たった40時間の停電だけでもかなり不自由でした

今回の地震で、自宅は約40時間の停電となりました。しかし、水も出ました。寝る場所(自宅)もあります。だから被災したとは全く思っていません。今回の震源地に近い方たちや東日本大震災とは比べ物にならないです。また、その前の日に来た台風の被害とも比べ物になりません。台風でいまだに停電の地域も多いと思います。

同じ札幌でも非常に被害の大きいところもあります。液状化現象で道路も家もめちゃくちゃの地域があります。震源からの距離がちょっと遠いところでも、震度が大きかったところもあります。地盤は重要な要素でしょう。家を買う場合は十分な地盤の調査が必要かもしれません。

今回の地震はまだ、季節が良く、不自由さだけで済みましたが、これが真冬だったらと思うとぞっとします。

多くの方からご心配のメッセージやメールをいただきありがとうございます。もう日常を取り戻しています。

今回の地震で思ったことを書きます。

1.秩序が保たれていた

北海道全体が停電しており、全く信号機もないのに、そこに警察官などの誘導する人もいないのに、非常に秩序が保たれていて、車の走行も譲り合いがあり、ものすごくスムーズに移動ができました。

コンビニの買い物でも、長い列に文句も言わずにみんな並んでいました。さすが日本人だな、と思いました。

しかし、中には一人で棚にあるパンを全部買い占めるようにカゴに入れている人もいて、ちょっと白い目で見られていました。ただ、その人の背景がわからないので、もしかしたら多くの人がその人の買ってきたものを待っているのかもしれません。人それぞれでしょう。

もちろんコンビニなどで使えるのは現金のみ。電子マネーやカードは無力です。

 

2.自分も大変な時に人のために多くの人が働いている

地震後コンビニやスーパーで営業しているところも多く、ありがたく思いました。自分も地震に遭い、家は停電しているはずです。そんな時に懸命に働いていただいている人に感謝の気持ちでいっぱいでした。

店によってはアイスなど、商品にならないものを無料で配っているところもあったようです。糖質制限をしている人にはあまり関係ありませんが、そのような姿勢で、困っているときはお互い助け合うことが自然に行われていました。電気屋さんなども停電が解消した店では、スマホなどの充電をさせていただけるところがいっぱいありました。

 

3.スマホの充電の確保は重要かもしれないが…

テレビが見れなくなり、情報源がスマホかラジオしかない状態です。ラジオもスマホのネットラジオを聞けばいいと思っていました。最初はスマホでネット情報を得ることができていました。ですから、充電が問題になりました。スマホを乾電池で充電するものを使っていましたが、すぐに乾電池が無くなってしまいます。驚くほど乾電池が必要になりましたがコンビニからは乾電池はすぐになくなってしまいました。一番はやはり車での充電でしょう。車ならばラジオも聴けますから。

しかし、充電を確保したのは良いのですが、そのうちネットの接続がどんどん不安定になってきました。電波を届ける各地の基地局もこの停電で停止してしまったためだと思いますが、せっかくスマホが使えても、ネットにも接続できないし、誰かに連絡もできない状態になってしまいました。

ときどき電波が届くときがあり、その時に少し必要な情報を得たり、連絡したりすることはできましたが、地震のあった日の夕方ぐらいからはほとんど繋がらない状態になってしまいました。

 

4.水道管が問題なくても断水

私の自宅はずっと水道が使えました。しかし、札幌でも水道管が損傷し、断水の地域もありました。ただ、水道管が問題ないのに断水している方が多くいました。それはマンションに住んでいる人です。多くのマンションは電気を使って各家庭に水を届けているところが多いようです。だから、停電したら水が出ないのです。そして、マンションではエレベータも止まってしまうので、水を運ぶのも大変だったでしょう。高層のマンションは眺めが良いかもしれませんが、このような状況では本当に不自由な生活になってしまいます。しかも、恐らく地震の揺れもかなりのものではなかったかと思います。

 

5.非常用の電源は大して役に立たない

病院の規模にもよりますが、停電時に作動する自家発電を持っている病院が多いと思います。しかし、すぐにそれも尽きてしまいます。一時的な停電であれば問題ないのですが、このような長時間の停電では全くの無力です。ほとんどの病院は外来の機能を失い、新規の患者さんは受け付けない状態になりました。日ごろから健康に注意して生活することが最も大切ですね。

 

6.非常時に糖質を求める人が激増する

このような非常時にコンビニなどの店頭からまず初めに無くなるのは、水とおにぎりやお弁当類、パンなどの糖質です。私は地震から5時間後にコンビニに行きましたが、もちろんそのような糖質はすべて無くなっていました。お客さんはいっぱいいましたが、そのほとんどの方はお菓子やカップ麺などを購入しているようでした。私はその傍らで魚の缶詰などを買いましたが、いっぱい余っていました。ナッツ類もいっぱいありました。つまり、糖質制限をしている人はちょっと遅れても問題なく食料が確保できるのです。

ただ、もっと状況が悪く、避難所に行かなければならない場合には、糖質制限をしている場合は非常に困るでしょう。避難所では恐らく、おにぎりやパンやカップ麺といったものがほとんどだと思います。長期保存の効き、そのまま食べることができる缶詰をもっと災害時に配っても良いと思いますが、値段の問題でしょうか?重量の問題もあるのでしょうか?でもタンパク質は必要です。魚などの缶詰の方が栄養の密度が非常に高いので、非常時の食料としては最適だと思いますが。

 

7.デマ情報が多すぎる

前回の「北海道の地震」でも書きましたが、このような災害時にSNSによると思われるデマ情報がものすごく流れます。「今回の地震は余震で、数日後に本震が来ますよ」「数時間後には電気は復旧するそうです」「数時間後には札幌全域で断水になるそうです」などです。

情報の出所を確かめず、どんどん拡散してしまうので、多くの人がその情報を共有することになり、みんなが言っていると本当のことのように思えてきます。しかし、電力会社のホームページや水道局のホームページにはそのようなことは一切書いてありません。もちろん、そのようなホームページの更新も遅いのが問題かもしれません。しかし、ラジオでもそのような情報はありません。スタッフに「どこからの情報?」と聞いても情報の元はわかりません。

誰がデマを流すのかわかりませんが、噂話のような情報が行きかいます。しっかりと自分で情報を調べることが重要でしょう。

しかし、今回は先ほど書いたようにネットがどんどん繋がらなくなり、情報がラジオしか得られない状態になってしまいました。普段はほとんど聴かないラジオですが、スマホではないラジオを一台は持っているべきかもしれません。

 

8.日常が幸せ

たった40時間の停電だけなのに非常に不自由な生活を感じました。水は出るのに、電気がないのでお湯が出ません。だからシャワーも浴びれません。中には水のシャワーを浴びた人もいたようです。私の台所はIHなので、ガスが通っていても料理ができません。カセット式のコンロを準備しておくべきでした。トイレを流すのも奥の方のレバーをいちいち操作しなければなりませんでした。ただ、水が止まっているマンションなどと比べれば問題ないレベルです。冷蔵庫の中の温度がどんどん上がってきたと同時に変な匂いがするようになりました。捨てるべきものは早めに捨てた方が良かったかもしれませんが、いつ電気が復旧するかもわからないので、そのまま冷蔵庫にものを入れていたのが災いしました。最終的にはかなりのものを捨てる羽目になりました。もっとストックの多い家庭ではもっと被害が大きかったでしょう。

最初の夜は病院で過ごし、暗くなり、夜空を見上げるとびっくりするほどのきれいな星が見えました。全域がブラックアウトをすることはまずないことなので、全部の明かりが消えればこんなに夜空はきれいなんだと思いました。次の日の夜は自宅でしたが、暗くなってくると、薄明りだけしかないため本も読めません。スマホもネットに接続できず使えません。もちろんテレビも見えません。本当にやることがなく、じっと座って妻としゃべっていました。しかし、会話もずっとは続きません。急に「しりとりでもやる?」ということになりました。結婚して初めて妻としりとりをしました。子供とは小さい頃やりましたが、妻と1対1のしりとりは初めてです。なかなか盛り上がりましたが、それも長時間続けられません。

車にスマホを充電しつつラジオを聴きに行こうと思い、外に出て左を見ると、道の向こうの地域は電気がついていました。右を見るとやはり道の向こうは電気がついています。何でこの地域だけ暗いの?と思いました。車でラジオを聴いていると間もなく私の家の電気も付きました。妻とともに喜んでいました。周りの家では歓声のような声もしました。

スイッチを押せば明かりが付く。その何気ない日常がこんなにも幸せなのかと思いました。

 

9.ガソリンの確保

地震から1日たち、やっているガソリンスタンドは非常にわずかで、そこに長蛇の列ができていました。その次の日もスタンドの多くが営業し始めましたが、どこも長蛇の列でした。スマホを車で充電することもあり、ガソリンの確保は重要になっているようです。ただ、今回の地震の地域や規模を考えるとそんなに遅くなることなく、十分なガソリンが確保できるように感じ、私は並んでいません。もちろん仕事で車が絶対に必要な人は、どうしても確保しないとならないでしょうが、これもガソリンが無くなる!というデマ情報や心理的なものなのかもしれません。ガソリンを運ぶルートが壊滅的な打撃を受けていませんので、数日中に正常化すると思っています。

 

10.北海道電力

今回北海道全体が停電、いわゆるブラックアウトになってしまいました。自然災害なので仕方がないということもあります。今回の地震で私たちは初めて知った事実があります。北海道の電力の約半分を苫東厚真火力発電所が発電していることです。その発電所が今回の地震で故障して、それが原因で全道の停電を引き起こしました。

しかし、報道によると、北電はそもそも苫東厚真火力発電所が故障するということを想定した訓練さえ行っていないというのです。それを聞いて怒りに近いものを感じました。猛烈な台風が来ることもあるし、地震が今回のように起きることも容易に想定できるはずです。そうしたら故障することも十分に考えられます。しかし、そんな子供でもできる想定をしていなかったのです。

電力会社はどの地域でも独占状態です。競争がありませんので、非常に生ぬるい体質なのでしょう。東京電力も同じように甘い考えで福島の原発事故を起こしました。北電もこのような甘い考えでは今回よりも大きな事故、取り返しのつかない事故を起こしかねません。

無意味な地震予知と原子力発電所」でも書いたように、北電は泊原発を持っています。それを再稼働しようとしていますが、その北電の想定はこのレベルです。今回の地震で泊原発が電源を喪失した時間は何と9時間です。原発を持たせて良いレベルの企業なのでしょうか?我々の非常に需要なライフラインの一つを握らせていて良いレベルの企業なのでしょうか?正直不安ですが、どこの電力会社も似たようなものだと思っています。安心、安全のために原発がゼロになることを願います。

 

命があるだけで感謝、ケガがないだけで感謝、寝る家があるだけで感謝です。若い頃には思ったことがないですが。年をとってきましたね。

2 thoughts on “たった40時間の停電だけでもかなり不自由でした

  1. いつもブログを拝見しています。
    そして自宅も病院も大変なさなかに、今回の経験を冷静にアップしてくださりありがとうございます!!

    今回の自然災害の連続で、先生の記事を読み、自分が何をどのように蓄えておくべきか、いざという時どう行動すべきか、真剣に考えることができました。
    今までは何となくの避難グッズは用意していましたが、深夜に起こる事の想定、電池は多めにストック、携帯ラジオ、それらの置き場などなど、再検討すべきが沢山です。

    それにしてもパンやカップ麺に行列する映像には驚きました。
    一般家庭なら缶詰やレトルトなどのストックくらいありそうですが、パニックになると「まず食糧確保!」に走ってしまうのでしょうね。
    缶詰、レトルト、乾物など、自分が安心して食べられるものをローリングストックできるように、まずは棚を整理します。これらを緊急持ち出しバッグにも入れるとなると、さらに管理が大変ですね。
    そして最大の難点は、ナッツを買いだめするとついつい食べ過ぎちゃうんですよね・・・(困)。

    1. Rさん、コメントありがとうございます。

      ブログをアップできるくらいの状態だったということです。ただ40時間停電になっていただけですから。
      私も今回の経験をもとに、いろいろと見直さないとダメだな、と感じております。
      正直、今回の地震による停電は、数時間で復旧するだろうと思っていました。震度4でしたから。しかし甘かった。
      電力会社がこれほど低レベルとは思っていませんでした。本当に何が起きるかわかりませんね。

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