糖質過剰摂取、そしてそれによるインスリン抵抗性は様々な疾患に関連していると考えられます。いわゆる加齢に伴うとことより増加する疾患、(高血圧、冠動脈疾患、脳卒中、がん、2型糖尿病)もインスリン抵抗性が深く関連していると思われます。
今回の研究では、様々な加齢性疾患を予測するためのインスリン抵抗性の影響力を評価しています。SSPG(定常状態血漿グルコース)という指標を使っていますが、SSPGが高ければ高いほど、インスリン抵抗性が高いことを意味します。
明らかに健康で肥満ではない(BMIが30未満)の208 人を対象としています。ベースライン時にインスリン抵抗性の三分位に分割しました。高血圧12例、高血圧+2型糖尿病3例、がん9例、冠状動脈性心疾患7例、脳卒中4例、および2型糖尿病2例が37人に認められました 。(図は原文より)
上の図は左がSSPGが最も低い、つまりインスリン抵抗性が最も低い群、真ん中が中程度の群、右がSSPGが最も高い、つまりインスリン抵抗性が最も高い群です。加齢性疾患の発生は最もインスリン抵抗性の高い群の25人に見られ、他の12人は中程度のインスリン抵抗性の群で発生しました。インスリン抵抗性が最も低い群には加齢性疾患は認めませんでした。
さらに分析すると、インスリン抵抗性はこれらの様々な疾患の独立した予測因子でした。インスリン抵抗性が高いことが疾患のリスクを上げているのか、インスリン抵抗性が低いことがリスクを低下させているのかはわかりませんが、インスリン抵抗性が加齢性疾患に大きく関わっていることは間違いないのではと思われます。
インスリン抵抗性を高くするのは、インスリンの過剰分泌が最も原因として考えられます。インスリン過剰分泌は糖質過剰摂取でのみ起こります。糖質制限がこれらの加齢性疾患に保護的な食事であると考えられます。
「Insulin resistance as a predictor of age-related diseases」
「加齢性疾患の予測因子としてのインスリン抵抗性」(原文はここ)