LDLコレステロールが大きく上昇しても動脈硬化は起こらない

心血管疾患、動脈硬化はLDLコレステロール値が高いから起きるわけではありません。しかし、医師や医療従事者の多くは、高LDLコレステロール=動脈硬化、であり心血管疾患のリスクが非常に高くなると信じています。

糖質制限をすると、LDLコレステロールが増加することが多く、一部の人では非常に高いLDLコレステロールを示します。私もその一人です。10年過ぎても心臓の血管も脳の血管もまだ詰まっていません。

今回の研究は学会発表の要旨でしかありませんが、非常に興味深い症例報告です。

患者は48歳の健康な男性で、高血圧、糖尿病、喫煙、家族性高コレステロール血症の既往歴はなく、12年間ケトン食を継続しています。ケトン食を始める前のLDLコレステロールは125 mg/dLで、遺伝的な家族性高コレステロール血症は否定されています。

ケトン食を始めて、LDLコレステロールは421mg/dLに上昇しました。専門医なら発狂しそうな数値ですね。他の検査値は、総コレステロール529mg/dL、HDLコレステロール107mg/dL、中性脂肪56mg/dLでした。(図は原文より)

上の図のように、心血管画像検査では冠動脈カルシウム(CAC)スコアがゼロ、冠動脈CT血管造影(CCTA)ではプラークは認められませんでした。

上の図は、LDL粒子サイズの分布を示しています。大型LDL粒子86.5%、小型LDL粒子6.1%、中間密度リポタンパク質(IDL)粒子7.4%です。非常に危険なsdLDLが非常に少なく、安全な大きなLDLがほとんどです。LDLコレステロール値だけを見ても、このような粒子の分布はわかりません。つまり、LDLコレステロール値だけを見て、リスク評価をしても意味がありませんし、動脈硬化の原因はコレステロールではありません。

もちろん、糖質制限、ケトン食であれば心血管疾患リスクがゼロになるわけではありません。しかし、現在のように、LDLコレステロールで心血管疾患リスクが増加するという仮説はウソです。

心血管疾患の多くは糖質過剰症候群でしょう。

「ABSENCE OF ATHEROSCLEROSIS DESPITE ELEVATED LDL CHOLESTEROL IN A KETOGENIC DIET」

「ケトジェニックダイエットではLDLコレステロールが上昇するにもかかわらず動脈硬化は起こらない」(原文はここ

2 thoughts on “LDLコレステロールが大きく上昇しても動脈硬化は起こらない

  1. なんせ「悪玉」の汚名を着せられてます
    ものね、

    「糖質過剰摂取」こそ、「悪玉」の
    本家本元ですが、常識は逆転してます

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      医療業界で、糖質を悪玉と呼んでしまったら、顧客が大きく減少してしまいます。

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