今年の箱根駅伝はまさかの青山学院大の往路6位、5分30秒近いビハインドで復路がスタートし、どこまで追い上げるかという面白さがありました。
結果は2位とはいえ、復路は3人が区間賞、2人は区間2位と青山学院の強さを見せられました。何とも往路の4区、5区が悔やまれます。4区は低体温症との情報がありますが、最初からずっとスピードが上がらず、スタート前は暖かいコートを着ていたことを考えると、ちょっと低体温は考えにくいのではと思ってしまいます。初出場のプレッシャーだったのでしょうかね?
今回は往路でいろいろ問題がありました。1区のスタート後まもなく転倒して、足を故障した大東文化大学の選手が足を引きずりながら20kmを走りぬきましたが、以前の女子駅伝で骨折しながら四つん這いでタスキを渡した問題があったばかりです。ねん挫だとは思いますが、ねん挫で20km走るなんてやはり問題でしょう。ストップをかけるべきだったのではないでしょうか?
相変わらずそのようなケガをおして走る選手に対する実況は無理やり感動系です。そんなに無理をすることが素晴らしいことなのでしょうか?
レベルは全く違い何の参考にもならないかもしれませんが、私がレース中に足を痛めたとき、自分自身は走りたくてしょうがない、ここで止めたくないという気持ちでいっぱいでしたが、そのレースの後、本当に痛みでつらい日が続き、あの時無理をしなければ良かったな、と後悔しました。周りが止めないとなかなか自分では止められません。ましてやチームで戦っているので、自分からは言い出せないでしょう。しかし、その選手のことを考えるのであれば止めさせるべきだったと思います。やはり選手は使い捨てなのでしょうね。
もちろん、その選手を止めたら止めたで、その選手は申し訳なさで押しつぶされる可能性もあるので難しい問題ではありますが。
さすが日テレ、24時間テレビでも無理やり感動を作り出すのが得意で、このようなケガの選手も無理やり感動に結び付けていきます。人が困っていたり、問題に直面している場面をどれだけ感動的に実況中継ができるかがアナウンサーの腕の見せ所なのでしょうかね?
その他にもタスキを渡すときに次の選手がスタンバイしていないという状況もありました。これだけテクノロジーが発達しているのに、自分のチームの選手が今どこを走っているのかわからないというのは、首をかしげてしまいます。普通のマラソン大会でも自分が応援している人がどこら辺を走っているのかスマホで確認ができます。選手にチップなどを付ければ難しい問題ではないのではないでしょうか?ローテクでも、1km手前をチームの選手が通り過ぎたら無線で連絡しても良いのではないでしょうか?こんなことが起きていることが私には理解できません。
それにしても今回は非常にレベルが高かったのか、半数の5区間で区間新が出て、往路でも復路でも総合記録でも2校が新記録が出ました。優勝した東海大学の総合記録は昨年の大会記録を5分以上も更新する素晴らしい記録でした。更に珍しいことに往路優勝は東洋大、復路優勝は青山学院大、総合優勝は東海大学と3つの優勝校が全て違うという現象も起こりました。各校が拮抗している証拠でしょう。今年の箱根は面白かったですね。
ただ、この好記録。いつも書いていますが、ナイキのシューズ「 ズーム ヴェイパーフライ 4% 」を履いていた選手が全体の約4割という事実と関連しているとすると、非常に残念です。(関連記事はここ)
やはり箱根駅伝を全国大会にしてほしいですね。3大駅伝と言うのであれば、他の2大会と同じように全国大会にすべきでしょう。
【箱根駅伝】往路優勝は東洋大、復路Vは青学大…でも総合制したのは東海大
2019年1月3日 スポーツ報知より
第95回東京箱根間往復大学駅伝競走は2、3日、東京・千代田区大手町の読売新聞社前~神奈川・箱根町の芦ノ湖を往復する10区間217・1キロで開催された。
2日に行われた往路では5時間26分31秒の往路新記録を樹立して優勝した。
3日に行われた復路では、往路6位に沈んだ青学大が意地を見せ復路優勝を果たした。青学大は3区(区間新)、6区(区間新)、7区、9区で区間賞を獲得し、層の厚さを証明した。
しかし往路、復路の総合では東海大が制する結果となった。