タトゥーは悪性リンパ腫や皮膚がんと関連している可能性がある

日本でもタトゥーを入れている人が増えています。なぜ簡単に消せないものを体に描くのか私にはよくわかりません。見た目の問題だけでなく、タトゥーのインクは危険である可能性が高いです。異物なので当たり前ですし、インクの安全性が十分に調査されているとは思えません。発がん性物質である可能性もあるでしょう。インクの粒子は局所のリンパ節に蓄積します。

今回の研究では、デンマークの双子を対象にした研究です。少なくとも双子の一方が皮膚がん、悪性リンパ腫、膀胱/尿路がんと診断されている症例-双生児研究316人と、ランダムに選択された双子のコホート2,367人において、リンパ腫、皮膚がん、基底細胞がんの発症を分析しました。

双子の片方ががんと診断され、もう片方が診断されていないペアについて、双子のどちらがタトゥーインクにさらされたかを調査して分析すれば、それ以外は多くの遺伝的要因と環境的要因が共通していると考えられるので、交絡因子がかなり排除できるでしょう。(表は原文より改変)

リンパ腫皮膚がん
HR (95% CI)HR (95% CI)
モデル1: タトゥー1.35 (0.68–2.71)1.62 (1.08–2.41)
モデル2: タトゥーのサイズ
 小さい0.63 (0.13–2.94)1.37 (0.87–2.16)
 大きい(手の平より大きい)2.73 (1.33–5.60)2.37 (1.11–5.06)
モデル3: 赤インク
 はい1.36 (0.57–3.29)1.44 (0.85–2.45)
 いいえ1.33 (0.36–4.90)1.74 (1.02–2.96)
モデル4:
 タトゥー1.68 (1.13–2.51)
 喫煙0.88 (0.62–1.25)

上の表のように、タトゥーへの曝露は皮膚がんのリスクを1.62倍にしました。手の平よりも大きなタトゥーはタトゥーなしと比較した場合のリンパ腫のリスクが2.73倍、皮膚がんのリスクが2.37倍でした。

一般的には、赤インクはアレルギー反応を起こす患者の間で最も多く使用されている色だそうですが、赤インクの使用はリスク増加はありませんでした。逆に赤インクを使用しない方が皮膚がんリスクが高いのは、よくわかりません。喫煙も関連はありませんでした。

タトゥーが膀胱がんや尿路がんの危険性に与える影響を推定することはできませんでした。

皮膚がん基底細胞がん
HR (95% CI)HR (95% CI)
モデル1: タトゥー3.91 (1.42–10.8)2.83 (1.30–6.16)
モデル2:
 タトゥー3.58 (1.27-10.0)3.52 (1.63–7.61)
 喫煙1.44 (0.53–3.95)0.40 (0.18–0.89)

もう一つの集団の研究では、タトゥーへの曝露による皮膚がんのリスクは3.91倍でした。基底細胞がんのリスクは2.83倍でした。この2種類のがんを合わせると、リスクは3.28倍でした。タトゥーへの曝露がリンパ腫のリスクに及ぼす影響を推定することはできませんでした。

いずれにしても、タトゥーは皮膚がんや悪性リンパ腫のリスクを上げる可能性があります。タトゥーを入れる前にインフォームドコンセントなんてないでしょうから、リスクがあることも知らされないでしょう。

安易にタトゥーを入れると、後で困ることがあるかもしれませんよ。特に大きなタトゥーを入れている場合は要注意でしょう。

「Tattoo ink exposure is associated with lymphoma and skin cancers – a Danish study of twins」

「タトゥーインクへの曝露はリンパ腫や皮膚がんと関連している – デンマークの双子研究」(原文はここ

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