血液型による乳がんのリスクの差

以前の記事「血液型占いではない! O型は出血死リスクが高い?」「O型の血液型はちょっとだけ心臓が強い?」では、血液型による出血死、心疾患のリスクの違いについて書きました。乳がんでも血液型による違いはあるのでしょうか?

乳がんについては血液型に関連がないとするものもありますが、一方で関連を認めるというものもいくつもあります。

今回の研究では、2016~19年にギリシャの2つの病院で診察を受けた女性341例が参加しました。症例群は乳がん切除術後に病理学的に乳がんと確認された女性202例、対照群は臨床検査と超音波検査およびマンモグラフィで乳がんではなかった女性139例です。

その結果、症例群ではA型61.9%、B型5.5%、O型26.7%、AB型5.9%であり、対照群ではA型31.6%、B型13.7%、O型47.5%、AB型7.2%でした。これらの結果を解析したところ、乳がんの患者はA型でより頻繁(約2倍)であり、乳がんのない患者はO型が優勢でした。乳がん患者と血液型Aの間に有意な相関があり、A型の女性はB、O、AB型の女性より乳がんリスクが高いことが示されました。

さらに、メタアナリシスでも、11の研究で11,460人の対象を分析したところ、乳がんになる可能性がA型は非A型と比較して1.12倍でした。一方O型は非O型と比べて0.90倍でした。(この論文参照)

血液型抗原は、赤血球だけでなく乳管細胞や乳腺の小葉細胞など、体中の多くの組織の表面に発現しています。また正常な上皮と比較して、悪性細胞の表面でのABO抗原発現の変化は、乳がんを含むさまざまな腫瘍タイプで見られています。その抗原の違いや変化により炎症反応や凝固促進作用や血管新生作用などを示す可能性もあります。またアポトーシスや免疫反応に影響も与える可能性もあります。

もちろん多くの研究が日本人を対象としたものではないので、民族や人種の違いで、この結果も違うかもしれません。

何が乳がんと血液型を結びつけているのか正確にはわかりませんが、他のがんでも様々な報告があります。それについては次回以降で。

「Blood groups type linked to breast cancer in a Greek cohort of women – a case control study」

「ギリシャの女性コホートにおける乳がんに関連する血液型タイプ-症例対照研究」(原文はここ

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