ばね指と糖尿病

テレビのニュースもくだらないですが、ネットニュースもくだらないですね。どんな小さなネタでも良いから、ニュースを流すことが必要なのでしょう。ばね指や手根管症候群の手術をしたことがニュースになるのですから。まあ、いろいろな事情があるのでしょうけど。

ばね指は指の腱鞘炎で、腱の動きがスムーズでなくなり、引っ掛かりを感じ、進行すると指が曲がったまま戻らなくなり、強い力で戻そうとすると、ばねのように跳ねるように戻ります。私は以前の記事「ばね指は糖質過剰症候群」で書いたように、このばね指も原因は糖質過剰摂取だと思っています。

糖質過剰症候群の最も代表的な疾患、糖尿病とばね指の関連を見てみましょう。年齢は44歳から74歳の30,357人が対象で、平均年齢は57.5歳、1,393人(4.6%)が糖尿病でした。ベースライン時点で糖尿病を発症していなかった人の追跡期間の中央値は23.3年で、ベースライン時点で糖尿病を発症していた人の追跡期間の中央値は18.3年でした。期間中、合計974人がばね指と診断されました。(図は原文より)

上の図は、ベースラインで糖尿病の有無によるばね指の累積の発症率です。糖尿病のある方がばね指の発症は多く、リスクは2.27倍でした。すべての交絡因子を同時に調整した場合でも、リスクは2.0倍でした。

糖尿病では、炎症、酸化ストレスの増加、AGEsの蓄積などが起こるので、ばね指が起きるのも当然です。

もう一つ研究を見てみましょう。糖尿病における、Diabetic hand syndrome(糖尿病性手症候群)と言われる手根管症候群、ばね指、デュプイトラン拘縮などのリスクを評価しています。606,152人の糖尿病患者と609,970人の年齢と性別を一致させた対照群の比較です。

糖尿病患者は全糖尿病性手症候群のリスクが1.51倍と有意に高く、35歳未満の男性では2.64倍、女性では2.99倍でした。糖尿病は手根管症候群リスク1.31倍、ばね指1.90倍、デュピュイトラン病1.83倍でした。

これらの腱の障害は、整形外科的な疾患というよりは、代謝障害です。様々な腱の問題が起きたら、それは代謝に異常があると考えた方が良いかもしれません。そして、症状が悪化する前に、糖質制限を始めた方が良いでしょう。

でも、ばね指は糖質過剰症候群ですが、アレも関係しています。それについては次回以降で。

「Diabetes Mellitus as a Risk Factor for Trigger Finger -a Longitudinal Cohort Study Over More Than 20 Years」

「糖尿病はばね指の危険因子である ― 20年以上にわたる縦断的コホート研究」(原文はここ

「Risk of Hand Syndromes in Patients With Diabetes Mellitus: A Population-Based Cohort Study in Taiwan」

「糖尿病患者における手症候群のリスク:台湾における人口ベースコホート研究」(原文はここ

One thought on “ばね指と糖尿病

  1. とても勉強になります。「更年期に多い」なんて書いてあるとつい「老化やホルモンのせいだから仕方がない」と思いがちですが、老化のせいだと思っている病気が実はそれだけではないってこと、他にもありそうですね。

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