちと比較すると、久山町民は野菜の摂取量が多いのだそうです。これが悪いのかもしれませんね。

世の中には、下の図のように肉食の人よりもビーガンの方が尿酸値が高いという研究も存在しますからね。(ここ参照、図もここより)

上の図は左から、肉食、魚食、ベジタリアン、ビーガンです。まあでも、久山町の人がビーガンだとは思いませんから、肉を食べるからとか、野菜を食べるから、という次元の話ではなさそうです。

もとに戻ると、この研究の結論は「一般的な日本人集団において、血中尿酸レベルの上昇は腎機能障害とアルブミン尿の両方の発症に対する重大な危険因子でした。」となっています。本当にそれでいいの?

この研究の参加者の年齢と性別を調整したベースラインの特徴を見てみましょう。

変数尿酸値 (mg/dl)
≤4.04.1~4.95.0~5.8≥5.9
年齢58 (0.5)60 (0.5)60 (0.5)58 (0.5)
男性、%13.726.544.083.9
収縮期血圧、mmHg124 (0.8)127 (0.8)130 (0.8)132 (0.9)
拡張期血圧、mmHg74 (0.5)77 (0.5)78 (0.5)80 (0.5)
降圧剤、%10.316.623.823.7
糖尿病、 %17.014.513.714.4
総コレステロール、mg/dl198 (1.5)207 (1.5)205 (1.5)209 (1.7)
HDLコレステロール、mg/dl65 (0.7)64 (0.7)63 (0.7)62 (0.8)
BMI、kg/m 221.9 (0.14)22.8 (0.14)23.7 (0.14)24.2 (0.15)
ヘモグロビン、g/dl13.3 (0.05)13.6 (0.05)13.8 (0.05)14.0 (0.06)
尿酸降下剤、%0.12.30.92.1
hs-CRP、mg/L0.35 (0.32–0.39)0.44 (0.40–0.48)0.48 (0.43–0.52)0.58 (0.52–0.64)
eGFR、ml/分/1.73 m 283 (0.3)82 (0.3)80 (0.3)79 (0.3)
U-ACR、mg/g7.8 (7.3–8.3)7.1 (6.6–7.6)7.3 (6.8–7.8)7.0 (6.5–7.6)
喫煙習慣、%23.324.223.821.6
アルコール摂取、%32.845.151.353.0
定期的な運動、%9.011.412.113.4

上の表を見て、最も目立つ違いは、男女比ではないでしょうか?尿酸値4.0以下のグループでは男性が13.7%、女性が86.3%です。一方尿酸値5.9以上のグループでは、男性83.9%、女性16.1%、とほぼ真逆の男女比です。

それ以外にも大きな違いは、尿酸値4.0以下のグループと比較して尿酸値5.9以上のグループでは、高血圧の薬を飲んでいる人が2倍以上、アルコール摂取も1.6倍です。

ほとんど全ての研究では、分析のときに、様々な因子を調整します。でも本当に調整できているのでしょうか?

調整をしても、しきれていない可能性が十分にあるでしょう。調整を行ったからといって、交絡因子の影響を必ずしも適切に除外できるとは限りません。結局は数字遊びで、数式に勝手に当てはめるだけです。調整したつもりになっているだけで、本当の関連を導き出すように、適切に調整できているかどうかは不明です。逆に余計な調整が入ってしまう可能性すらあります。調整を上手く使えば、自分の思った方に誘導することすら可能です。

これだけ、男女比が異なる集団で調整が確実にできているかどうかはわかりません。

一般的に、圧倒的に男性の方がCKDとなったり、人工透析になる人が多いです。令和5年(2020年)の調査によると、現在、CKDの治療を受けている総患者数は66万6,000人で、その内男性43万5,000人、女性23万1,000人となっています。(ここ参照)約1.9倍も男性が多いのです。

2023年の患者調査票において、人工透析導入患者数は36,115人で、男性は25,193人、女性は10,922人で,実に2.3倍です。(ここ参照)

もしも、この久山町研究の結果が本当だとしたら、尿酸値が5.0以上の人は治療しなければならないことになります。完全に正常値のど真ん中のはずの5.0ですら、腎臓には有害であることになってしまいます。日本人のほとんどは治療対象です。そんなバカな…

原因と結果が逆でしょう。尿酸値が増加するから腎臓に障害が起きるのではなく、腎機能障害が起きるような代謝障害の状態が尿酸値を上げます。

そもそもこの研究を発表する前に、何かおかしいと思わなかったのでしょうか?もちろん、背景はスポンサーです。この研究のスポンサーは「帝人ファーマ株式会社」であり、尿酸値を下げる薬を「フェブリク」販売している企業です。

もっと低い尿酸値の方が腎臓に有益だというエビデンスを作り出し、患者数を増やしたいのでしょうね。こんな酷い研究が今後出てこない世界になるのでしょうか?アメリカの動きを注視しましょう。

では、このフェブリクという薬は大丈夫なのでしょうか?それについては次回以降で。

「Serum Uric Acid as a Risk Factor for Chronic Kidney Disease in a Japanese Community – The Hisayama Study –」

「日本のコミュニティにおける慢性腎臓病の危険因子としての血清尿酸値 – 久山町研究」(原文はここ

4 thoughts on “尿酸値が高いと腎臓が悪くなると思わせる研究

  1. そんなに今の政治に不満があるなら、自分が政治家をやったら良い。

    あなたが言うように国がひどいと言う事の信頼度よりも、あなたの主張に対する信頼度の方が担保が全く無い。

    なぜなら、国は曲がりなりにも仮眠の命を守る責任を負っているが、貴方個人には我々の命に対する責任が皆無だからだ。

    そんな誰とも分からない貴方の言う事には、信頼性を全く感じない。医師でも政治的な発言をしてはいけないわけでは無いが、ここでのあなたの政治的発言にはとても違和感を覚える。

  2. なんか悪いけど笑ってしまいました

    「そんなに今の政治に不満があるなら、自分が政治家をやったら良い」

    今時こんなセリフを、それも堂々とコメントなさる
    ある意味「尊敬」の域かと思わされました

  3. この吉岡という人は論理的思考能力ゼロだな。余りに酷い思考なので可哀そうにすら思えて来る。

  4. 吉岡さんに一言。これは個人のブログであって、公的機関のホームページではありません。政治に不満のある個人は、政治家にならければ発言してはいけないのですか?このブログは非常に有益で、私は愛読しています。言い掛かりに近いコメントをするぐらいなら、黙ってこのブログを見るのを止めた方が良いと思いますが、如何ですか?

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