イーライリリーの次世代肥満症治療薬のレタトルチドは、週1回投与の薬であり、体内のグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、およびグルカゴンの受容体を活性化します。3つの受容体に働きかけるという、これまでにない薬です。
肥満を病気として扱い、肥満を薬で治療する時代になってしまっています。まあ、食事改善もせずに、薬だけ使っていた方が楽なんで、多くの人が魅了されてしまうのかもしれません。しかし、薬にはリスクがあることを知る必要があります。
今回のレタトルチドの効果を見てみましょう。(ニュースリリースはここ、表は資料より改変)
| 80週時点での主要評価項目 | ||||
| レタトルチド4mg | レタトルチド 9mg | レタトルチド12mg | プラセボ | |
| 80週時点での体重変化率(平均ベースライン112.7 kg(BMI 40.0 kg/m² )から) | -19.0%
(-21.4 kg) |
-25.9%
(-29.2 kg) |
-28.3%
(-31.9 kg) |
-2.2%
(-2.5 kg) |
| 80週時点での主要副次評価項目 | ||||
| 基準値118.3cmからのウエスト周囲径の変化 | -16.3 cm | -21.8 cm | -24.1 cm | -3.6 cm |
| 体重が25%以上減少した参加者の割合 | 27.8% | 52.9% | 62.5% | 2.2% |
| 体重減少率が30%以上の参加者の割合 | 15.3% | 37.9% | 45.3% | 0.5% |
| 体重減少率が35%以上の参加者の割合 | 5.9% | 20.8% | 27.2% | 0.3% |
| 104週時点での事前指定延長 | ||||
| レタトルチド4mgから最大耐用量(MTD) | レタトルチド9mgを最大耐用量(MTD )まで投与 | レタトルチド12mgを最大耐用量まで投与 | プラセボからレタトルチドMTD | |
| 104週時点での体重変化率(平均ベースライン121.7kg(BMI 42.8kg/m2 )から) | -27.9%
(-33.2 kg) |
-29.5%
(-36.6 kg) |
-30.3%
(-38.5 kg) |
-19.2%
(-22.6 kg) |
レタトルチドの最高用量(12mg)を1年半(80週)にわたり耐容できた患者は、体重が平均28.3%減っています。2年間(104週)では、30.3%、38.5 kgの減量です。元が100㎏を優に超え、BMI40の人たちの結果です。
では、有害事象を見てみましょう。(資料より作成)
| 有害事象 | レタトルチド4mg | レタトルチド9mg | レタトルチド12mg | プラセボ |
|---|---|---|---|---|
| 悪心(吐き気) | 28.6% | 38.4% | 42.4% | 14.8% |
| 下痢 | 25.2% | 34.1% | 32.0% | 13.5% |
| 便秘 | 23.8% | 25.9% | 26.1% | 10.9% |
| 嘔吐 | 10.6% | 22.8% | 25.3% | 4.8% |
| 上気道感染症 | 14.2% | 12.2% | 13.1% | 11.6% |
| 感覚異常 | 5.1% | 12.3% | 12.5% | 0.9% |
| 尿路感染症 | 7.5% | 8.8% | 8.4% | 5.3% |
| 有害事象による投与中止率 | 4.1% | 6.9% | 11.3% | 4.9% |
最高用量(12mg)の悪心42.4%というのはすごい数字ですね。下痢も3人に1人、便秘や嘔吐も4人に1人経験します。さらに気になるのが感覚異常です。12.5%と高率に発症します。大丈夫なんでしょうか?
そして、もっと気になるのが、プラセボの有害事象の割合の多さです。悪心で14.8%、下痢13.5%、嘔吐でさえ4.8%、そして有害事象による中止も4.9%にもなっています。プラセボにどんな成分が含まれていたのでしょうか?本当に無害なものでできていたのでしょうか?
まあ、とにかくすごい効果を示しているのは確かで、この発表を受けて、SNSは大盛り上がりです。肥満を治療して儲けている医師は大喜びでしょう。
とんでもないことが後に起こらないことを祈るばかりです。
肥満は糖質過剰症候群です。一生、薬に縛られて生きていきたいのであれば、それもその人の考えです。
「食事改善もせずに、薬だけ使っていた方が楽なんで、多くの人が魅了されてしまうのかもしれません。しかし、薬にはリスクがあることを知る必要があります。」
煙草のパッケージの警告文同様、
処方箋に大きく添付したい文言だと
思いました。
健康被害が高い確率で予測できそうですが、目先の利益(に見える物)に弱いですね、人間だもの^_^
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
多くの有害事象は、できる限りわからないようにした方が売れますから。