首のマッサージにはご注意を その1

以前の記事「首の骨を鳴らすことはやめた方が良い」では、首を「ポキッ」と鳴らすことで、頸動脈解離が起き、虚血性脳卒中が起きる可能性があることを書きました。

カイロプラクティックでは、酷い場合こんなことにもなります。(ここ参照、図もここより)

カイロプラクティックを受けた48歳の女性は上の図のように、C5およびC6椎骨の骨折、脊髄損傷が、両側椎骨動脈閉塞および急性小脳梗塞が認められました。

他にも頸部のマッサージを受けた30歳の男性が、恐らく散髪で従業員に首のマッサージを受けて、その時に⾸からパキッという⾳が聞こえた、と書かれています。(ここ参照)その後、頭痛、吐き気、嘔吐、視界のぼやけ、複視、めまい、運動失調などの症状で外来を受診して、椎骨動脈解離、左小脳半球の急性梗塞が認められました。

他人のマッサージでなくても、自分のマッサージも要注意です。(ここ参照)58歳の右利きの男性が、右顔面と右腕のしびれ、発声障害、構音障害、嚥下障害で、救急外来を受診しました。延髄と小脳の左側に急性虚血性病変が認められ、脳卒中ユニットに搬送されました。入院後、患者の部屋に医療チームがいる中で、患者は右頸部を激しく円を描くようにマッサージし始めました。毎分30拍の徐脈が認められ、数秒後に4秒間の心停止が認められました。患者は、約2週間前から右頸部に中等度の痛みがあり、自己マッサージで痛みが軽減していたと述べていました。つまり、このマッサージが脳幹梗塞の原因であるようです。プラークの破裂による血栓塞栓症、または反復性低血圧による低灌流が原因でしょう。

もう一つ自己マッサージの症例です。(ここ参照)69歳の男性が、急性の右眼視力低下、失語症、めまいを主訴に救急外来を受診しました。症状が現れる直前、患者はコンピューターの前に座りながら、頸動脈を激しく円を描くようにマッサージしていました。リラックス目的でマッサージを行ったようです。両方の総頸動脈分岐部付近に混合プラークが認められました。頸動脈を自己マッサージすることで、プラークの破裂や微小塞栓症を引き起こしたと考えられます。

このように、手でマッサージしても、頸動脈が解離したり、プラークが剥がれて脳に飛んだりする可能性があるのです。

首の後ろの僧帽筋くらいならマッサージは大丈夫だと思いますが、首は横から前方にかけては、他人にマッサージを受けないように、自分でもやらないようにしなければなりません。

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