スタンフォード大学の医学部から最近出た研究は血糖値スパイクを見つけて喜んでいます。(実際には様々な分析をしていますが)我々糖質制限をしている人にとっては当然の知識ですが、空腹時血糖ではなく食後の血糖値の急上昇が問題であることをやっと発表しています。一般的な検査の空腹時血糖では何の情報も得られません。それが異常を示した場合はかなり進行した状態ですから。健康診断で血糖値が基準値の収まっているからと言っても何も喜べないのです。
この研究ではCGMという持続的な血糖値測定器を使用しています。フリースタイルリブレとは違いますが同じようなものでしょう。その研究の中で、これも我々の中では当然なのですが、「健康的」と勝手に決めつけていた「シリアル」が非常に血糖値を上げていることが示されました。シリアルは糖質であるので当たり前ですが。(図は原文より)
3つのタイプの食事をしていますが、左がピーナッツバターサンドウィッチ(タンパク質18g、脂質20g、糖質39g)、真ん中がプロテインバー(タンパク質9g、脂質18g、糖質42g)右がコーンフレークと牛乳(タンパク質11g、脂質2.5g、糖質50.7g)です。どれも糖質たっぷりです。
参加者の80%がコーンフレークと牛乳のボウルを食べた後に血糖値がスパイクしたのです。しかも200越えが続出しています。その他の食事でも血糖値は上昇していますが、ピーナッツバターのサンドウィッチが最もスパイクが少ないですね。その他の栄養素との関係でそのようなことになっているのでしょうが、最も糖質の塊であるシリアルはやはりスパイクがすごいことになっています。
もちろんスパイクしない人もいます。しかし、80%もの人が140以上の血糖値にスパイクするような食事が「健康的」であるはずがありません。今回のコーンフレークだけでなく「ヘルシー」と誤解されているグラノーラも1食40gとしてもその中に30g以上の糖質が含まれているものもあります。40gなんて少なすぎて実際にはもっと食べていると思います。そうすると糖質50gなんて珍しくないのではないでしょうか?企業の「ヘルシー」という言葉に騙されず、糖質量を見てください。大体わざわざ「ヘルシー」と言っているものは「不健康」な食事です。
フリースタイルリブレはちょっと大げさな反応で正確性に欠ける部分がありますが、変動は良く反映されます。このような持続的な測定器がもっと簡単に手に入り、自分のスマホのアプリでいつでも血糖値が簡単にわかればもっと状況は良くなると思います。最近は薬局でも血糖値を測定できるようになったので、健康診断など空腹時血糖値しか知らない方は一度食後の血糖値を測定してみることをおすすめします。食後1時間値が140を超えていたら糖質制限スタートの合図です。
「Glucotypes reveal new patterns of glucose dysregulation」
「血糖値変動のタイプはグルコース調節不全の新しいパターンを明らかにする」(原文はここ)