一度の射精で約1億匹の精子が放出されると言われています。その中で無事に卵子にたどり着き卵子と受精できるのはたった1匹です。それ以外に男性は受精と関係ない射精を何十回~何百回も行っているので、男性が作り出す精子の中で人間となって生まれてくるのは数十億匹~数百億匹に1匹です。
受精をしようとするタイミングで放出されるかどうかは、その精子の運ですが、良いタイミングで放出されたとしても、精子にとっては非常に大きな難関があるようです。女性の生殖器は強い精子を選ぶために、過酷な試練を課すようです。
その一つが、「体液の流れと生殖器の構造」であるようです。その関門をシュミレートしたのが、下の実験映像です。約40μmmの非常に狭い部分に、体液に粘度が近い液体を流し、そこで精子がどのように動くかを観察しました。
多くの精子は流れに勝てず、狭窄部を越えられなく、押し戻されてしまっています。
生まれる前の精子の段階から過酷な競争を勝ち抜いてきて、初めて卵子にたどり着けるわけです。そして、人間として生まれることができるのです。
違う精子がたどり着いていたら、私は私として生まれていないかもしれません。こんな試練を乗り越え、こんな力強く行動ができた精子からできた我々は、様々な試練を乗り越えられる力を持っているはずです。
さあ、今日もがんばるぞー!
「Strictures of a microchannel impose fierce competition to select for highly motile sperm」
「マイクロチャネルの狭窄は、運動性の高い精子を選択するために激しい競争を強いる」(原文はここ)