今回の記事ですが、実はこれ、結構多いのではないかと思っています。非常に多くの人が無駄にコレステロール値を下げられています。スタチンを飲まないと、血管が詰まるとか、死んでしまうとか脅されて。
しかし、スタチンは様々な副作用が存在しています。たとえこの薬に効果があったとしても、その恩恵を被ることができるのはほんの一部の人です。
膀胱痛症候群/間質性膀胱炎 (BPS/IC)というものがあります。原因不明です。
日本泌尿器科学会のガイドラインでは、膀胱痛症候群/間質性膀胱炎 を「膀胱に関連する慢性の骨盤部の疼痛,圧迫感または不快感があり,尿意亢進や頻尿などの下部尿路症状を伴い,混同しうる疾患がない状態」の総称としています。
症状として、骨盤領域の痛み、圧迫感、または不快感、および日中の頻尿が 10 回以上、痛み、圧迫感、または不快感による尿意切迫感、夜間頻尿などです。
アメリカの有病率は、女性で2.7%~6.53%、男性で1.9%~4.2%と推定されています。日本はもう少し少ないようです。ただ、明確な定義がないし、泌尿器科を受診している人も少ないので、実際にはもっと多いかもしれません。女性は男性の5倍と言われています。
もちろん、私は膀胱痛症候群/間質性膀胱炎も糖質過剰症候群だと思っています。慢性の炎症が関係していることや、メタボリックシンドロームとも関連していることなどからです。ある研究では、膀胱痛症候群/間質性膀胱炎群では、不安、不眠、高血圧、糖尿病の患者が多く見られました。さらに、BMI が高く、腹囲も大きく、血液検査では、空腹時血糖値、シスタチンC、中性脂肪が有意に高いことが示されました。(ここ参照)
さらに、膀胱痛症候群/間質性膀胱炎には小線維性神経障害が関与している可能性があります(ここ参照)が、小線維性神経障害も糖質過剰摂取で起きると考えているからです。
頻尿がある人の中には膀胱痛症候群/間質性膀胱炎が実際のところ少なくないでしょう。
さて、出だしのスタチンに話を戻すと、膀胱痛症候群/間質性膀胱炎は糖質過剰摂取だけでなく、スタチンにも関連していると考えられます。スタチンは膀胱尿路上皮の上皮機能障害を引き起こす可能性があると考えられています。そして、スタチンは末梢神経障害、小線維性神経障害を起こします。(「スタチン誘発性末梢神経障害」参照)
今回の研究では、膀胱痛症候群/間質性膀胱炎の女性815人と、対照4,075人をスタチンの使用の有無によって分析しました。平均年齢は57歳です。
その結果、膀胱痛症候群/間質性膀胱炎群の人では、対照群と比較して、スタチン使⽤歴がある可能性は1.52倍でした。さらに、スタチンの使用を定期的および不定期で分析していますが、不定期というのはよくわかりません。
膀胱痛症候群/間質性膀胱炎群の人では定期的スタチン使用の可能性は1.58倍でした。
頻尿、過活動膀胱に悩んでいる人の少なくない割合で、このスタチンが影響しているでしょう。頻尿、過活動膀胱になったら、糖質制限を行うことと、スタチンをコレステロールが高いという理由だけで飲んでいるのであれば、スタチン中止を行いましょう。
スタチン、ろくなことになりません。
「Statin Use Is Associated with Bladder Pain Syndrome/Interstitial Cystitis: A Population-Based Case-Control Study」
「スタチンの使用は膀胱痛症候群/間質性膀胱炎と関連している:人口ベースの症例対照研究」(原文はここ)
職場の20代女性が、健診コレステロールの
事を心配されていて、
「コレステロールは身体に必須な成分」
である事を話してみましたが、
ピンときていない様子。
とにかくコレステロール値は薬を飲んででも
下げるべきもの、という
医療業界の洗脳は成功している
ようです。
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
大成功です。医師ですらコレステロールが高いだけでスタチン飲んでいますから。