耳たぶの斜めの線と脳血管障害

以前の記事「耳たぶの斜めの線にご注意を」では、耳たぶの斜めの線(フランクのサイン)と冠動脈疾患のリスクの関連を書きましたが、脳血管疾患についてはどうなのでしょうか?

急性の脳卒中で入院した241人を調べたものです。(表は原文より改変)

フランクのサイン一過性脳虚血発作脳血管障害合計
あり(%)73.288.678.8
なし(%)26.811.421.2

上の表はフランクのサインの有無による、一過性脳虚血発作および脳血管障害の割合です。

フランクのサインは全体の78.8%に見られました。一過性脳虚血発作の患者73.2%、脳血管障害の患者88.6%に耳たぶの斜めの線がありました。
かなり、割合が高いですね。冠動脈疾患の割合よりもかなり高いでしょう。同じ頭部だから?

次の図は韓国の研究で、出血性脳卒中の危険因子を示しています。SAHはくも膜下出血、ICHは脳内出血です。

(上の図はここより)

2番目の過去の高血圧の既往が最も危険な因子です。これは当然と言えば当然でしょう。しかし、次に出血性の脳卒中の可能性が高いのは耳たぶの線でした。くも膜下出血は6.72倍、脳内出血は4.52倍も起こる可能性が高いのです。

耳たぶの斜めの線は見逃せないサインなのかもしれません。

糖質制限 糖質過剰症候群 心血管疾患

「Diagonal Earlobe Crease (Frank’s Sign): A Predictor of Cerebral Vascular Events」

「斜めの耳たぶの線(フランクのサイン):脳血管イベントの予測因子」(原文はここ

2 thoughts on “耳たぶの斜めの線と脳血管障害

  1. 先生こんばんは
    今日の読売新聞の記者のコラムでフランクのサインのことが書かれていました。
    元ネタはこちらですが会員限定です。
    https://www.yomiuri.co.jp/world/20210607-OYT1T50041/
    記者自身にもサインがあるようですが、そのコラムの最後に中国の指導者の耳が気になることが書いてたので調べてみると右耳にそれらしきサインが出ています。
    https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210403/mcb2104031749004-n1.htm
    2015年の記事でもすでに出ています
    https://jp.wsj.com/articles/SB12096842380967064583604581206283431418032
    左耳は画像からだとそれらしい線はありますがはっきりとはわかりません
    https://voi.id/ja/news/35658/read
    特に役に立つことでもないですが御参考までに

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